XMで両建てトレードが禁止?メリットと注意点をわかりやすく解説

FXの売買方法には数多くありますが、多くのトレーダーが利用する一つの手法が同様の通貨ペアにて買いポジションと売りポジションを同時に建てる「両建て」です。

両建てをうまく利用することで効率的な資金管理が実現可能ですが、一方で使い方を間違えてしまうと大きな損失を受けてしまい注意が必要です。

トモヒロ
ここでは、特に人気のFX業者でもあるXMにおける両建てについて紹介するとともに、その有用性や注意点をしっかり解説していきたいと思います。

FXの両建てとは何?

FXの売買方法は、買い(ロング)と売り(ショート)の2種類があります。

FXの両建てとは

価格が上がると思えば「買い」、下がると思えば「売り」のポジションを持つわけですが、買いと売りのポジションを同時に保有することを「 両建て 」と言います。

両建てとは建玉操作の一部とされ、「ナンピン」「ピラミッティング」「分割売買」などと同様に、資金管理を行う上で大変有効な技術(戦略)と言えます。

同時と言っても必ずしも同タイミングでポジションを保有するわけではありません

初めに買いポジションを保有していたところ、価格が思惑とは逆行してしまい売りポジションを持って両建てとする方法が1つ。

もう一つは、どちらに動くか分からない、もしくは短時間で激しく上げ下げが起こると考えた際に、買いポジションと売りポジションを同時に持つ両建てです。

それぞれメリット・デメリットがあるので詳しく解説したいと思います。

両建てをすることのメリットとは?

両建てをする最大のメリットは「損失の限定」ができることです。

FXでは相場がどちらに動くかは誰にもわかりません。世の中にあふれているどんな手法やインジケーターを使用しても「上に行く可能性が高い」もしくは「下に行く可能性が高い」止まりです。

相場を分析する方法は何通りもあり、その組み合わせで売買の判断を行っていると思います。例えば、移動平均線、水平線、MACDなどです。

これらのサインが全て一致したからと言って、必ずしもその方向へ動くとは限りません。仮に今まで100%の確率を誇っていても次は外れるかもしれません。

そんな時に活躍するのが 両建て です。

人間心理の中には、ここから価格が上昇して欲しいという「願い」やこのパターンはどうなっても必ず上がるはずという「過信」が潜んでいます。

この心理があると価格がどれだけ逆行しても損切りすることが出来ず、どんどん損失が膨れていきます。この状況を打開する一つの策が「両建て」なのです。

両建てを行うことで損失は限定されるので、そこから改めてポジションを建て直し、損失が解消した時点で決済を行うわけです。

両建ての具体例をご紹介します

1つだけ具体的な両建てをご紹介したいと思います。ここで紹介したいのは先述したポジションと価格が逆行してしまった場合です。

110円(ドル円)で買いポジションを保有したがその後価格が大きく下がってしまった場合

109円で売りポジションを持ちます。この場合、両建てを続ける限り 損失は1円分 (100Pips)に限定されます(スワップポイントは含まない)。

価格はいくらまで下がるか分かりません。2016年も一時的に100円(ドル円)を切った時がありました。また、2019年のアップルショックなどの際にも短時間で数百Pipsの変動があり、この際には多くの投資家が破綻しました。

両建てでポジションを保有しておけばどれだけ大きく動いても口座が破綻することはありません

但し、そのままではずっと損失を保有し続けてしまうので、損失を限定した状態で改めてポジションを保有し、マイナス分(この場合100Pips)を利益として確保したところで全てのポジションを決済し損失を防ぎます。

トモヒロ
投資家の中にはこうした両建てによる建玉操作のみで資産を増やし続けている人も多くいます。

XMで両建ては禁止されている?

