NISA投資のメリット・デメリットは?限度額の上限や、非課税枠はどのくらい?

NISA投資のメリット・デメリットは?

ここでは、NISA投資のメリット・デメリットについてご紹介します。

NISA投資は?

一般的に、金融商品の投資信託や株式などに投資したときは、売って獲得した利益や受け取った配当に対して税金が約 20% かかります。

しかし、NISA投資のときは、非課税口座のNISA口座の中で一定額の枠内で毎年買った金融商品から獲得できる利益は 非課税 になります。

ポイント
つまり、NISA投資で獲得した利益に対しては、税金がかかりません。

なお、日本のNISA投資は、イギリスの個人貯蓄口座(ISA:Individual Savings Account)をモデルにしており、ニーサ(NISA:Nippon Individual Savings Account)と呼ばれています。

ニーサとしては、NISA投資つみたてNISA投資ジュニアNISA投資があります。

NISA投資のメリット

ここでは、NISA投資のメリットについてご紹介します。

運用益は全て課税されない

NISA投資では、専用のNISAの口座で買った投資信託などの全ての運用益は課税されません。これが最大のNISA投資のメリットです。

例えば、投資するときに年間に120万円の非課税枠を利用して、運用益を10万円獲得したときは、普通の証券口座では20.315%が運用益に対して課税されるため、79,685円の手取りになります。

しかし、NISA投資のときは、運用益の10万円が手取りになります。全ての運用益が課税されないというメリットは、ジュニアNISA投資やつみたてNISA投資でも同じです。

なお、課税されない非課税枠の上限は違っています。

ポイント
非課税枠の上限は、NISA投資が年間に120万円で5年間であるため600万円、ジュニアNISA投資が年間に80万円で5年間であるため400万円、つみたてNISA投資が年間に40万円で20年間であるため800万円になります。

そのため、全ての非課税枠を使って同じ運用益が獲得できるとすると、NISA投資、ジュニアNISA投資、つみたてNISA投資の中では、最もつみたてNISA投資のメリットが大きくなります。

資金の払い出しがいつでもできる

NISA投資は、投資しているときに資金を自由にいつでも払い出しができることがメリットです。

なお、ジュニアNISA投資は非課税で18歳までは払い出しができません。しかし、ジュニアNISA投資は、自分の名義で18歳未満の子供が資産を持てるというメリットがあります。

なお、資金を払い出すときは、NISA投資つみたてNISA投資の方がジュニアNISA投資よりいいでしょう。

初めて投資する人が始めやすい

初めて投資する人から見たときも、大きなメリットがNISA投資はあります。というのは、普通の証券口座に比較して、投資するときのハードルが高くないということです。

普通の証券口座では、どのような投資信託でも買うことができます。当然ですが、買える投資信託は証券口座がある証券業者が取り扱っているものに限定されます。

日本の投資信託は、現在非常に多くあります。そのため、初めて投資する人者が、このように多くある投資信託の中から選択するのは非常に困難です。

しかし、NISA投資のときは、投資信託として一定の条件をクリヤーものだけが対象になっています。

現在、NISA投資の投資信託としては、アクティブ型投資信託インデックス型投資信託があり本数が限定されています。

本数が限定されているため、特に初めて投資する人は非常に選択しやすくなっています。

また、つみたてNISA投資は、最長20年の非課税の投資期間であることもメリットです。

つみたてNISA投資の非課税枠は年間に40万円とNISA投資の120万円より少ないですが、120万円の枠を年間に使い切れない人もいるでしょう。

ポイント
このように考えれば、初めて投資する人にはつみたてNISA投資のように少額で始めてトータルの非課税枠の大きい方がいいでしょう。

はっきりと金融庁がいっているということではありませんが、つみたてNISA投資は初めて投資する人にこそ選択して欲しいということがあるでしょう。

そのため、投資額を少なくして投資信託を選択しやすくしていると思われます。

同じ投資商品を一定額で定期的に買える

NISA投資が初めて投資をする人に適しているのは理由があります。この理由は、NISA投資は投資商品を限定していることです。

どのような投資商品でも価格が相場によって変わりますが、このような投資商品を初めて投資する人が取引するのは困難です。

しかし、同じ投資商品を一定額で定期的に買えるものであれば、運用するときに価格が変わるリスクを少なくすることができます。

ドルコスト平均法 とはこのことをいいます。

ポイント
ドルコスト平均法であれば、安い価格のときは多く投資商品を買って、高い価格のときは少なく投資商品を買うので、買う単価を平均的に抑えることができます。

NISA投資であれば、この効果を利用しながら、長期間にわたって資金をコツコツと貯めることができるため、初めて投資する人もチャレンジしやすいでしょう。

NISA投資のデメリット

一方、NISA投資はメリットだけでなく、当然ですがデメリットもあります。ここでは、NISA投資のデメリットについてご紹介します。

再度非課税枠が使えない

NISA投資は、再度非課税枠が使えないことがデメリットです。投資した商品を1年の途中で売っても、売った分の非課税枠は再度使えません。

例えば、多くなった資産を売った分で少なくなった資産を買うようなことは困難です。

つみたてNISA投資のときは、基本的に専用に積立投資を行うものであるため、売ったり買ったりすることを頻繫に行うことはないでしょうが、使い勝手が普通の証券口座と比較して良くないということではデメリットになります。

