RSIは、世界的にも非常に愛用者が多く、FXや株など相場で勝つためには是非マスターしておきたいインジケーターの一つです。
しかし、初心者にとっては正しく扱うことが難しいのも事実です。
RSIは設定次第で何にでも使える便利な指標
FXや株、仮想通貨など、金融市場には多数のジャンルが存在します。それらどのジャンルにおいても テクニカル分析 を使いこなすことは、私たち個人投資家が勝ち続けるためには必須条件です。
数あるテクニカル分析手法の中でも、RSIの指標を利用したトレードは汎用性が高く使い勝手が良いので、是非こちらの記事を読んで使い方をマスターしましょう。
そもそもRSIとは何?
RSIというのは、金融市場での買い勢力と売り勢力の均衡状態を、0~100%までの数値で表すオシレーター系インジケーターです。
市場というのは、一定期間買い勢力が優位の状態が続くと、どこかで調整のために売り圧力がかかり始めます。このとき、RSIを表示させておくことで、買い優位だったものが売り優位へと変わる転換点を捉えることができるようになります。
その逆も同じで、RSIの指標を利用して、売り優位だったものが買い優位へと変わる転換点を捉えることも可能です。
つまりRSIが70%に到達した時が 売りシグナル 、30%に到達した時が 買いシグナル ということです。
RSIはFX・株・仮想通貨などどれでも使える
ここで一旦、RSIの計算式を見てみましょう。
これを見たら分かる通り、RSIは一定期間内の上がり幅と下がり幅を参照して計算された非常にシンプルな指標です。
そして、この指標をどの様に活用するかというと、前項で説明した通り「上がったら下がる、下がったら上がる」という相場の原理原則に沿って、上がり始めや下がり始めを狙うために利用します。
RSIは5分足や日足など様々な時間足で利用できる
まず前提として知っておいて欲しいのですが、RSIの開発者J・ウエルズ・ワイルダー・ジュニアは自身の書籍の中で、 14日間の設定 を使用するようにすすめています。
ということは、RSIは「日足での値動きを参考にして、売り買いを行う目的」で作成されたインジケーターになります。
ですが、日足でなければ全く機能しないということでもありません。もちろん、5分足や1時間足など短期・中期足で利用してもしっかりと機能します。
ではどの時間足で使用するとより正確に機能するのかというと、
長期 > 中期 > 短期
の順になります。
日足ベースの場合、エントリーチャンスは少なくなりますが、だましの発生率も低く、相場状況が短時間でころころ変わったりすることも無いので、RSIの機能が安定しやすくなります。
もっと短い時間足で表示させた場合は、だましも多くなりますが、その分エントリーシグナルが増えるのでチャンスの幅は広がります。
RSIの設定期間を最適化するにはどうする?
RSIの設定において、普遍的な最適期間というのはありません。FXの通貨ペアごと、株の銘柄ごとにそれぞれ適した設定というのはあるはずですので、「14が絶対」「9が一番」などと一概には言えません。
RSIは初期設定のままで良いのか?
