今回は、オンカジ勝利金の課税の仕組みと確定申告が必要になる条件、節税方法や納めなかった場合など、税金に関する内容をまとめて解説していきます。
オンカジの儲けには税金はかかる?
オンラインカジノの人気はここ数年で一気に高まってきており、現在は副業の一つとしても広く定着してきています。
当サイトでもオンカジで効率的に稼いでいく方法について色々と解説してきましたが、オンカジ勝利金も所得の一部になる以上は必ず税金が課せられることを忘れてはいけません。
「オンカジで沢山の収益を上げて生活費や娯楽に使っていたら、翌年税務署からものすごい金額の督促状が届いた・・・」
という事態にならないように、まずはオンカジの収益と税金の仕組みについて学んでいきましょう。
オンカジの利益は一時所得に分類される
オンカジ・競馬・パチスロなどギャンブルでの勝利金、FXトレードなど投資の差益、株の配当金、保険金など自分の懐に入ってくる収入のほとんどは「所得」とみなされ課税の対象となります。
また所得についても内容によって以下の10種類に分けられており、オンカジのようなギャンブルで得た収入については「 一時所得 」に分類されます。
所得の分類 | 収入例 |
---|---|
事業所得 | 法人や個人事業主によるサービス業、商工業、農業での収入 |
利子所得 | 公社債や預金の利子による収入 |
配当所得 | 株式などの出資により法人から受け取る配当収入 |
不動産所得 | 建物や土地などの賃貸収入 |
給与所得 | サラリーマン、パート、アルバイトでの収入 |
山林所得 | 山林を伐採または立木のまま売却して得た収入 |
退職所得 | 退職を理由に得た収入 |
譲渡所得 | 不動産や株式などの資産を売却して得た収入 |
雑所得 | 公的年金、印税、FX/株/先物取引の差益で得た収入 |
一時所得 | 保険金、懸賞金、ギャンブルの払戻金 |
実は、競馬/競輪/パチスロなど殆どのギャンブルは配当金が現金手渡しとなっているので、税務署側が金銭の受け取り履歴を追うことができず税金の徴収ができていないのが現状です。
つまり、「税金が発生していない」のではなく、あくまでも「徴収されていないだけ」ということになります。
要するに、一時所得を受け取ったという証拠を挙げることができなければ税務署も税金の徴収が難しいので、ギャンブル利用者もわざわざ自分から申告しに行ったりはしないというだけなのです。
また余談ですが、個人単位の小さな収入に調査を入れたところで時間と労力に見合った金額を徴収できないため、費用対効果が悪いことから税務署もあえて見て見ぬふりをしている側面もあります。
一方オンカジでは、勝利金を現金化するためには必ず最後に銀行口座へ着金させる必要があるため、 収入としての明確な履歴 が残ってしまいます。
従って、他のギャンブルと比べると税務署側も徴収しやすくなるので、プレイヤー側もきちんと申告して税金を収める必要があるのです。
オンカジの税金は勝利した時点で発生している
はい、その通りです。少し難しい話になるので、具体例を挙げながら分かりやすく説明しましょう。
プレイ日数 | ベット金額 | 勝利金額 | 口座残高 |
---|---|---|---|
初回入金 | - | - | 100万円 |
1日目 | 100万円 | 200万円 | 200万円 |
2日目 | 100万円 | 200万円 | 300万円 |
3日目 | 100万円 | 0円 | 200万円 |
4日目 | 100万円 | 0円 | 100万円 |
5日目 | 50万円 | 100万円 | 150万円 |
出金 | 50万円 | - | 100万円 |
上の表では、まず始めに100万円入金しています。
1日目はコツコツ勝利して元本が200万円になり、2日目も勝ちを重ねることができて300万円になりましたが、その後は負け続けて3日目→200万円、4日目→100万円と減っていき、5日目でようやく150万円まで利益を戻したところで上澄みの50万円を出金しました。
この場合、「100万円入金して50万円の利益を出金したのだから一時所得は50万円でしょう?」と思われがちですが、一時所得の規定上では負けた金額については経費計算ができないので「課税対象となる一時所得=純利益の50万円」とはなりません。
実は、ギャンブルで得た一時所得のうち経費として控除できるのは勝利した時のベット金額のみなので、「 課税対象となる一時所得 = 勝利金の総額 - 勝利した時のベット金総額 」となり (200+200+100) - (100+100+50) = 250万円が正しい一時所得とみなされます。
つまり、トータル的には50万円しか稼げていないのに、厳密に一時所得の計算をされると 250万円分の一時所得 となってしまうのです。
ただし、これには専門家やプレイヤーの間でも所説あるようで、
という噂を耳にすることもあれば、
と話している実際のプレイヤーも存在します。
要するに、厳密にいうと勝利金の総額が一時所得の対象となるが、実際の現場では数千~数万回ものプレイ履歴をいちいち調べ上げられることはほぼ無いので、「銀行の入出金履歴」という明確な根拠を元にきちんと申告していれば概ね問題ないということですね。
ですが、念のため口座残高の収支は毎日付けておくようにしましょう。税金対策のためだけではなく、収支を付けていくことは今後のカジノ成績にも関わってくるので大変おすすめです。
税金を納めなかったらどうなる?