損益通算、損の繰越しができない

NISA投資は、損益通算、損の繰越しが普通の証券口座のようにできません。損益通算というのは、年間の利益と損が相殺できるため節税できるものです

しかし、NISA投資では基本的に利益も損も生じていないという前提になるので、損益通算はできません。また、同じようなことから、損を次の年に繰り越して、損益通算を再度行うこともできません。

投資商品の選択肢が多くない

NISA投資では、一定の条件をクリヤーする投資信託などのみが投資対象になります。

現在、NISA投資として登録されているのは、インデックス型投資信託は多くありますが、ごくわずかしかアクティブ型投資信託はありません。

また、基本的に直接不動産投資信託(リート)や株式などの商品に投資することはできません。

初めて投資する人には確かに選択しやすいでしょうが、投資商品が選択できる幅が限定されているのはデメリットになるでしょう。

年間の非課税枠が多くない

NISA投資は、年間の非課税枠が多くありません

例えば、つみたてNISA投資では年間の非課税枠は40万円だけです。

そのため、これ以上の金額を投資したいときは、非課税枠が多くないことがデメリットになるでしょう。

利益を金融庁が保証してくれない

NISA投資では、利益を金融庁が保証してくれないということがあります。

注意
これは、デメリットということではないかもしれませんが、NISA投資については必ず把握しておきましょう。

つまり、運用成績が将来的に保証されているということではありません。

NISA投資の対象商品としては、確かに金融庁が決めたいくつかの条件をクリヤーしたもののみが認可されています。しかし、これは将来的な利益を金融庁が保証してくれるというニュアンスのものではありません。

基本的に金融庁が決めた条件としては、運用実績についてのものはなく、アクティブ型投資信託のときは将来を以前の運用実績から推定することはできません。

注意
特に、初めてNISA投資を始めるときは、NISA投資は金融庁が認可したものであるため心配ないというような誤解はしないように注意しましょう。

NISA投資の限度額の上限はどのくらい?

つみたてNISA投資は、 月に33,000円 くらいが限度額の上限になります。

つみたてNISA投資は、非課税で無制限に投資ができるということでなく、1年間の1月1日~12月31日までの投資の限度額の上限は、 40万円 になっています。

月額の限度額の上限としては、40万円を12ヶ月で割った33,333円になります。

注意
しかし、限度額の上限は金融機関ごとに実際には変わります。

例えば、楽天証券とSBI証券は積立額の設定が100円以上で1円単位であるため、毎月の限度額の上限は33,333円になります。

一方、ゆうちょ銀行やみずほ銀行は積立額の設定が1,000円以上で1,000円単位であるため、毎月の限度額の上限は33,000円になります。

なお、一見するとこの限度額の上限は控えめなものに見えるかもしれませんが、40万円の投資を毎年20年間継続するとトータルでは800万円になります。

満額を毎月投資したいでしょうが、生活費などのことも考慮して最も適した積立額を設定しましょう。

NISA投資の非課税枠はどのくらい?

NISA投資のメリット・デメリットは?

では、NISA投資の非課税枠はどのくらいあるのでしょうか?

NISA投資の非課税枠は年間で 120万円 、つみたてNISA投資の非課税枠は年間で 40万円 、ジュニアNISA投資の非課税枠は年間で 80万円 と決まっています。

例えば、NISA投資で金融商品を年間に120万円買って利益を獲得しても、利益に対しては課税されません。あるいは、6回20万円を買って獲得した利益にも課税されません。

注意
しかし、非課枠がたとえ残っていても、繰り越しは次の年度にはできないため注意しましょう。

次の年度に再度、非課税枠としてNISA投資では120万円、つみたてNISAでは40万円、ジュニアNISA投資では80万円がそれぞれ与えられるので、この非課税枠内で投資することができます。

もし、NISA投資で前の年度に非課税枠として50万円が残っていても、次の年度に与えられる120万円を加算して170万円の非課税枠になるということではありません。

基本的に、非課税枠はその年度の1年間だけに使えるものになります。

逆にいうと、全ての非課税枠を使い切れば、取引は次の年度までできなくなります。

しかし、NISA投資を計画的に行って、非課税枠を全て使い切ったときは、トータルの非課税枠は最大で年間120万円の5年間で600万円にもなります。

ポイント
賢くNISA投資をするには、1年間を考慮して投資プランを立案する必要があります。

さらに、使った非課税枠は再度使うことはできません。

例えば、NISA投資で投資信託を30万円分と90万円分買って、非課税枠が無くなったとしましょう。このときに、例えば、30万円分の投資信託を売ると、再度30万円分の非課税枠を使って投資信託が買えるということはありません。

なお、NISA投資の5年間、つみたてNISA投資の20年間、ジュニアNISA投資の5年間の非課税期間は、NISA投資を始めた日から計算するということではありません。

注意
NISA投資を始めた年から計算して、5年間、あるいは20年間になります。

そのため、NISA投資を始める月が1月でも12月でも、非課税枠が終わるのは同じ年になります。

NISA投資の限度額の上限や非課税枠はどのくらい?

ここでは、NISA投資のメリット・デメリットは?NISA投資の限度額の上限はどのくらい?NISA投資の非課税枠はどのくらい?についてご紹介しました。

これからNISA投資を始めたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。

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