RSIは構造がシンプルで扱いやすく、売買シグナルの精度も高いので、FX初心者がトレードする上では欠かせないテクニカル指標です。
ただ、RSIの指標だけでは取引で勝ち続けることが困難なので、本記事を最後まで読んで、他のインジケーターと組み合わせた勝率の高い手法をマスターしましょう。
オシレーター系とトレンド系インジケーターの特徴
FX初心者が相場の世界で勝ち残っていくためには、インジケーターを元にしたテクニカル分析手法が必要です。
インジケーターとは、価格が上昇と下落を繰り返すFXチャートにおいて、「上昇と下落の強弱」や「価格が推移する方向」を指し示すものです。
そこでまずは、初心者にも扱いやすい代表的なインジケーターを トレンド系 と オシレーター系 に分けて、名前と簡単な解説を下の表にまとめましたのでご覧ください。
オシレーター系:相場において買いと売りのどちらの勢力が強いのかを教えてくれるインジケーター
トレンド系インジケーター | 説明 |
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移動平均線 | 一定期間における価格の平均値を1本の線で繋ぎ、滑らかなグラフ状にしたもの |
ボリンジャーバンド | 一定期間における価格の推移を参照して、統計学的に価格の収束率を割り出し、帯状に表示させたもの |
一目均衡表 | 一定期間における価格の推移を現在、過去、未来の時間軸に当てはめ、今後の値動きの方向性を指し示すもの |
オシレーター系インジケーター | 説明 |
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RSI | 一定期間における価格の上昇幅と下落幅を算出し、相場の買いと売りの均衡状態を0~100の割合で表したもの |
MACD | 短期移動平均線と長期移動平均線の乖離幅を利用して、買いと売りの均衡状態を数値で表したもの |
ストキャスティクス | 一定期間における最高値と最安値を参照して、価格の上昇・下降の勢いを0~100の割合で表したもの |
まずは、RSIの具体的説明に入る前に、各系統におけるFXチャートでの使い道をもう少し深堀しておきましょう。
移動平均線などのトレンド系インジケーターでできること
トレンド系インジケーターを利用してFXチャートで狙いやすい局面は以下の2つです。
- トレンドフォローの押し目買い/戻り売り
- トレンド転換点
移動平均線やボリンジャーバンドを利用することで、現在のトレンドが上昇目線なのか下降目線なのかを知ることができます。
チャート上で目線の確認ができるので、買いで攻めるべきか売りで攻めるべきかの判断が可能になります。
またこれらは、トレンドの強弱も教えてくれるので、現在が買い時(又は売り時)なのか、もう少し様子を見るべきなのかを判断するためのサインにもなります。
RSIなどのオシレーター系インジケーターでできること
- レンジでの逆張り
- トレンド転換点
オシレーター系インジケーターを利用してFXチャートで狙いやすい局面は以下の2つです。
FXチャートというのは「上がったら下がる、下がったら上がる」を常に繰り返しているため、「そろそろ上がりそうな瞬間」と「そろそろ下がりそうな瞬間」に売買の注文を入れていくのがトレードの基本です。
そこでRSI、MACD、ストキャスティクスなどオシレーター系インジケーターから分かる「買いと売りの力関係」が、売買のタイミングを決める重要な指標になります。
RSIとトレンド系インジケーターの組み合わせ手法
ここまでで、トレンド系とオシレーター系のインジケーターの特徴は理解できましたか。
もちろん、これら全てのインジケーターを使いこなせなくてもFXで勝つことは十分可能です。諦めずにこのまま本記事を読み進めて、まずは RSIをメインに使用したトレード をマスターしましょう。
まず先に、なぜ複数のインジケーターを組み合わせる必要があるのかをきちんと理解して欲しいので、それぞれの系統のメリット・デメリットを確認します。
トレンドの方向が分かるので買いと売りのどちらで攻めるべきか判断しやすくなるが、正確な売買タイミングを計りにくい
正確な売買タイミングを計ることに適しているが、トレンドの方向が分からず買いと売りのどちらで攻めるべきか判断しにくい
