RSIとボリンジャーバンドの組合わせによるFX勝率アップ手法まとめ

「レンジ相場における RSI の買われすぎ・売られすぎシグナルは勝率が高い」と言われていますが、いざ実践してみるとだましも多く非常に難しい手法です。

そこで、だましを回避して優位性の高いシグナルだけを拾っていくために、RSIとボリンジャーバンドを組み合わせた手法を解説していきます。

RSIとボリンジャーバンドのメリットとデメリットまとめ

FXトレードで使用するインジケーターのほとんどは、単体で使用すると売買シグナルのだましに合うことが多く正確にタイミングを捉えることは困難です。

RSIも、最適な買い時・売り時を教えてくれる非常に優秀なインジケーターではありますが、シグナルを吟味する分析力が十分に備わっていなければ勝てるトレードはできません。

ですので多くのトレーダーは、 複数のインジケーター を組み合わせて互いの短所を補うようにして、シグナルの精度を上げて勝率の高いエントリーポイントを絞っているのです。

RSIの特徴とは何か

RSIとは、現在の買い勢力と売り勢力の力関係を、0~100%の数値で教えてくれるオシレーター系インジケーターです。

RSIの特徴

RSIが50%より上にあれば買い優位、反対に50%より下にあれば売り優位の状態を示し、常に20~80%の間を上下に行き来するように動いています。

RSIが70%以上のエリアに入ると「 買われすぎ 」と認識されて売りシグナルになり、30%を切ってくると「 売られすぎ 」と認識されて買いシグナルとなります。

これは、「一定期間買い優位(又は売り優位)の状態が続けば続くほど、売り優位(又は買い優位)に転じる可能性が高まる」、という相場の性質を利用した売買シグナルです。

以下がRSIの数値を割り出す計算式になります。

RSIの数値を割り出す計算式

この計算式から、RSIは一定期間の上昇幅と下落幅を参考にして作られた指標だということが分かります。

したがって、一方的な値上がり(もしくは値下がり)が続くトレンド相場になると、RSIの数値は振り切ってしまい天低に張り付いたままの状態が続きます。こうなると売買シグナルが正常に発生しなくなります。

RSIはトレンド相場に弱い

これが、「 RSIはトレンド相場に弱い 」と言われている理由です。

トモヒロ
上図では赤い丸が正解のシグナルですが、RSIの指標だけでこれを捉えることはかなり難しいです。

ボリンジャーバンドの特徴とは何か

ボリンジャーバンドとは、標準偏差を元にした統計学により、トレンド相場の発生とその強弱を教えてくれるトレンド系インジケーターです。

ボリンジャーバンドの特徴

ボリンジャーバンドは、ミドルラインと呼ばれる一定期間の移動平均線と、その上下に引かれる標準偏差±1σ(シグマ)、±2σ、±3σのバンド状のラインによって構成されています。

ボリンジャーバンドを使った分析

このバンドの向きと幅によって、 トレンドの方向性と強弱 を確認することができます。

それぞれの偏差値(シグマ)は一定期間における価格の収束率を示しており、その割合は以下となります。

±1σ →  68%の確率で値動きがこのバンドの内側に収束する
±2σ →  95%の確率で値動きがこのバンドの内側に収束する
±3σ →  99.7%の確率で値動きがこのバンドの内側に収束する

値動きが標準偏差の+と-を上下に行き来している状態になると、レンジ相場を意味します。反対に、+か-のどちらかにチャートが張り付き始めると、それがトレンド発生の合図になります。

トモヒロ
また、ボラティリティが高くなるほどバンドの幅は広がりますので、強いトレンドが発生するとボリンジャーバンドの幅は大きく広がります。

逆に、レンジ状態が続くとボリンジャーバンドの幅はどんどん狭くなっていきます。

この性質を利用して、トレンド相場とレンジ相場のどちらにも利用できるのがボリンジャーバンドですが、汎用性が高い分シグナルだましも非常に多いのでとても扱いが難しいインジケーターです。

