日本でも多くのトレーダーに利用されているFX業者と言えばXMですが、その中でもゼロ口座の特徴やメリットについて、意外と知らない人が多いようです。
XMでは3種類の口座が用意されていますが、この記事ではその中の一つの ゼロ口座 の利用価値についてその特徴や売買手数料、使用するメリット・デメリットなどついて徹底解説します。
XMのゼロ口座の特徴とは?
XMの3つの口座タイプ
XM Tradingでは、下記の3種類の口座に区分されており、それぞれの特徴の違いは下記に示す通りです。
- マイクロ口座
- スタンダード口座
- ゼロ口座
マイクロ口座の基本的なスペックは、スタンダード口座と同じです。初めてFXの取引を行う人は、まずはマイクロ口座で開設手続きを行い、ある程度慣れてきたら2つ目の口座としてスタンダード口座を追加する方も多いです。
スタンダード口座は、レバレッジをフル活用した大胆な取引をしたい人に適しています。スタンダード口座ではXMが用意しているボーナスの全てを受け取ることが可能で、取引の最小単位は1000通貨、ポジションの保有は500万通貨が上限です。
スタンダード口座の最大レバレッジは888倍 、ゼロ口座は最大 500倍 となっており、違いがあります。
ゼロ口座と他の2口座との最大の特徴の違い、それは残念ながらゼロ口座では入金ボーナスの受取りができないことです。
一方で、ボーナスに関しては制限が設けられてはいるものの、他の2口座と比較するとスプレッド幅が狭いのがゼロ口座の最大の強みです。
XMのゼロ口座の特徴にはどんなものがある?
XMのゼロ口座独自の特徴は、おもに下記の通りです。
- スプレッドが最小0(ゼロ) pipsと狭い
- ECN方式採用により透明性の高い取引を可能にした
- 取引手数料がかさむ可能性がある
FX取引を行う上で、 スプレッド幅 は極めて重要な要素となってきます。
その点、XMのゼロ口座で取引を行う場合は、その名前の通りスプレッドが最小で0 (ゼロ) pipsと狭いのが特徴です。
スプレッドとは、通貨の売値と買値の差をpipsの単位で示したものであり、売値・買値の差が小さいことを「スプレッド幅が狭い」といった表現をします。スプレッド幅が狭ければ狭いほど、低コストでのFXの取引が可能となります。
ゼロ口座の平均スプレッドは0.1pips、スタンダード口座の平均スプレッドは0.2pipsですから、この差は大きいですね。
XMのゼロ口座は海外業者の中でも特に狭いスプレッドですので、利用価値は高いと言えるでしょう。
XMのゼロ口座の二番目の特徴として、3口座の中では唯一、 ECN方式 が採用されています。XMのマイクロ口座・スタンダード口座ではSTP方式が採用されています。
この
ECN方式とは、トレーダーが出した注文に対してブローカーを経由しない方式です。ECNを日本語に訳すと「電子通信網 (ネットワーク)」、FXを含む金融商品の電子商取引を行う私設取引所に直結した発注方式です。
基本のスプレッドに対して手数料の上乗せがないため、透明性が高いトレードを実現することができます。
STP方式の場合は、FX会社の為替レートにスプレッドを加算した数値が示されます。そのため、ECN方式と比較するとスプレッド幅が広くなります。
ただし、XMのゼロ口座においては取引手数料がかかります。実際のFX取引においては、1lot(=10万通貨)の往復取引あたり1,000円の手数料が発生します。これは、スプレッドが実質1.0pipsに相当します。他の2口座タイプでは取引手数料が無いことを考えると注意が必要な特徴ですね。
ゼロ口座の手数料の計算方法
ここからは、XMのゼロ口座の手数料の計算方法について、具体的に見ていきます。
ゼロ口座の計算式は?
XMのゼロ口座の手数料を算出する計算式は下記の通りです。
【例】ゼロ口座で米1ドルが110円の時に1ロット(lot)の取引を行い、スプレッドが0.1pipsの場合
取引手数料は10米ドル×1ロット(lot) = 10米ドル(往復の手数料) となります。
これを日本円に換算すると10米ドル×110円=1100円
1ロット(lot)あたりの取引で1100円は1.10pipsに相当します。
スプレッドが0.1pipsの場合は 0.1pips+1.10pips = 1.2pips
したがって、実質上のスプレッドは1.2pipsとなります。
スタンダード口座の手数料体系は?
