ボリンジャーバンドの3σで逆張りがベスト?危険な使い方に注意

FXや株式投資をしている方がよく利用するインジケーターの一つにボリンジャーバンドが挙げられます。標準偏差を利用したテクニカル指標で、 逆張り による利益を狙うトレーダーに人気です。

トモヒロ
この記事では、ボリンジャーバンドの使い方と、損失を被らないように注意すべき使い方について解説します。

ボリンジャーバンドのσ(シグマ)とは?

ボリンジャーバンドを使う際にまず知っておくべきなのは、『σ(シグマ)』です。σとは、『標準偏差』のことで、一定期間の株価や相場のばらつきを指します。

株価や相場のばらつきが大きくなるとσは大きくなり、価格の変動があまりなかった場合にはσが小さくなります。

POINT
ボリンジャーバンドでは、まず平均値からからのばらつきを表す標準偏差σを算出しとします。その標準偏差σの2倍を、3倍をと表します。

チャートではまず平均値となる移動平均線が描かれ、そこから上下に±1σ、±2σ、±3σのラインを描きます。移動平均線や1σ、2σ、3σライン同士の間がバンドに見えることから、 ボリンジャーバンド と呼ばれます。

ローソク足が±2σや±3σに触れたところがエントリーのタイミングとなるのが一般的です。

ボリジャーバンド収まる確率

正規分布の理論によれば、株価や相場のばらつきが±1σの中に収まる確率は約68.2%、±2σの中に収まる確率は約95.4%です。

ボリンジャーバンドは、値動きが激しくても、それほど価格変動がなくても、ローソク足が2σのバンドを突破しにくいという正規分布の特徴を利用したテクニカル指標となります。

通常であればばらつきが1σの範囲内に収まり、価格変動が激しくても2σに収まるはずです。それ以外の動きをした場合には、まれなケースと考えられ、エントリーのチャンスといえるでしょう。

トモヒロ
数学の世界では母集団の標準偏差を『σ』で表すため、ボリンジャーバンドでも同じようにσが用いられています。

3σでの逆張りトレードとは?

ボリンジャーバンドの効果的な使い方の一つが『 逆張り 』です。ボリンジャーバンドの代名詞ともいえるトレード方法で、初心者でもわかりやすいためとても人気の手法となっています。

POINT
方法はとても簡単で、価格が上昇していって3σのラインに触れたら売りポジションを取るというものです。逆に価格が下がり続けて-3σのラインに触れた場合には買いポジションを取ることになります。

3σでの逆張りは、ローソク足とボリンジャーバンドの関係さえ観察していればよいのでとても簡単です。そして利益を上げられる確率が高いトレード手法でもあります。

というのは、±2σの中に標準偏差が収まる確率は約95.4%、±3σの中に標準偏差が収まる確率は約99.74%だからです。

つまり理論上は±3σラインに触れた場合、反転する確率は約99.74%ということになります。

もちろん実際の相場は理論通りにはいきませんが、かなりの確率で反転すると考えてよいでしょう。

世界中のトレーダーもボリンジャーバンドの意味や正規分布の理論について知っているので、もしローソク足が+3σのラインに触れたなら『買われすぎ』、-3σのラインに触れたなら『売られすぎ』であると判断します。

結果として、多くのトレーダーが売られすぎや買われすぎを警戒するため価格が反転することになるのです。

ボリンジャーバンドの3σでの逆張りは、分かりやすく効果的な取引方法といえるでしょう。

3σ反転しない場合

ボリンジャーバンドの逆張りは、±3σでの価格の反転を狙って取引する方法です。確かに±3σで反転する確率は理論上99%以上ですが、すべてのケースで反転するわけではないので注意が必要です。

とくに注意が必要なのが『 バンドウォーク 』という現象です。

バンドウォークはボリンジャーバンドにおいて非常に重要な現象で、トレーダーにとっては利益を上げられる確率の非常に高いパターンとなります。これからFXや株式投資でボリンジャーバンドを使う方は、ぜひとも覚えておきたいポイントです。