RSIとボリンジャーバンドの相性が良い理由

RSIとボリンジャーバンドのメリット・デメリットをもう一度おさらいしておきましょう。

  • RSI → レンジ相場に強く、トレンド相場に弱い
  • ボリンジャーバンド → トレンド相場とレンジ相場どちらにも有効だが、だましが多い

そして、複数のインジケーターを組み合わせるメリットは「お互いの短所を補ってシグナルの精度を高めること」でしたよね。

つまり、トレンド相場に弱いというRSIの短所と、シグナルが分かりにくいというボリンジャーバンドの短所を、お互いの長所で補う関係になるのでこの2つのインジケーターは 相性が良い のです。

MT4におけるRSIの設定方法

MT4 でRSIを表示させる方法は以下の手順になります。

左上の挿入タブを開き、インディケータ→カスタム→RIS、の順に選ぶとRSIの設定ウィンドウが開かれますので、そのままOKを押すとチャート上に表示されます。

MT4におけるRSIの設定方法

次に設定方法ですが、「パラメータの入力」「色の設定」「レベルの表示」の3つのタブを使ってカスタマイズしていきます。

設定タブをもう一度開くには、チャート上で右クリック→表示中のインディケータ→RSI→編集、で開くことができます。「パラメータの入力」タブではRSIの計算式に当てる数値を変更することができます。

トモヒロ
特にこだわりがなければ、一番機能しやすい 初期設定 のままにしておきましょう。

RSIパラメータの入力

「色の設定」タブではRSIのラインの色を変更できます。

「レベルの表示」タブでは任意の%のラインを表示させることができます。70%と30%のラインは初期設定で表示されるようになっていますが、50%のラインも便利ですので「追加 → 50」と入力して表示させておきましょう。

ちなみに、レベルの数値をダブルクリックすれば35%や75%ラインなどに変更も可能です。

また下にある「スタイル」から 線の色や形状 もカスタムできます。

RSIスタイル

MT4におけるボリンジャーバンドの設定方法

MT4 でボリンジャーバンドを表示させる方法は以下の手順になります。

左上の挿入タブを開き、インディケータ→トレンド→Bollinger Band、の順に選ぶとボリンジャーバンドの設定ウィンドウが開かれますので、そのままOKを押すとチャート上に表示されます。

MT4におけるボリンジャーバンドの設定方法

次に設定方法ですが、「パラメータ」「レベルの表示」の2つのタブを使ってカスタマイズしていきます。設定タブをもう一度開くには、チャート上で右クリック→表示中のインディケータ→Bollinger Band→編集、で開くことができます。

「パラメータ」タブでは、以下の3点を設定できます。

  • どの偏差値を基準に表示させるのか
  • ミドルラインの期間(移動平均線と同じ)
  • ラインの色と形状

RSIパラメータ

この状態だと±2σのみの表示になりますので、±1σと±3σも表示してみましょう。

「レベル表示」タブを開き、追加→レベル設定(ダブルクリック)→0.5、で+1σのラインが表示されるようになります。ややこしいですが、パラメータで「偏差:2」を基準としているので2を0.5倍にして+1σを出すイメージです。

このまま下図のように追加をすることで全てのラインを出すことができます。

RSIレベル表示

因みに、この設定で表示すると下図のような見た目になります。

ボリンジャーバンドは ミドルラインと±2σが最も重要 なので、紹介した設定方法であれば一番大事な2つが目立ちやすい実線の緑色になり、他2つがサブ表示らしく点線のオレンジ色表示になります。

