3本の移動平均線の組み合わせのみでのエントリー手法とは?

一目で相場のトレンドが分かってしまう…そこからさらにトレードポイント(エントリーポイント)が見つけられる…そのためには、瞬間的な判断力が必要になります。そこに必要となってくるのが インジケーター です。ここでは、3本の移動平均線の組み合わせによって行うエントリー手法を説明します。

3本の移動平均線を使いこなして相場を知る

3本の移動平均線とは、短期・中期・長期の3本で構成されます。これによってトレンド相場を判断し、押し目や戻り目が見つけやすくなります。

マルチタイムフレーム分析

マルチというくらいですから、短期・中期・長期といった3つの時間軸を同時に分析する方法が マルチタイムフレーム分析 です。これは、3つの移動平均線を同時にタイムチャートに表示することで、相場の状況を瞬時に確認することができ、結果としてエントリーポイントを即座に判断することができます。

手順としては、長期のトレンドはまず確認し、それと同じ方向に中期のトレンドを確認します。さらに、短期のトレンドを確認することで時間足のタイミングを計ってエントリーポイントを決めて行くのです。

マルチタイムフレーム分析とは、異なる時間軸のチャートを見て、現在の相場状況やトレンドを把握したうえで、エントリーポイントを探る分析法

現在の相場状況の確認

3つの移動平均線をチャートに同時に表示させることによって、エントリーポイントが分かることになるのですが、それは以下の状況が分かることによって可能となります。

  • トレンド状態
  • ノントレンド状態
  • 調整(押し目、戻り目)

グランビルの法則

FX取引において、移動平均線を語るうえで外せないのが グランビルの法則 です。これは、レートと移動平均線の位置関係を表した法則です。FX取引をするトレーダーのほとんどがグランビルの法則を用いていると言っても過言ではありません。

移動平均線をインジケーターとして利用するトレーダーが多いのは、価格を平均化することでチャートがとてもシンプルになるからです。

ただでさえ複雑になりがちなFX取引のタイムチャートを極限までシンプルなものにしてそれにレートをかけあわせるだけですから、エントリーポイントが一目瞭然でわかりやすくなるのです。緻密なトレードをしたい人には不向きともいえますが、すべての取引の基本はグランビルの法則を用いているといってもいいでしょう。

✓POINT

グランビルの法則とは、米国のチャート分析家ジョゼフ・E・グランビル氏が考案した、移動平均線とレートの方向性を見ることで、株価の先行きを判断する方法のこと

3本の移動平均線を利用した分析が機能する理由

3本の移動平均線をチャートに表示してエントリーポイントを判断するのは、先述したマルチタイムフレーム分析と密接な関係があるからです。それを説明するには移動平均線がどのようなインジケーターなのかを説明します。

移動平均線というインジケーター

移動平均線は文字通りN日のローソク足の平均となるのですが、それは終値の平均をつなげた平均線です。

10日の移動平均線では、10日めの終値の平均をつなげた線です。ここで、どうして終値なのかがポイントなのですが、それは簡単で終値というのは、ある一定期間(ローソク足)の 売買の結果 となっているからです。

つまり終値はトレーダーの(正しい)判断の結果と言えるのです。移動平均線自体は正しい評価(決定した評価)であり、N日間による損益分岐線ということになります。

つまり、その移動平均線よりも金額が上であれば、買い方が儲けている、反対に売り方が損をしているということになります。逆であれば、買い方が損をしていて、売り方が得をしているということになるのです。買い方が儲けているときは、市場心理として買い注文が入りやすく、売り方が儲けているときは売り注文が入りやすいということになります。

インジケーターとは指標のことで買い時・売り時の判定に大切なものです

3本の移動平均線の考え方

移動平均線を見ることによって、買い優勢なのか売り優勢なのかを判断することができます。そして3本の移動平均線を用いた分析によって、その位置関係により相場の勢いを分析することができるのです。

パーフェクトオーダー

パーフェクトオーダー は3本の移動平均線を使った分析方法として、トレンド状態を判断する代表的なパターンです。

一目でトレンド相場がわかるのでとても重宝する分析方法なのですが、これだけではエントリーポイントを判断する手法としては弱く、これにマルチタイムフレーム分析を加えての判断が有効となります。

✓POINT

パーフェクトオーダーとは、短期・中期・長期の3本の移動平均線の全ての傾きが一致した状態のこと
マルチフレーム分析を加えて判断することが必要

トレンドの強弱を判断

パーフェクトオーダーはトレンド状態をわかりやすく示してくれるものですが、上から「短期・中期・長期」あるいは「長期・中期・短期」の並びになったからといってすべて使えるわけではありません。トレンドにも勢いのあるトレンド、あるいは勢いのないトレンドがあります。トレードするなら勢いのあるトレンドで行うのが定石です。

つまり勢いのないトレンドのときは「待ち」の姿勢が大切になるのです。勢いのあるトレンド、勢いの無いトレンドの判断は 3本の移動平均線の乖離が狭いか広いかで判断 します。狭いときがトレンドが弱く、広いときがトレンドに勢いのあるときとなるのです。

精度の高いトレードを行う

精度の高いトレードというのは、もちろん勝つ確率の高いトレードということになります。そのためには、「伸びるトレンドなのか」「期待値が高いトレンドか」「短期決済すべきトレンドか」を判断することが大切です。

期待値の高いトレンド

短期・中期・長期をそれぞれ15分足、1時間足、4時間足で見た場合、4時間足と1時間足が上昇トレンドであり、その中の上昇トレンドを拾うことによって精度の高いトレードができます

トレード初心者であれば、なかなか瞬時の判断ができないものですが、上級者の場合は経験則がありますから、本来は買いで待つべき局面であっても、超短期で売りをしかけて、差益を取ることができるのです。それは、とりもなおさず、 時間足を落とせばトレンドはいくらでも見つけることができる ということです。

まとめ

3本の移動平均線を組み合わせることによって、そこからマルチタイムフレーム分析まで応用することで、エントリーポイントを見つけることが容易になります。それは、トレードの精度が上がるだけではなく、同時にリスク管理も行うことができるので、トレードの成績を確実に上げていくことができるのです。

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