RSIの設定期間を最適化するためにまずオススメしていることは、 14期間70%ライン30%ライン を使用した基本スタイルで勝てるようになることです。
この基本設定は、多くのトレーダーから最も利用されている期間設定ですので、その機能も一番効きやすく安定しています。
もし仮に、初期設定を使っても全然勝てないのであれば、期間を9や28に変更したところで勝てるようになることはほぼありません。なぜなら、初心者の場合、RSIの設定値以外の問題で勝てていない可能性が高いからです。
RSIの設定をカスタマイズするコツ
RSIの設定をカスタマイズするために絶対に必要なことは、入念な「 バックテスト 」です。
FXであればそれぞれの通貨ペアによって値動きのクセが違いますし、株や仮想通貨はその時の時合いによってトレンドの発生の仕方が変わってきます。さらに、それぞれ見る時間足によっても値動きの仕方が変わります。
つまり、ネットでよく見る「5分足で使用するなら9期間75%25%がオススメ!」というような情報が、「あなたにとってもオススメ」であるとは限りません。
ですので、RSIの設定をカスタマイズするコツとしては、「銘柄」と「使用する時間足」を固定して1~3年分の過去チャートを使って、オリジナルの期間設定が有効に働くかを検証するようにしましょう。
RSIの最適設定で読み取る3つのおすすめシグナル
前述したように、RSIの最適設定は扱う銘柄や時間軸によって違ってくるので、ここでは一番汎用性の高い期間設定 14と70%30%ライン を使った手法をご紹介します。
ボックスレンジでの逆張りトレード
ボックスレンジとは、売りと買いの力関係が長期の目線で均衡している時に発生するチャートパターンで、2本の支持線と抵抗線の間で値動きが反発を繰り返す相場のことです。
この時、RSIが70%に達した時が売りシグナル、30%に達した時が買いシグナルとなり、非常に勝率の高いエントリーポイントとなります。
ちなみに、エントリーチャンスは減ってしまいますが、長期足の目線に沿ってのみエントリーを仕掛けることで勝率はさらに上がります。
トレンド転換サイン「ダイバージェンス」
トレンド相場において、価格の方向性とRSIの方向性が逆転している状態のことを、 ダイバージェンス と言います。
上の図のように、上昇トレンド中であれば、価格が上昇しているのにRSIの数値が下降している状態になります。
この状態は、高値は若干切り上がりつつも直近の上昇の勢いが段々と弱まってきていることを意味していますので、上昇トレンドが終了する可能性を示唆しています。また、下降トレンドであれば全く逆の現象になります。
当然ですが、トレンドが再度継続する可能性もゼロではありません。ですので、チャートパターンや水平線、移動平均線などトレンド相場を分析する手法と合わせていくことで勝率もさらに高まります。
利確ポイントの見極めにも利用可能
FXトレードで初心者が一番苦戦してしまうのは利確です。
FXや株などトレードを実際に始めてみた方のほとんどが、このような経験をされたかと思います。
RSIには、例外はありますが、 30%と70%の間を常に行き来する という性質があります。
ですので、何かしらの手法を使ってエントリーをした際に、買いでエントリーした後はRSIが70%に到達したら決済し、売りでエントリーした後はRSIが30%に到達したら決済します。
RSIを使って分析する際の注意点は2つ
ここまで説明すると、RSIを使えば誰でも常勝トレーダーになれるように感じたかもしれません。しかし、相場の世界はRSIのシグナルだけで簡単に勝てるような甘いものではありません。
ここでは、RSIの弱点をしっかりと理解して、優位性の高いシグナルだけを読み取れるように選別する力を付けていきましょう。
RSIはトレンド相場に弱い
前項では、「RSIの数値が70%を超えれば買われすぎ、となるので売りシグナル」と説明しました。
しかし、それが上昇トレンド中であれば70%を超えても買われ続けてしまうので、売りシグナルとしては機能しなくなります。下降トレンド中であれば、全く逆のことが起こるので、30%に到達しても買いシグナルとしては機能してくれません。
ですので、RSIを利用する前に、 今がトレンド相場なのかレンジ相場なのか を必ず認識しておきましょう。
上位足の目線には逆らわない
レンジ相場でRSIを利用して、逆張りエントリーを狙う時にも注意が必要です。
上位足で上昇目線の時というのは、「今はレンジ相場でもいつかは上昇トレンドが始まる可能性が高い」ということを意味します。
つまり、上位足で上昇目線になっていれば、「RSIが70%に到達した時の売りシグナルは裏切られる可能性が高い」ということになります。
反対に、上位足で下降目線であれば、RSIが30%に到達した時の買いシグナルは逆行の可能性が強まります。
まとめ
RSIの設定をカスタマイズするのは、できるだけトレード中級者になってからの方が良いです。RSIは初期設定のままでも、FXや株、仮想通貨の市場において十分に機能します。
ですので初心者のうちは、まず初期設定で安定して勝ちトレードができるようになることを目指しましょう。
そこから、更なる勝利アップや利益アップを狙う場合に、 バックテスト を十分に行ったカスタママイズをしていけば良いかと思います。