FXトレードを始めてみたけど全然勝てるようにならないという方、買いと売りの方向やエントリー/利確のタイミングを正しく分析できていますか?
MACDってどんなインジケーター?MT4チャートの見方や使い方について
そうですね、MACDに限らずどのインジケーターにおいても言えることですが、「これを使えば100%勝てる!」というものは相場の世界には存在しません。
ですが、MACDは大変優れた分析ツールですので、扱い方を正しく覚えることで今まで見えなかった相場の流れが見えるようになります。
また、トレードのインジケーターは主に「トレンド系」と「オシレーター系」の2つに大別されますが、MACDは相場における買われすぎや売られすぎを示すオシレーター系に属しています。
ただし、MACDは移動平均線を元にして作られた指標なので、この後詳しく説明しますが「トレンドに強くレンジに弱い」という特殊な性質を持ったオシレーターになります。
つまり、MACDはトレンド相場において押し目買いや戻り売りの売買サインを見つけることに適した指標であり、 レンジでの逆張りには不向き であるといえますね。
では早速、MACDの基本構成と簡単な使い方について確認していきましょう。
上図を見ると、ローソク足チャートの下側に棒グラフと1本のラインが表示されておりますが、この棒グラフがMACDであり赤いラインはシグナル線と呼ばれるものになります。
MACDは 短期EMAと中期EMAの乖離幅 をグラフ状に起こしたものであり、短期EMAが中期EMAよりも上に乖離するとMACDが0ラインより上に推移し、反対に短期EMAが下に乖離するとMACDも0ラインより下に推移します。
そして、シグナル線とはMACDの数値を移動平均化させたものになるので、MACDの動きを滑らかにしながら後追いするように形成されます。
基本的には、MACDがシグナル線を上抜け又は下抜けしたタイミングを売買シグナルとして使うことが多いですね。
ちなみに、TradingViewなどプラットフォームによってはMACDもライン状で表示されることがあるので、その場合は2本のラインが上下に波打つような見た目になります。
また、今回は分かりやすく説明するために短期・中期EMAをチャートに表示させておりますが、この2つは表示させなくてもMACDの使用は可能です。
MACDを株やFXトレードで使うメリット
ここまでの説明で、MACDは2つの移動平均線の乖離幅を利用したインジケーターであることは理解できたでしょうか。
でも移動平均線の乖離幅に着目することで、なぜ勝てるトレードができるようになるのかがよく分かりません。
そうですね。
MACDのメリットを理解するためには、 移動平均線と価格の動き方のパターン を知る必要があります。
まずは下図をご覧ください。
この様に、トレード相場というのは常に移動平均線に対して上下に乖離と収束を繰り返しながら形成されていきます。
ではここに、もう1本短い期間の移動平均線(黄色)を表示させてみましょう。
すると、価格の動きに合わせるようにして2本の短期・中期移動平均線が上下に乖離と収束を繰り返しているのが分かると思います。
上図をよく見ると、上昇トレンドの形成と合わせるようにして短期移動平均線が中期移動平均線より上に乖離をし始めますが、その後上昇トレンドの終了と共に2本の移動平均線の乖離幅も収束していますね。
そして、価格の流れがそのまま下降トレンドに以降すると、今度は短期移動平均線が中期移動平均線を下にクロスして乖離を始め、下降トレンドが終了する時には移動平均線も上に収束していきます。
つまり、2本の移動平均線の動きが「 乖離→収束 」又は「 収束→乖離 」と変化する分岐点を売買サインにすることで、相場流れに合わせた最適な取引ができますね。
それでは、移動平均線の基礎を踏まえた上でMACDをチャートに表示させてみましょう。
こうして見ると、MACDが0ラインから上に乖離を始める地点と下から上に収束を始める地点が買いエントリーのタイミングで、反対にMACDが上から下に収束を始める地点や0ラインから下に乖離を始める地点が売りエントリーのタイミングであることがイメージできるかと思います。
MACDを使った勝率の高い手法
ここからは、MACDを使った具体的な売買サインの取り方について解説していきます。
先述したように、MACDがシグナル線を上抜けたときは買いサイン、反対に下抜けた時が売りのサインとして扱うのが一般的です。