バンドウォークとは、ローソク足が1σと2σとの間を安定して推移している状態のことです。下のチャートをご覧ください。

3σ反転しない場合

黄色が移動平均線、上側に赤の1σと2σのラインが描かれています。黄色い丸の中では、ローソク足が価格を上げたり下げたりしつつも、1σと2σの間を安定して推移していることが分かるでしょう。

もちろん完全にバンドに入っているわけではなく、2σを突き抜けたり1σのラインを割り込んだりしていることもあります。

しかし全体としてバンド内に収まっていることが分かります。これをバンドウォークと呼び、 強いトレンドが発生している証拠 となります。

トモヒロ
しかもバンドウォーク発生時には、ある程度の期間そのトレンドが続くことが多いので、順張りのチャンスとなります。

価格が上昇していてバンドウォークが発生すれば、その後もしばらく価格が上がっていくことが予想できるので、買いポジションを取ることで利益を上げられるかもしれません。

当然逆のパターンもあります。価格が下がり続けており、ローソク足が-1σと-2σの間を安定して推移しているとしましょう。

これもバンドウォークであり、その後しばらくは下降トレンドが続くと予想されます。FXにおいては売りポジションを取ることで利益を上げやすくなるでしょう。

 ただしバンドウォークを見つけるのはなかなか難しく、発生したと思うと逆方向に相場が進むこともあるので注意が必要です。

ボリンジャーバンドと他のインジケーターの組み合わせ

ボリンジャーバンドはトレーダーにとって非常に有用なテクニカル指標ですが、注意も必要です。どのテクニカル指標もそうですが、 1つだけを使って市場を分析するのは危険 です。

FXや株式投資の世界では、予測と市場の動きが異なる『だまし』が発生することも珍しくなく、大きな損失を被るトレーダーもいます。実際3σでの逆張り、バンドウォークを狙った順張りでさえ、だましが発生することはあるのです。

ボリンジャーバンドだけを信頼して分析を行うことにはリスクがあります。トレードの勝率を上げるためには、他のインジケーターやテクニカル指標と組み合わせて分析を行うのがベストです。

トモヒロ
複数のテクニカル指標を使用することで、互いの欠点や弱点を補い合うことができるので、より確度の高い市場分析が行えます。

人気が高く、ボリンジャーバンドとの相性もよいテクニカル指標の一つが『 RSI 』です。ボリンジャーバンドがトレンド系のテクニカル指標なのに対し、RSIはオシレーター系のテクニカル指標です。

オシレーター系のテクニカル指標は、市場の売られすぎや買われすぎを判断するのに役立ちます。ボリンジャーバンドが役立つトレンド相場以外のレンジ相場でも力を発揮するため、2つを組み合わせるのが有効です。

RSIでは70から80が買われすぎ、20から30が売られすぎの基準となります。ボリンジャーバンドでローソク足が2σに触れたとき、価格が反転する可能性は高いといえます。

しかしここでRSIを確認します。RSIが70から80近くに達していれば市場は買われすぎの状態にあり、価格が反転する確率はさらに高いと考えられます。結果として逆張りを選択することになるでしょう。

2つのテクニカル指標を使えば、より根拠を持った決定ができるのです。

ボリンジャーバンドと組み合わせて使える別のテクニカル指標は、『 ストキャスティクス 』です。RSIと同様オシレーター系のテクニカル指標であり、2本もしくは3本のラインを使う市場分析の方法です。

短期線、中期線、長期線の3本のラインを組み合わせて、エントリーのポイントを探します。複数のラインを使っているため、そもそも確度の高い分析が行えますが、ボリンジャーバンドと組み合わせれば勝率をさらに高められるでしょう。

加えてストキャスティクスではゴールデンクロスやデッドクロスといった売買の強いサインも確認できるので、大きな利益を上げるのに役立ちます。

まとめ

ボリンジャーバンドは状況によって逆張りも順張りもできる便利なテクニカル指標です。初心者でも比較的に使いやすいため、FXや株式投資を始めたい方にもおすすめです。

標準偏差についてよく理解しておくと、ボリンジャーバンドをより効果的に用いられるでしょう。ただしボリンジャーバンド以外のテクニカル指標も併用することで、より確度の高い分析を行うことがとても重要です。

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