年収や交通費の定義について
税金及び社会保険料を差し引かれていない給与の総支給額が年収とされ、手取り額とは意味が異なります。
結構この意味を知らないままになっており、後でパートの方ですと予定の年収を超えてしまい、社会保険料などが高くなってしまったという例があります。
まず、パートと個人事業主というくくりでどちらかに分類されるのか確認してみましょう。中には自分でフリーマーケットで何か手作りの商品を販売しながらパートをしている、という人もいるでしょう。
また、全く個人事業主だけ、パートだけ、という場合もあります。基本的な概念で区別するのでしたら「 交通費は収入に含めない 」と考えるべきです。
これはサラリーマンでも交通費を総支給額に含め、源泉徴収の対象にしている場合がありますが、受け取る方からすると少し損をしていることになります。
交通費は仕事のために発生する交通の費用を指し、定期代や出張費さらには自動車や徒歩で通勤する場合の通勤手当も対象です。
年収によって税額が変わるからこそ、交通費がどう影響するかは気になるところです。
結論としては年収に交通費を含めるか含めないかは、社会保険に加入するかさらに配偶者の扶養内であるかによって変わっていきます。
手取り減となるゾーンについて
年収103万円なら交通費や通勤手当などは含まれないものの、130万円となると含まれます。
扶養内の103万円か130万円に年収を抑えないと 手取り減 となります。
将来的にもらえる年金が増えたとしても、手取り額が変わらないのは懸念事項です。
配偶者に配偶者手当が出ているのに、貰えなくなってしまうのは避けないといけません。
交通費は基本的に非課税になるものの、車通勤の場合は3万1600円を超えると課税対象です。
この場合の対策としては、個人事業主として一部活動していることやもし、仕事で携帯電話などを使っている場合ですと、
自宅のマンションの賃料の一部を事務所として計上する、通信費として携帯代の一部を計上する、などは合法で認められることが多い方法です。
実は、個人事業主やパートであれば、経費として認められる部分は知っているとかなり金額で差額が発生することも珍しくありません。
スーツや衣服類も制服に類する場合、経費として計上できる場合があります。
また、通勤のために購入した自動車も厳密にいえばプライベートで使用している部分と分けて考えるのであれば、減価償却費を除いた経費を毎年の経費として参入することが可能な場合もあります。
配偶者の扶養内で働く場合に気になる要素について
配偶者の扶養内で働くには法的に認められた収入があるため、それを超えてしまうと当然、収入としてカウントされてします。
特に注意が必要なのは、その金額に達してしまうと扶養ではなく配偶者の場合「収入を一体」とみなされ、双方の収入の合計に対して税率が課せられてしまうということです。
有名な案件で、夫婦ともに別の士業の事務所を開いていており、それぞれに収入があったのですが、収入は事務所が別なので、実態は別ではないか、という訴訟が過去にありました。
しかし、実際の判決は夫婦であるから、収入は一体であるべき、という判決になってしまっています。
これは有名な夫婦の収入が一体という例ですが、パートの場合にも同様の理論が働いてしまいますので、十分に注意してください。
パートとして働く場合、仮にパート先が1年後に閉店をすることが分かっている場合には労働契約が満了することが明らかです。
配偶者の扶養であっても産休や育休は条件付きで取得できることを覚えておきましょう。
雇用保険 に関しても加入することができます。
週の所定労働時間が20時間以上で31日の雇用見込みがあるのが加入条件となります。
年収を配偶者の扶養内にするためのコツとは
配偶者の扶養内の103万円か130万円以内にすることで手取りが減ってしまう事態を避けることができます。
社会保険上の扶養を超えずさらにできるだけ稼ぐためには何をすべきかを明確に把握するのが肝心です。
将来受け取られる年金額が高くなるため、いちがいに損をするわけではありません。
しかし目の前の手取り額を考えるのなら社会保険上の扶養の壁の影響は無視できません。
社会保険上の扶養を超えないようにするにはいくつかの方法があります。
- シフト調整やパートの掛け持ちは危険
- 配偶者の会社に扶養控除等移動申告書を提出
- 12月に働いた分は1月に支給される
これらについて順を追って説明していきます。
もしもの場合は配偶者の会社に扶養控除等移動申告書を提出
計算ミスや急な残業など、いくら扶養所得をはみ出さないようにしても想定外のことは起こり得るものです。
特にギリギリを狙って配偶者の扶養内の103万円か130万円以内にしようとした場合は失敗してしまうことも多くなります。
扶養所得をはみ出した場合は1月末までなら年末調整が可能であるため、配偶者の会社に扶養控除等移動申告書を提出しましょう。
控除対象配偶者でなくなったことを諦めるのではなく、迅速な行動を心がけるようにすべきです。
さらに配偶者の会社を経由して 被扶養者異動届を提出 するのも忘れてはいけません。
年収は11月30日までで計算
12月分に働いた給料は一般的に翌年が支給日です。
支給日が翌年になる場合、翌年の年収として換算されます。
もちろん月末日締めで翌25日支給日ではない場合もあるでしょう。
締め日と支給日の関係を考慮したうえでの対応をしていきましょう。
職種によって異なるものの繁忙期となる12月はたくさん働き、11月にはちゃんと調整できるようにするのが望ましいです。
損をしない働き方をするのは難しくない
年収に交通費は含まれるのかについて理解できたでしょうか。
社会保険上では交通費は年収の一部とし、所得税の場合は年収に交通費を含みません。しかし給与と通勤手当の区別がない場合は課税対象です。
なぜ配偶者の扶養内の103万円か130万円以内に年収を抑えることが大切であるかも理解できるはずです。
年収が103万円を超えると所得税が発生し、130万円を超えると扶養外となって社会保険に加入する必要があります。
所得税と社会保険料が引かれることによって手取りが減ってしまいます。
それぞれ細かくルールが決められており、混乱をしてしまう方もいるはずです。
しかしルールを理解すれば手取り減となることを避けることができます。
最後までお読みいただきありがとうございました。