つまり、RSIの指標だけでエントリーを決めてしまうと間違った方向にエントリーしてしまう危険があるので、トレンド系インジケーターを組み合わせて方向を確認する必要があるのですね。
RSIと移動平均線を組み合わせたトレンドフォロー
RSIと移動平均線の組み合わせで狙っていくポイントは、 トレンド相場の押し目買い・戻り売り です。
RSIは70%と30%での逆張りを狙う使い方が主流ですが、トレンド相場でRSIを活用する時は、50%での反発を狙った押し目買い・戻り売りを狙うと勝率の高いトレードができます。
トレンドを判断するために、短期・中期・長期の3本の移動平均線(以下MA)を表示します。
上図では期間設定を20MA・75MA・200MAにしていますが、あくまでも方向確認ができれば良いので多少の数値は変えても問題ありません。
- 3本のMAが下から長期、中期、短期の順に並んでいる
- 長期・中期MAが上向き
- ローソク足が短期MAの上を推移している
この3つの条件が揃った時は上昇トレンドと判断できるので、RSIが50%で明確に反発されたところで買いエントリーです。
下降トレンドの場合は、全て逆の条件が揃ったら売りエントリーになります。
RSIとボリンジャーバンド
RSIとボリンジャーバンドの組み合わせ手法でも、トレンドフォローの押し目買い・戻り売りを狙った手法がおすすめです。
ボリンジャーバンドはレンジでの逆張りに利用されることもありますが、開発者のボリンジャー氏もこのインジケーターはトレンド相場を認識するために使用するものだと明言しています。
具体的なエントリー方法ですが、以下の3つの条件が揃った時に買い、又は売りエントリーします。
- ボリンジャーバンドの±2σでローソク足が反発
- RSIが50%で反発
- 上位足と同じ方向でトレンドが発生している
とてもシンプルな手法ですが、だましも時折発生するので早まったエントリーはしないように心がけてください。
RSIの逆張り狙い手法
RSIとトレンド系インジケーターを組み合わせることで、有利なトレンドフォローができることは理解できましたか。
次は、RSIが本来得意とする 逆張り手法 をご紹介します。
RSIのようなオシレーター系インジケーターは「買いと売りの力関係」を指し示すものなので、両者のパワーバランスが崩れる瞬間の売買シグナルを拾っていきます。
具体的には、ボックスレンジでの逆張りと大きなトレンド転換点の2つの局面を狙います。
ボックスレンジでの逆張り
ボックスレンジとは、売りと買いの力関係が一定の価格間で均衡している時に発生するチャートパターンのことを指します。
2本の支持線と抵抗線の間で値動きが反発を繰り返す相場なので、両方のラインでローソク足が反発したところで逆張りエントリーをするのがセオリーです。
さらに勝率の高いエントリーを心がけたい場合は、長期足の目線に沿ってのみエントリーを仕掛けてください。
エントリーチャンスは減ってしまいますが、長期足と同じ目線でエントリーしていた方が水平線がブレイクして逆行されるリスクが少ないのです。
ダイバージェンスを利用したトレンド転換狙い
トレンド相場において、価格が新値更新している方向とRSIの方向が逆転している状態のことを、 ダイバージェンス と言います。
上図のように、上昇トレンド中であれば、価格が上昇を続けているのにRSIの数値が下降している状態になります。
これは、高値更新をし続ける勢いが弱まっていることを意味していますので、上昇トレンドが終了する可能性を示唆しています。また、下降トレンドであれば全く逆の現象になります。
当然ですが、トレンドが再度継続する可能性もゼロではありませんし、ダブルトップやトリプルトップを付ける可能性もあります。
まとめ
RSIはボックスレンジでの逆張りやダイバージェンスなど、上手に扱えば単体利用でも十分に有利なトレードができます。
しかし、トレンド相場では70%・30%の売買シグナルが使えなくなるので、より多くの相場でRSIを利用するためにはトレンド系インジケーターとの組み合わせが必要です。
今回の記事で覚えた手法を繰り返し反復練習するだけでも、トレードスキルは確実に上達していきます。
また、RSIと組み合わせるインジケーターの基礎やチャートパターンの知識など、RSI以外の勉強も怠らないようにしてくださね。