少額の儲けなら黙っておけばバレないのではないでしょうか?
オンカジの勉強を必死で頑張り、リスクを背負い儲けた勝利金に対して税金が課せられることに抵抗を感じる気持ちは分かります。
ですが、先述した通りオンカジではシステム上、出金する際に必ず銀行口座に履歴が残ってしまうので税務署にバレるリスクはかなり高いです。
もしもバレてしまった場合は、ペナルティとして無申告加算税もしくは延滞税が発生し最大20%収める税額が重たくなる場合があります。
希に人口密度が高い都市部においては少額なら見逃されるケースも無くは無いですが、「督促が来たらどうしよう・・・」と不安な日々を過ごすくらいなら快く納税してしまった方が良いですね。
別の投資系記事でも頻繁にお伝えしていますが、ギャンブルや投資など継続して副業を営む上で最も大切にすべきことは日々のメンタルの安定です。
オンカジで出た利益は確定申告が必要?
一時所得が50万円以下の場合は申告しなくて良いと聞いたことがありますが本当でしょうか?
これらの疑問にお答えする前に、まずはここまでの話を一旦整理してみましょう。
- オンカジでの儲けには税金が発生する
- オンカジでの一時所得は自分で申告しに行く必要がある
- 黙っていても税務署にバレるリスクが高い
- バレた場合は追加の税率が重たくなる
一年間の利益が50万円を超えない場合は確定申告が不要
ではまず、確定申告が必要になる場合とそうでない場合についての説明をしていきます。
そもそも一時所得には最大50万円の特別控除が付いていますので、50万円以下の収入については一時所得とみなされません。
一時所得 = 年間の一時所得総額 - 経費 - 特別控除50万円
では実際に、上の計算式を使って確定申告が必要になる例をあげてみましょう。
1年間オンカジをプレイして儲けの総額が500万円で経費総額が200万円だった場合は、「一時所得 = 勝利金500万円 - 経費総額200万円 - 特別控除50万円」となり 250万円が一時所得 とみなされます。
反対に、確定申告をする必要が無い例も挙げてみましょう。
1年間の儲けの総額が100万円で経費総額50万円だった場合、「一時所得 = 勝利金総額100万円 - 経費総額50万円 - 特別控除50万円」となり事実上は 一時所得が0円 となります。
ただし、特別控除50万円とはあくまでも一時所得の年間総額から引くものであり、毎月のオンカジ勝利金から50万円ずつ控除計算するといったことはできません。
同様に、オンカジ以外の一時所得が他にもある場合でも、それら全ての総額から50万円を引くことになるので注意してください。
所得税の計算方法について
ここまでの説明で、オンカジ収益を一時所得として計上するための計算方法は理解できたでしょうか。
前項で挙げた具体例では、「一時所得 = 勝利金500万円 - 経費総額200万円 - 特別控除50万円 = 250万円」という計算式で一時所得が割り出されましたね。
次に、税金に関する基礎知識の仕上げとして所得税の計算方法も確認しておきましょう。
所得税とは、始めにご説明した10種類の所得に対して課せられる税金のことを言います。
最終的には、給与所得や一時所得など課税対象となる全ての年間所得を合計して「課税所得」というものを算出し、その金額の大きさによって5~45%の税率が割り出されてその年の税額が確定します。
この様な課税方法を「 超過累進課税 」といい、以下の表が課税所得金額とそれに対応する税率になります。
課税所得金額 | 税率 | 控除される金額 |
---|---|---|
195万円以下 | 5% | 0円 |
195~330万円以下 | 10% | 97,500円 |
330~695万円 | 20% | 427,500円 |
695~900万円 | 23% | 636,000円 |
900~1,800万円 | 33% | 1,536,000円 |
1,800~4,000万円 | 40% | 2,796,000円 |
4,000万円~ | 45% | 4,796,000円 |
ちなみに、一時所得は経費と控除額50万円を引いた金額から更に1/2計算されたものが課税所得として組み込まれます。
従って、上の例では控除後の一時所得が250万円なので、その半分の125万円が一時所得の課税対象金額となりますね。
確定申告の仕方・期限日について
続いて、確定申告をする場合の方法や期日について説明していきます。
まず期間/期限ですが、毎年2月16日~3月15日までに前年の所得に関する確定申告をするのが決まりとなっています。
要するに、2020年1月1日~2020年12月31日までの所得に関しては、2021年の2月16日~3月15日までに申告する必要があります。
次に具体的な確定申告のやり方ですが、普段はサラリーマン・アルバイト・パートをされている場合は「確定申告書A」、フリーランスや個人事業主であれば「確定申告書B」を用意して、期限内に税務署へ提出します。
ご自身で確定申告書を作成する方法としては以下の3つがあります。
- 最寄りの税務署もしくは国税庁のホームページから確定申告書を入手して手書きにより作成する
- 国税庁がネット上に設けてある確定申告書等作成コーナーを利用してオンライン作成する