海外口座として人気の高いXMでは「許可されている両建て」と「禁止されている両建て」があります。このルールを知らずに運用していると様々な不利益が発生するので注意が必要です。

各々の両建てについては、後ほど詳しく説明しますが、その前に「なぜ禁止されている両建てがあるのか?」について簡単に説明します。

 大きな理由としては、 海外FX業者の口座管理の仕組み にあると言えます。

海外FX業者はゼロカットシステムと言って口座残高が0円になった場合、それ以上の損失を請求しない仕組みを取っています。

これは利用者にとって大変有利な仕組みとも言え、この仕組みが多くの利用者に人気を博している点とも言えます。

FX業者の売り上げの大部分を占めるのが利用者の資金(損失)となるので、この仕組みを悪用されてしまうとFX業者としては大きな損失を受けることとなるため禁止しています。

XMで許可されている両建てとは

XMでは「 同一口座 」での両建ては許可されています。同一口座で両建てと言うのは、一つの口座内で買いポジションと売りポジションを保有することです。

先述の通り、同一口座内で両建てすることで損失を限定することが出来る点は利用者にとっても有効な資金管理となります。

また、XM側としても同一口座内で両建てをしている限りゼロカットシステムを悪用されることはないので、許可しているとも言えます。

また、あまり触れませんでしたが、FXにはポジションを保有するだけで発生するスワップポイントと言うものがあります。スワップポイントとは 2通貨間の金利の差額 のことです。

例えば日本円の金利が0.1%で豪ドルの金利が1.6%だった場合、1.5%がスワップポイントとなります。

ただ、スワップポイントにも複雑な仕組みがあり買いポジションと売りポジションでは付与されるポイントが異なります。また、このスワップポイントもFX業者が設定可能なため一概に算出することは難しいのですが、一例をご紹介します。

ドル円:買いスワップ10円、売りスワップ-20円の場合

この場合、ドル円の買いポジションを保有しているだけで毎日10円が得られます。

この仕組みは通貨ごとに異なりますが、毎日数十円ももらえる通貨もあるので、投資家によってはスワップ狙いで特定の通貨を長期間保有し続けることもあります。

今回の例でも1か月間で300円、1年間で3,600円にもなり、銀行などで貯金するよりもお得な資産運用が出来ることになるのです。

一方、 売りスワップ はマイナスのポイントです。そのため、保有すればするほど損と言うことになります。ちなみに、このマイナス分はFX業者の利益となるのです。

ここまでである程度察しがつくかと思いますが、両建てをした場合、買いスワップの10円と売りスワップの-20円が毎日付与され、利用者としては毎日-10円の損益が蓄積してきます。

トモヒロ
この 損益はFX業者の利益 となるわけですから、両建てを行えば行うほどFX業者の利益が積み重なるので許可されているわけです。

このような理由でXMでは同一口座での両建てが許可されています。

XMで禁止されている両建てとは

XMでは 禁止事項 に含まれている両建てもあります。それは別口座や別の業者で両建てを行うことです。

XMでは最大8口座まで保有可能です。ですので1番目の口座で買いポジションを保有し、2番目の口座で売りポジションを保有する両建てを禁止しています。

これはXM内の口座だけではなく、1つをXMの口座、もう1つを別の口座(例えばTaitanやGemForexなど)で両建てを行うことも禁止とされています。

禁止されている理由は簡単で、XM側に大きな損失が出る可能性があるからです。利用者の損益はFX業者の利益となる一方で、 利用者の利益はFX業者の損益 となるわけです。そのため、利用者が不当に利益を得ることを禁止しているのです。

ここで思い出してほしいのが「ゼロカットシステム」です。この仕組みを利用することで両建てで大きな利益を得る(得てしまう)ことが可能です。

1番目の口座で買いポジション、2番目の口座での売りポジションを保有した場合

この際それぞれの口座残高が10,000円だった場合、一方向に10,000円分変動することでどちらかの口座は残高が0円となり破綻しますが、ゼロカットシステムにより救済されそれ以上の損益は発生しません、但し、もう一方の口座は利益を加算し続けます。

これを 指標発表 の際など価格が大きく動くときに仕掛けておくわけです。

指標発表時には200Pips、300Pips等大きな価格変動があるので、別々の口座に少額の残高を所持した状態で仕掛ければ、両方の口座のプラスマイナスを相殺することで資産を増やしていくことが可能となります。

