空売りの目的や両建てを理解し、利益ポイントを2倍に広げよう

初心者が株式投資を始める場合は特に決めた「ルール」をしっかり守り、決められた条件でのみ取引を行う論理的な取引が重要です。

今回解説する、空売りの目的や両建てを理解することで、利益ポイントを2倍に広げることが可能です。この下降相場での売買(空売り)を行うするためには、「信用取引」の開設が必要不可欠です。

今回は空売りについての「仕組み」、そして「メリット」と「リスク」を解説します。

空売りという言葉は聞いたことがあると思いますが、実際にどんな流れで空売りという形で取引しているのか分かりづらい人もいると思います。そういった方々の疑問を解消するために、今回のこの動画を見て理解してもらえたら嬉しく思います。

初心者のための空売りの構造・メリットの解説

まずは空売りの構造とメリットを簡単に説明します。

買から入る普通の買い方は、安く買って高く売るという値幅を取る買い方ですが、空売りは簡単に言うとその逆で、高く売ってから安く買うという手順が入れ替わる買い方です。

最大のメリットは空売りという1つの取引方法を増やし、選択肢を広げることにより機会損失を防げる(チャンスを増やすことができる)点です。

皆様も是非空売りを挑戦してほしいですが、知識が無い状態で行うと損失が出てしまいますので、まずはルールを守ることが大事です。自分の中でしっかりとルールを作り、特に損切りに関しては確実に守った上で空売りを行いましょう。

では空売りの構造やメリットをもう少し具体的に説明していきます。

空売りってどういう仕組み?

まずは証券会社・株式相場・投資家の3者がいることを想定し、B社の株を空売りする場合で考えましょう。

この想定を念頭に置いたら、まず投資家が証券会社からB社100株を借りるところからスタートします。

その借りた株のお金を私が証券会社に支払う金額が「証拠金」となり、この証拠金は実際にはこの場で支払うわけではなく、口座内の軍資金=証拠金を担保に株を借りる形になります。

空売りの場合は、借りた株は株式相場ですぐに自動で売られる ( =売り) となり、借りた時点ですぐに自動で株式市場に売られる形です。

このとき例えば8000円で100株を空売りしたとします。この時、80万円分(8000円×100株)の証拠金を使っていることになります。その後相場が値下がりして株が下がり、現在7000円となりました。

今度は株を株式市場から100株買い戻します。7000円で売っていて100株で買い戻した70万円の支払いです。

買い戻した段階で私から自動的に借りた証券会社へ返却されますが、形式上は株は証券会社から借りていたので私が証券会社に返したことになります。株を返した段階で証拠金(80万円分(8000円×100株))は私に返却され一連の取引が終了です。これが空売りの全体の構造です。

80万円(返却分)-70万円(株式取得分)=10万円の利益!

やや複雑ではありますが、空売りは基本的にはこのような仕組みで利益を得るということを理解しましょう。

空売りをする目的と理由

  • 相場が下がっている局面ポイントでも投資できる
  • 空売りを仕掛け下がったら買戻し上がったら空売りという流れの局面の場合、現物買いに比べ2倍のチャンスが広がる点が大きなメリットです。

  • 相場のリスクヘッジでも活用できる
  • 株は買いと判断しても為替や全体相場に引っ張られることもあります。

    株は買いと判断した後に業績が良いからといって必ず上がるわけではなく、また業績が悪いからといって必ず下がるわけでもありません。このように株は業績とは別に、為替や全体相場など他の要因に引っ張られることによって、買いと判断して買っても下がってしまうこともあるのです。

    そのリスクにヘッジする方法で買った後に別の空売りをする、これがリスクヘッジとしての活用です。例としてトヨタ自動車の業績が良い時に株を買ったとします。

    トヨタは海外展開も行っているため為替や全体相場に引っ張られやすい会社です。この点を踏まえて・・・

    ・トヨタ自動車を買う

    これが通常の取引でここからさらに

    ・日経平均(ETF)を空売り

    します。
    ※ETFとは上場投資信託のことで金額は日経平均に連動し、株のように簡単に購入できる投資信託です。

    こうすることで日経平均の値が下がったことで引っ張られ、トヨタ自動車の株が下がった場合でも、ETFの空売りで利益が出るため、大幅な損失や不利を避けることが可能になります。

    空売りした分を含めると、トヨタ自動車の株が上昇した場合、利益は減少する可能性がありますが、万が一の備えのための戦略として、1つだけではなくもう1つの駒を持っておくのがリスクヘッジです。こうすることでどちらの相場に流れても損失や不利を避けることができるからです。

    空売りのリスクや利息について

    空売りは損失が青天井だ、ということです。

    例えば1株100円の株を買った場合100円の株はどんなに値下がりしても1円より下がることはありません。(最低金額は1円のため)この場合の最大損失は一株当たり100円がマックスです。

    それに対し1株100円の株を空売りをし株価が逆(上昇)に行った場合100円から200円(2倍)、500円(5倍)・1万円(100倍)になることもあり、上限の見えない青天井のリスクが発生してきます。

    空売りをする場合この青天井のリスクは十分に理解しておきましょう。またその間の利息も馬鹿にはなりません。一般に空売りのほうが利息が高くなる傾向がありますので都度空売り料に注意が必要となります。

    空売りはリスクはあるがチャンスを広げることができる点は非常に重要で、もし可能な方は空売りにぜひ挑戦してみてください!

    ※信用取引は通常の証券口座ではできず、信用取引口座別の申し込み及び簡単な審査が必要となりますのでご注意ください。

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