「億り人」という言葉が広まった現在、一部では仮想通貨の取引で億単位の利益を稼いだ人が現実に存在しています。
このように急な大金を手に入れた時に知っておきたいのが、税金に関わる知識です。
ここでは仮想通貨にまつわる税金の簡単な知識などを紹介します。
仮想通貨とは?
仮想通貨とは別名で「暗号通貨」や「デジタル通貨」と呼ばれ、円やドルなどの法定通貨が、国による法的効力を持つのに対し、仮想通貨は国による法的効力を持っておらず 、主にインターネット上で取引されている通貨です。
仮想通貨が一躍有名になったのは2009年ビットコインの登場によってであり、それ以降もいくつかの仮想通貨が登場し、これらのいくつかの仮想通貨は、ビットコインに対して「アルトコイン」と呼ばれています。
ではなぜ仮想通貨が大きな注目を集めたのでしょうか?
それは仮想通貨が投資としての運用が可能という大きな側面をもっているからです。
ビットコインを例にした値段の推移
- 2009年ビットコイン誕生(1BTC 0.0695円で取引されたと言われています)
- 2011年日本に初めて国内取引所が解説される
- また同年31ドルの高値を計測
- 2013年日本円との取引額が1BTC 12万円代を記録
- その後も最高額1BTC 200万円を超える高値を計測するなど上昇
- 2019年現在1BTC 50~200万円代を推移
※1BTC=1ビットコイン
このように最初は0.0695円とごくわずかな金額だったビットコインの値段は、乱高下を繰り返しながらも莫大な金額まで上昇し続けています。
また取引方法に関しても現在ではDMMやGMOといった多くの証券会社も参入し、10万円以上という高額な1BTC単位ではなく、 0.001~0.0001BTC単位で購入可能 です。
最低1000円からといった低額での投資が可能となっており、ビットコインを含む仮想通貨は株やFXと同じく、投資の対象 となっています。
株やFXとの税金の比較
ビットコインなどの仮想通貨は投資の対象となり現在多くの人に利用されています。
例えば株やFXなどの投資は税金の対象となっていますが、 仮想通貨も実は税金の対象となる 点に注意しましょう。
株やFXとの税金の違いは?
2019年現在で株やFXそして仮想通貨の税金は雑所得に該当します。
ですが株やFXと仮想通貨にかかる税金は同じ雑所得でも実は明確な違いがあります。
両者の大きく異なる点は
- 株やFXは分離課税
- 仮想通貨は総合課税
という点です。
具体的には株やFXは利益に対して一律20.315%の税率が発生するのに対し、仮想通貨では取引で得た利益に給与所得などを合算した合計金額に税金が課されます 。
以下は給与所得などと合算した総合課税税率を表にしています。
課税対象の所得額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 5% | 0円 |
195万円を超え330万円以下 | 10% | 97500円 |
330万円を超え695万円以下 | 20% | 427500円 |
695万円を超え900万円以下 | 23% | 636000円 |
900万円を超え1800万円以下 | 33% | 1536000円 |
1800万円を超え4000万円以下 | 40% | 2796000円 |
4000万円超 | 45% | 4796000円 |
このように総合課税では段階的に税金が課されます。
330万円以下の低額であれば株やFXよりも税率はお得ですが、高額になればなるほど税率は上がり最高で 45% もの税率が課されます。
さらには総合課税では住民税の対象となり(分離課税は住民税を対象外にできる)最大で10%もの住民税も加わるため、最高で 55% の税率になる点は注意しましょう。
仮想通貨の税金逃れはバレる?
株やFXと同じ投資なのに、稼いだ金額が高額であればあるほど、仮想通貨は税金面で圧倒的に不利な点はある程度理解できましたでしょうか?
仮想通貨はまだ誕生して間もない投資手段のため、税制面での法律が行き届いていないため、このように不利な税率になっているのが現状です。
だからといって税金収めないという税金逃れの行為は、法律上脱税となります。
具体的には 5年以下の懲役または500万円以下の罰金という刑事罰 の対象です。
バレなければ良いと思っている人もいるかもしれません。
ですが証券会社などを通じて仮想通貨取引を行っている場合、登録前にマイナンバーの提示が必要 なため、このマイナンバーで簡単にバレる可能性が高いという点は押さえておきましょう。
仮想通貨の税金逃れはバレる可能性が高く、バレた後のリスクが非常に高いです。
「低額であれば大丈夫と」タカを括らず、仮想通貨の課税の仕組みをしっかりと理解し、確実に申告を行いましょう。
仮想通貨の税金逃れ 海外口座で対策は可能か?
仮想通貨は国内の証券会社だけでなく、海外の証券会社を利用して稼ぐこともできます。
ではこの海外口座を利用した仮想通貨の取引を行うことで、課税されなくなりその結果税金対策は可能でしょうか?
結論から言うと海外口座での購入で得た利益も日本在住の場合は、同様の税率が課されるため税金対策にはなりません 。
ですが海外口座を使って利益がバレる可能性は国内の証券会社よりも低いといえます。
なぜなら国内の証券会社は国税局が簡単に調べることができるのに対し、海外という立地上調査は難しく、現地に調査に行く不便さはもちろん、海外口座の情報開示に至るまで、国内よりもスムーズにことが運ばないからです。
もし税金逃れやバレるのを防ぐための対策として海外口座を利用するのは、確かに対策の一つといえます。
ですが大前提として国内在住の場合、海外口座でも利益は税金対象になるという点は変わりません。
つまり 税金逃れやバレるのを防ぐ対策で海外口座を利用しても、国税局にバレた場合は脱税となる点 は注意しましょう。