トモヒロ
これを繰り返されるとFX業者としては損益が加算される一方となるため、この両建ての方法を禁止しています。
複数業者間での両建ても禁止
アービトラージ(裁定取引)と言って、複数の業者間での取引は禁止されています。
アービトラージとは、特定の通貨ペアやスワップポイントによる金利差や、価格差を利用して利益を得る行為です。

XMで両建ては証拠金が相殺される

XMで許可されている両建てを行った場合、損益が限定されるというメリットをご紹介しましたが、他にも証拠金が相殺され0円となるメリットも発生します。

証拠金がかからないと言うことは、その分流用資金が増えると言うことになり、別のポジションを保有することも可能になる他、ロスカットまでに余裕が出来効果的な資金管理が出来ると言えます。

XMで禁止されている両建てした場合の措置

ここでは「実際に禁止されている両建てを使用した場合どうなってしまうのか?」について解説したいと思います。

XMで禁止されている両建てした場合、強制的に 口座凍結 取引停止 になるとされています。

現時点では、XMで禁止されている両建てを使用した場合も出金拒否には至っていないようですが、最悪の場合、 出金拒否 のリスクもありますので注意しましょう。

出金拒否とならなくても口座凍結となってしまえば同じこととなります。せっかく増やした資金を活用することが出来なくなってしまわないよう注意しましょう。

特に気を付けたいのが意図せず両建てとなってしまうことです。

資金管理やリスク管理の面を考慮し口座を複数運用する投資家は多いと思います。FXの相場はランダムウォークですから、トレンドは激しく入れ替わります。1番目の口座で買いポジションを保有した後、トレンドが変わり2番目の口座で売りポジションを保有してしまうこともあり得ます。

トモヒロ
きちんとしたポジション管理を徹底することで防げるミスとなるので注意しましょう。

禁止の両建て手法がバレる理由とは?

実際にXMで禁止されている両建てを行ってバレてしまう人もいればバレない人もいます。それも回数をこなしてもバレな人もいれば1回目の両建てでバレてしまう人もいます。

実際に口座凍結や出金拒否の体験者の話を聞いたり記事を読んだこともありますが、本当に禁止されている両建てが原因だったかは定かではありません。

そもそも口座凍結や出金拒否となる原因はいくつかあることや、その理由をXMから教えてもらうことが出来ないためです。

それを踏まえた上で両建て手法がバレる理由ですが、FX業者では取引履歴等の情報を共有・監視していると言われています。

XMで複数口座を所持している場合はもちろん、別業者間でも両建てがバレてしまうのは、このような情報共有が理由とされています。

XMで両建てポジションを解除する方法

XMで両建てを使用した際に、買いポジションもしくは売りポジションのどちらかを先に決済してしまうと、もう一方のポジションを決済するまでに発生した値動きによって損益が発生する可能性があります。

そこで覚えたいのが、両建てポジションを解除する方法です。

現在主流となっているFXツールのMT4MT5では簡単に両建てが解除可能です。ツール内の「注文種別」から 両建て解除 という選択肢があるので、それを選択することで両建てを解除することが可能です。

両建て解除の注文

トモヒロ
これはパソコン版だけではなくスマートフォン版にも組み込まれている機能なので活用してみてください。

まとめ

  • XMでは同一口座での両建てはOK
  • XMでは別口座での両建てを禁止している

理由としては、同一口座ではスワップポイント分がXMの利益となるものの、別口座での両建てはゼロカットシステムによってXM側に損益が発生してしまうためです。

また、禁止されている両建てを使用してしまった場合、 口座凍結や出金拒否 などのペナルティを受ける可能性があるため注意が必要です。両建ての使用についてはXMはもちろん他のFX業者も監視しているため、いずれバレてしまう可能性があります。

両建ては、確立された有益な資金管理の一つです。禁止されている両建てには注意しつつ、許可されている両建てを上手く使いながら資産を増やすことが可能です。是非、参考にしてみてください。

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