- 一般の会計ソフトfreeeなどを使用して作成する
また、以下に挙げる書類も確定申告書と一緒に提出する必要がありますので、予め用意しておきましょう。
- 源泉徴収票
- 保険料などの支払証明書
- 収支内訳書(個人事業主の青色申告であれば青色申告決済書)
- 医療費控除等の証明書
収支内訳書に関しては国税庁のホームページから入手可能です。
その他に、提出書類に正確な収支を記入するためには以下のような「収支の根拠となる書類」も用意しておく必要があります。
- 支払調書(オンカジ業者から直接もらう)
- 経費の領収書(銀行口座の入出金履歴など)
オンカジの確定申告には支払調書の添付が必要と解説しているサイトもありますが、厳密に言うとプレイヤーの確定申告においては支払調書の提出義務はありません。
そもそも支払調書とは、「報酬を払う側が誰にどれだけの支払いを行ったか」を報告するための書類なので、報酬を受け取っているプレイヤー側ではなく報酬を支払う事業者側が本来必要とする書類です。
つまり、オンカジ業者がプレイヤーへ支払調書を送ってくれるのはただの厚意によるものであり、必ずしも業者から支払調書を貰えるとは限りません。
オンラインカジノの節税対策
それでは最後に、 オンカジ収入の節税方法 について解説していきます。
まず前提として、節税とは正当な理由によって課税対象額を減らすことを意味します。
オンカジにおける効果的な節税方法として考えられることは以下の2つになります。
- 個人事業主になる
- 海外のペイメント会社を利用する
個人事業主になる
まず個人事業主について端的に説明すると、個人事業の開業届を税務署へ提出し継続・反復できる事業を営む個人のことをいいます。
具体的には、法人化せずに家族経営をしている個人商店や、個人で営業している税理士、個人経営の美容室などがそれに該当します。
では、なぜ個人事業主になることがオンカジでの節税に繋がるのかというと以下のような理由が挙げられます。
- 青色申告特別控除により最大65万円の特別控除が受けられる
- 損益通算や赤字繰り越しができる
- 一時所得同士であれば損失の内部通算が可能
- 専従者給与(家族へ支払う給与)を経費にできる
ただしこれらの殆どは、オンカジでの儲けが事業所得として認められることが前提条件であり、もしそうなれば青色申告による最大65万円の特別控除を受けられたり、他の所得との損益通算や赤字繰り越しが可能になります。
しかし、オンカジのプレイ自体が完全に合法ではないので、継続・反復する正当な事業として認められるかどうかは難しいところがあります。
従って、通常通りオンカジの儲けが一時所得として換算される場合は、青色申告をしたりその他の所得との間で行う損益通算はできません。更に、一時所得には損失という概念が当てはまらないので オンカジのプレイで発生した赤字も繰り越し不可 となります。
つまり、一時所得の確定申告を目的としたオンカジ専門の個人事業主では、一般的な個人事業主と比べると受けられる特典がかなり少なくなってしまうのですね。
海外のペイメント会社を利用する
ペイメント会社とは、ECサイトでの買い物の際に利用されるPalpalなどの決済代行サービスのことです。
オンカジでは、出金の際にエコペイズやヴィーナスポイントなど海外のペイメント会社に一度外貨のまま着金させてから、日本円へ変換して国内口座へ振り込まれる仕組みが一般的ですよね。
要するに、国内口座へ振込みする前段階の海外ペイメント口座内に外貨のまま利益を保管しておくことで、税務署の管轄外の場所でオンカジの利益を保管できるのです。
ただし、日本円で出金しようとすると履歴が残ってしまうので、あくまでも外貨のまま他のカジノに運用するなど勝利金の利用方法が限定されることがデメリットとなります。
他にも、同じような考え方であればビットコインによる節税対策も可能です。ビットコインでの出金が可能なオンカジであれば、ビットコインに出金してビットコインのまま運用する方法を取ることで税務署の管轄外での保管が可能になります。
もちろんこれも日本円で出金すると履歴が残ってしまうので注意しましょう。
副業が会社にバレるのを防ぐ方法は?
もしも就労先の会社が副業禁止だった場合、オンカジで儲けていることがバレてしまうのは一大事ですよね。
そうならないためにも、副業がバレてしまう原因と対策について事前にしっかりと確認しておきましょう。
副業が会社にバレてしまう一番の原因は、自治体から企業へ報告される住民税の金額が変化してしまうことです。
住民税は前年の課税所得分の10%で計算されるので、大きな一時所得を得た場合は翌年に請求される住民税が大幅に上がってしまい、それを会社の経理課が見れば一発でバレてしまいます。
そのため、確定申告書を提出する際には「住民税に関する事項」のところの 「自分で交付」にチェック を入れるようにして、住民税の報告が会社へ行かないようにしておきましょう。
まとめ
今回は、オンカジと税金の仕組みや確定申告の方法、節税に有効な方法など専門的で少々難しい内容だったかと思います。
ですが、オンカジで本格的に稼いでいくためには必須の知識になりますので、後々困らない為にも今回の内容は何度も読み返して今のうちに理解を深めておくようにしましょう。