ただし、闇雲にクロスでエントリーを繰り返していても勝てるようにはなりませんので、今回ご紹介するMACDを利用したエントリー手法をしっかりとマスターしてくださいね。
MACDとシグナル線を利用したトレンドフォロー手法
では初めに、初心者に最もおすすめの押し目買いや戻り売りを狙ったトレンドフォロー手法をご紹介します。
まずは下図をご覧ください。
こちらは、上昇トレンド中における押し目買いポイントを示したものです。
まずは、高値と安値がしっかりと切りあがっておりダウ理論的にも上昇トレンドが発生していることを確認します。
そして、MACDがシグナル線を上抜ける地点(図の中の緑丸)を見つけて買いエントリーを仕掛けていきます。
今回のように、上昇トレンドが既に確認できている場合には、0ラインよりも上側でのクロスも 押し目買いサイン として十分に機能します。
ただし、まだ高値と安値の切り上げが確認できていないAの地点や、高値の切り上げが終了したBの地点でのMACD買いサインには飛びついてはいけません。
また、下降トレンド中での戻り売りを狙う場合には、これと全く反対の考え方で再現が可能です。
MACDのダイバージェンスを利用したトレンド転換手法
次に、オシレーター系インジケーターの真骨頂ともいえる ダイバージェンス(逆行現象) を利用したトレンド転換手法をご紹介します。
ダイバージェンスとは、価格が高値を切り上げ(又は安値切り下げ)しているにもかかわらずインジケーターの数値は切り下げ(又は切り上げ)られている状態のことを言います。
下図は、実際にMACDがダイバージェンスを起こしているチャートを切り取ったものになります。
この様に、ローソク足では高値の切り上げが起こっているにもかかわらずMACDの数値が切り下がっている状態を見つけた時には、この後上昇トレンドが終了する可能性が非常に高くなります。
なぜなら、MACDが切り下がるということは短期移動平均線の上昇の勢いが落ちてきていることを示すからです。
つまり、短期移動平均線の上昇の勢いが落ちるということは直近相場における買いの勢いが落ちてきていることを示すので、 買いから売りへと相場の力関係が大きく逆転しやすくなる のです。
ちなみに、具体的なエントリータイミングについてはMACDとシグナル線のクロスを利用していただいて問題ありません。
MACDを使うFXトレードの注意点
それでは最後に、MACDを利用する際に注意して欲しいポイント4つご紹介します。
- レンジ相場では利用しない
- ダウ理論と併用して考える
- 安易にトレンド転換を狙わない
- 他のインジケーターと併用して相場分析する
まずは、1についてですが、冒頭でもお話しした通りMACDは移動平均線を元に作られたインジケーターなのでレンジ相場になると売買シグナルが全く機能しなくなります。
ですので、レンジでの逆張りやレンジのブレイクを狙う際にはMACDを利用しないように気を付けましょう。
次に2についてですが、前の章でも説明した通り初心者が最も勝ちやすいのはトレンド相場における押し目買いや戻り売りです。
従って、 ダウ理論 を使って高値と安値の切り上げ(又は切り下げ)が発生しているかを、エントリーする前に必ず確認するようにしてください。
そして3については、MACDとローソク足がダイバージェンスを起こしている時にのみトレンド転換を狙うようにしましょう。
特に、トレード初心者は大底や天井からごっそり値幅を狙おうとしてしまいますが、そんなに都合よくトレンド転換が起こることなどそうそうありません。
ですので、なるべく根拠のあるエントリーをするよう常に心がけておきましょう。
最後に4についてですが、MACDは他のインジケーターとも比較的相性が良いので、ボリンジャーバンドと組み合わせてレンジ相場に対応したり、長期移動平均線(100期間や200期間)と併用して長期トレンドの方向性を把握しておくのも大変オススメです。
ちなみに、RSIとの併用も有効ですが、オシレーター系インジケーターを2つ併用するとチャートが狭くなってしまうので、人によっては逆にストレスに感じることもありますね。
まとめ
今回は、オシレーター系インジケーターのMACDについて、基礎知識と最も代表的なエントリー手法について解説してきました。
トレードのインジケーターには、それぞれ機能する相場と機能しない相場が必ずあります。
ですので、MACDを利用する際には現在トレンド発生中かどうかを常に確認する癖を付けておきましょう。