また、賛否両論ありますがボリンジャーバンドの±3σは使用する機会が少ないので、表示が多くて鬱陶しいと感じた場合は±1σと±2σだけでも十分です。

ボリンジャーバンド

RSIとボリンジャーバンドを利用したおすすめ手法

RSIとボリンジャーバンドを組み合わせることにより、それぞれ単体使用だと難しい相場でも有利なエントリーポイントを見つけることができるようになります。

トモヒロ
それでは早速、その具体的手法を3つご紹介しますので、全てマスターして勝てるトレーダーを目指していきましょう。

レンジでの逆張り

レンジ相場では順張りよりも 逆張り が有効です。逆張りする場合、狙うポイントは以下の2つです。

  • 上がりきったところで売る
  • 下がりきったところで買う

ボリンジャーバンドは95%の確率で±2σのバンド内に収束するので、±2σのラインに到達した時点で 逆張りエントリー が基本シグナルになります。

しかし、±2σのラインに値動きが張り付いて小さなトレンドが形成されることも多いので、これだけだと損切りに合う確率が非常に高いです。

したがって、ここにRSIのシグナルを組み合わせて、ボリンジャーバンドの短所を補うようにします。まずは下図をよく見てイメージを掴んでください。

レンジでの逆張り

第1シグナル

まず、ボリンジャーバンドの+2σにローソク足がタッチしたことが第1シグナルになります。

第2シグナル

そして、RSIが70%を上抜けた後に下抜ける瞬間が第2シグナルになり、この瞬間に売りエントリーです。

利確位置

利確位置はRSIの30%タッチか、30%を下抜けた後の上抜け地点になります。それか、ボリンジャーバンドの-1σを終値で下抜けしたら利確でも良いですね。

トモヒロ
買いエントリーを狙う場合は、これと全く逆の考えになります。

トレンド相場の押し目買い・戻り売り

トレンドフォローをする際に狙うべきポイントは以下の2つです。

  • 上昇トレンドの押し目買い
  • 下降トレンドの戻り売り

押し目買いの場合、1回目の押しで上昇トレンドの発生を確認した後すぐに飛び乗るではなく、一時的に下降するのを待ってから落ち切った所で買いエントリーをしていきます。

下降トレンドの場合は、一時的に上昇するのを待って上がり切った所で売りエントリーになります。

 しかし、この「下がりきったポイント」「上がりきったポイント」というのは判断するのが非常に難しいのです。
ボリンジャーバンド±2σでの反発については、前項でも説明したようにだましが多くて安易なエントリーは禁物です。

したがって、ここにRSIの50%ラインでの反発を第2シグナルとして組み合わせ、ボリンジャーバンドの短所を補うようにします。これも、先に下図をよく見てイメージを掴んで下さい。

トレンド相場の押し目買い・戻り売り

まずは、直近のネックライン上抜けとRSIの売りシグナルが機能していないことを確認し、上昇トレンドが発生していることを認識します。

そして、ローソク足がボリンジャーバンドの-2σで反発した地点で、RSIも50%ラインで反発するかどうかを確認します。2つの条件が揃ったところで買いエントリーとなります。

もしもRSIが50%を下抜けるようであれば、ボリンジャーバンドの-2σも下に抜かれる可能性が高くなり、だましシグナルだということが事前に分かります。

トモヒロ
下降トレンドの戻り売りエントリーを狙う場合は、これと全く逆の考えになります。

FXスキャルピング手法に利用する場合

上記で紹介した手法は、 スキャルピング に取り入れることも可能です。

ただし、スキャルピングの場合はポジションをホールドする時間が長くなるなればなるほど、負けるリスクが上ってきます。

ですので、ボラティリティが大きく値動きの方向性が読みやすいトレンド相場に絞るようにして、上位足の目線を意識した「押し目買い・戻り売り」を狙った手法がおすすめです。

トモヒロ
ボリンジャーバンドの±2σの間やRSIの50%~70%・50%~30%までの間の、小さい値幅を少しずつ抜いていくイメージですね。

まとめ

RSIとボリンジャーバンドは、それぞれ単体の利用だけでも十分に勝てる優秀なインジケーターです。ただ、だましのシグナルが多く初心者には判別が難しいのも事実です。

ですので、今回ご説明した RSIとボリンジャーバンドの組み合わせ手法 を取り入れて、FX初心者でも勝ちやすいエントリーポイントを見つけられるようになって頂きたいと思います。

もちろん、移動平均線・チャートパターン・水平線・ローソク足などの相場分析の基礎スキルを高めていくことも、勝ち続けるためには大切です。

おすすめの記事