ローソク足には、たくり線や三河明けの明星のような難しい売買サインも多く存在しますが、全てを覚えていなくても有利なトレードは可能です。
ローソク足のトンカチとカラカサとは?
そうですね。ローソク足には 単体の形状だけでも10種類以上 あり、それとは別に複数のローソク足を組み合わせた売買サインも20種類以上存在しています。
実は、それら全てを覚えて使いこなすのはかなり難易度が高いことなので、初心者のうちから全て理解しておく必要はありませんので安心してください。
実際、僕自身が相場分析で参考にしているのも重要な頻出パターンだけです。もちろん知識としては知っていますが、殆ど活用せずとも水平線やチャートパターン、移動平均線などのインジケーターと併用することで高い勝率を維持することが可能なのです。
ですので、まずは相場の流れが切り替わる局面で出現しやすい「トンカチ」と「カラカサ」の2つのサインについて、基礎からしっかりと理解を深めていきましょう。
最重要!トンカチ・カラカサから分かる相場の転換サイン
ではまず、トンカチ・カラカサとは何かについて解説していきます。
トンカチ とは、実体に対して長い上ヒゲを付けたローソク足のことで陽線で引けたものと陰線で引けたものの2種類があります。
反対に、実体に対して長い下ヒゲを付けたローソク足のことを カラカサ と呼び、こちらも陽線と陰線の2種類があります。
つまり、上昇相場で発生したトンカチは上げ止まりのサイン、下降相場で発生したカラカサは下げ止まりのサインとなり、その後の値動きによってはトレンドフォローの押し目やトレンド転換を狙う局面に発展します。
要するに、トンカチとカラカサを積極的に見つけるようにすれば相場の流れが転換する最も有利な局面を狙うことができるのですね。
その他頻出するローソク足の形状について詳しく知りたい方はこちらの関連記事をご覧ください。
トンカチやカラカサが出た場合のチャート分析
ここまでで、トンカチとカラカサが重要なローソク足の形状であることと両者の意味については理解できたでしょうか。
そうですね。
形だけ覚えても実践で使えなければ意味がありませんので、実際のチャートで具体例を挙げながら分析方法を見ていきましょう。
トンカチやカラカサを見つけてトレンドフォローをする
まずこちらは、 カラカサを利用して上昇トレンドの押し目を狙う 分析例です。
画像左側で安値と高値が切り上がり強い上昇トレンドが形成された後、一度価格が落ちてきたところで発生したカラカサが発生していますね。
その直後から再び上昇相場が継続されたことから、カラカサが大きな上げの起点となっていることが分かると思います。
一方こちらは、 トンカチを利用して下降トレンドの戻り目を狙う分 析例です。
画像左側で安値と高値が切り下がり上昇トレンドの終了が確定した後、価格が上がりきらずにトンカチが形成されました。
トンカチやカラカサを見つけてトレンド転換を狙う
トンカチやカラカサはトレンドフォローだけでなく トレンド転換の初動を狙う合図 にもなります。
こちらの画像では、下降トレンドの安値が切りあがった瞬間、つまり下降トレンドの終了が確定した瞬間にカラカサが発生しています。
こうした局面では下降から上昇へとトレンド転換が起こる可能性が高いので、短い時間足も参考にしながらローソク足以外の様々な転換シグナルも積極的に探していくと良いですね。
ローソク足のサインの信頼度が上がるパターン
前章の最後でお話しした通り、ローソク足の形状を見ただけで即エントリーをしていては だましに合う確率が非常に高い ので中々勝てるようにはなりません。
そもそも相場分析とは勝てる可能性を分析するものなので、複数の売買サインが重なれば重なるほど勝てる可能性が上がっていきます。
要するに、重要な水平線でのサポート/レジスタンスやトレンドライン、チャートパターン、移動平均線などのインジケーターとローソク足の売買サインを組み合わせることが勝率安定のカギとなります。
カラカサやトンカチと水平線を利用したトレンドフォロー
こちらは、サポート/レジスタンスとして何度も意識されている水平線付近で発生したカラカサに注目したチャートです。
何度も上値を押さえられてきた水平線をブレイクした直後、今度はサポートとして機能し始めた水平線に対してカラカサが発生しています。
ちなみに、売りを狙う場合にはこれと全く反対の考え方でトンカチを利用します。
カラカサやトンカチと移動平均線を利用したトレンドフォロー
こちらは、移動平均線を利用してトレンドの発生を確認しながらカラカサを起点にトレンドフォローを狙っていくチャートです。
まずは、以下3つの条件が揃っていることを確認します。
- 上から短期・中期・長期の順番に移動平均線が並んでいる
- 中期移動平均線が上向き
- 長期移動平均線が上向きもしくは横ばい
この条件が揃った場面というのは強い上昇トレンドが発生している合図になるので、買いサインであるローソク足のカラカサが有利に働きやすくなります。
先ほどと同じように、売りを狙う場合にはこれと全く反対の考え方でトンカチを利用します。
カラカサやトンカチと三尊を利用したトレンド転換
こちらは、トレンド転換時に頻出する 三尊 と呼ばれるチャートパターンを利用してトンカチを起点に売りを狙う局面です。
この時間足だと売りサインが発生する前に急下落してしまっているので、三尊の右肩(赤丸で囲った部分)を短い時間足に拡大してみましょう。
まとめ
ここまでで、トンカチやカラカサの基本的な読み方や有利な使い方については理解できたでしょうか。
今まで中々勝てるようにならなかった方も、今回ご紹介した方法を根気強く練習していただければトレード勝率が飛躍的に上がっていくはずです。
ですので、分からないところがあれば何度も読み返して実際の相場で練習を重ねながら、是非自分のものにしてくださいね。