さて、今回は金融リテラシーUP講座の第4回目です。今日の記事では、投資の観点からギャンブルの期待値に迫ってみたいと思います。
競馬や宝くじパチンコなどギャンブルの期待値はどのくらいなのか。手法によっては投資の対象になるか否か、ギャンブルに期待することは何かなど解説していきます。それではまずは動画を御覧ください。
競馬を例に考える投資面から見たギャンブルの期待値
ギャンブルと一口に言っても色々な種類がありますが、最初に「競馬」について考えてみましょう。公式に発表されているデータですが、 競馬の期待値はマイナス25%、つまり75%のリターン です。 例えば1万円賭けた場合、平均して7,500円しか戻ってこないのです。
競馬の仕組みは、JRAはファンが賭けた後にオッズを決めて、どの馬が勝っても確実にJRAが利益を出す仕組みになっています。
オッズとは競馬や競輪などで馬券・車券が当たった場合の配当を、賭け金に対しての倍率で表したものです。したがって、馬券や車券の販売が終わるまではオッズは変動しています。
最終的にベットが締め切られて全員が賭け終わってから(券の販売が終了してから)オッズが決まります。
JRAは総賭け金の25%を競馬ファンの人達から、リスクを冒すこともなく確実に取得しているのです。言い換えれば「愚か者からお金を巻き上げる究極の詐取システム」 ということになります。
競馬には厩舎があり、調教師さんがいて騎手がいてと、経済を活性化させビジネスとしても成り立っています。発祥はヨーロッパですが、一つの日本の文化とも言えます。
決して競馬が悪いという話ではありません。「投資」として競馬で勝とうとするのは期待値の面で明らかに間違っているのです。システムを知った上で、娯楽として競馬を楽しむ分には良いと思いますが、投資対象としてはいけないということです。
宝くじは圧倒的不利なギャンブル?その期待値とは
もうひとつギャンブルというとメジャーなものに、「宝くじ」がありますね。
公式な発表は無いのですが、宝くじの 期待値はマイナス40%~50% と言われています。
つまり1万円分宝くじを買うと平均して5,000円しか戻ってきません。買えば買うほど負けていく仕組みになっているのです。
宝くじの場合は競馬と違って、お客さんが全員買った後に当選金が決まるわけではありません。最初から6億円とか、3億円というように決まっていて後出しではありません。(よくTVCMされています)
それならば競馬よりもいいじゃないかと思わるかもしれませんが、リターンが50%しかないのですから、投資で考えれば競馬よりもさらに悪いということになります。
最初に当選金を公言して販売しているので、それを回収するためにはたくさんの人に買って貰わなくてはいけません。
だから有名タレントを起用したテレビCMで売上金が下がらないようにしています。そう宝くじも「愚か者からお金を巻き上げる究極の詐取システム」といえます。
僕が個人的に「宝くじがダメ」だなと思うのが、宝くじは世に何も生んでいないということです。ただ数字を書いた紙っぺらを売っているだけで、競馬のように 文化がない のです。競馬場を作ったりとか、雇用を生んだりとかそうしたことが一切ありません。ま、宝くじも売り子さんの雇用は若干ありますので、雇用がないというと語弊がありますが、微々たるものでしょう。
パチンコ・パチスロの期待値は?
パチンコやパチスロも日本人にとってはかなり馴染み深いギャンブルですね。こちらも公式発表はありませんが、パチンコ会社の決算を見ればだいたいは推測が可能で、投資期待値は マイナス10%~20% くらいです。ま、当然マイナスになるわけです。
それなら「競馬」の方がいい!と思われるかもしれませんが、 実はそうでもありません。
中央競馬の場合ですと週末の土曜・日曜日しかやっていません。でもパチンコの場合は毎日やることができてしまいます!!
そう、パチンコ・パチスロは期待値としてのマイナス率は少ないですが、回数が多く期待値が低いものを毎回毎回お客さんにわからないように、ちょっとずつ搾取されていることになります。
こういうことを知った上で娯楽として考え、あまりのめり込み過ぎないように楽しんでもらえればいいかなと思います。
今回の記事のまとめ
- 期待値が必ずマイナスのギャンブルには、投資目的で手を出してはいけない。ギャンブルはリスクがあることを知り、娯楽として節度をもって楽しむ範囲で行う。
- ギャンブルは「期待値」の意味が理解できない人たちから、お金を取ることで運営されている。