XMのスタンダード口座の取引手数料は、 スプレッドのみ となります。
【例】米ドル・日本円の平均スプレッドが2.0pipsの場合
ゼロ口座とは違い、往復の取引手数料を加算する必要はありません。
そのため、XMのスタンダード口座の実質上の取引コストは2.0pipsとなります。
ゼロ口座とスタンダード口座の手数料の比較
XMのゼロ口座とスタンダード口座との手数料の比較表は下記の通りです。
口座 | ゼロ口座 | スタンダード口座 | ||
---|---|---|---|---|
通貨ペア | 平均スプレッド | 往復手数料 | 取引コスト計 | 取引コスト計 |
米ドル・日本円 | 0.1 | 1.1 | 1.2 | 1.8 |
ユーロ・日本円 | 0.1 | 1.3 | 1.4 | 1.7 |
豪ドル・日本円 | 0.6 | 0.8 | 1.4 | 2.3 |
※手数料の単位はpips
※レートは常に変動するため、スプレッド・取引手数料も今後変更される可能性があります。
ここでは、トレーダーにもっとも人気の高い3種類の通貨ペアについて、ゼロ口座とスタンダード口座について比較してみました。
この3種類の通貨ペアで比較すると上記の表の通り、取引上必要なトータルコストはゼロ口座の方が低いことがわかります。
取引手数料はいつ支払うのか?
XMのゼロ口座でFXの投資を行う場合、取引手数料はいつ支払われるのでしょうか。
取引手数料の支払いのタイミングはMT4とMT5では異なり、下記に示す通りです。
- MT4の場合はエントリー時のみ取引手数料がかかる
- MT5を選択した場合はエントリー時と決済時にそれぞれ手数料が発生する
ゼロ口座でMT4を利用した場合は、エントリー時のみ手数料がまとめて引かれ、1ロット(lot)あたり10ドルの往復手数料がかかります。
一方でMT5の場合は、エントリー時と決済時の2回に分けて1ロット(lot)あたり5ドルずつ手数料がかかり、合計10ドルです。 手数料に関しては以下の記事も参考にしてください。
XMのゼロ口座を利用するメリットは?
XMのゼロ口座を利用するメリットは、下記の6つです。
ゼロ口座ならではの最大の魅力は狭いスプレッド
「XMのゼロ口座の最大のメリットは?」と尋ねられたら、何と答えますか?
おそらく多くのトレーダーが口を揃えて「スプレッドの狭さが魅力」だと答えることでしょう。
デイトレードなど短期型の投資スタイルでは、スプレッドが大きく関わってくることは言うまでもありません。
ECN方式のゼロ口座は取引手数料を経費にできる
他の2口座ではSTP方式が採用されていますが、ゼロ口座のみ ECN方式 です。
通常、確定申告を行う際には、スプレッドを必要経費として計上することは不可です。しかし、ECN方式が採用されたゼロ口座を選択した場合は、取引手数料を経費として計上することが可能です。
とはいっても、先にもお伝えしたようにゼロ口座はスプレッドが狭いため、取引コストは微々たるものですが、税制上の節税の効果が少しは期待できます。
XMのゼロ口座は他のFX業者と比較すると最低入金額が低い
XMのゼロ口座のメリットとして、他のFX業者のECN方式の口座と比較すると、 最低入金額が低い ことが挙げられます。
XMのゼロ口座の最低入金額は100ドル、LAND-FX (ランドFX) のECN口座は2000ドル、1ドル100円の場合は日本円に換算すると20万円に相当します。Titan FX (タイタンFX) ブレード口座の最低入金額は200ドルです。
XMのゼロ口座と他のFX業者については、この後「他のFX業者との比較」でさらに詳しく紹介します。
初めての口座開設で3000円のボーナス支給
XMのゼロ口座では、新規口座開設時に 3000円のボーナス が、取引の有無に関係なくもれなくもらえる仕組みです。
なお、口座開設時の3000円のボーナス制度はゼロ口座に限らず、スタンダード口座・マイクロ口座の3口座共通のサービスです。
レバレッジの上限は500倍
XMのゼロ口座のレバレッジは 最大500倍 ですから、少額資金で大きな取引が可能となります。
ゼロ口座で取引を行う場合、口座の残高が2万ドルを超えた場合のレバレッジは最大200倍となり、口座残高が10万ドルを超えた場合は最大100倍となります。
XMの他の2口座はレバレッジが最大888倍、ゼロ口座はそれよりやや低めの水準となりますが、日本国内のFX業者だと最大25倍にとどまっているため、レバレッジを効かせた取引は難しいです。
高い約定力と約定スピードが魅力
XMのゼロ口座のメリットは、高い約定力と約定スピードの速さです。その秘密は、ゼロ口座ではECN方式が採用されていることにあります。
トレーダーが発した注文を電子商取引システムにより、スピーディーに売買マッチングする仕組みとなっており、ECN方式によるFX取引ではブローカーが介入することなく、直接的に取引が行われる仕組みです。そのため、ゼロ口座の取引において、約定を拒否されるといった概念はまずありません。
ただし、流通量が極端に少ないマイナー通貨の場合は、注文が成立しにくい部分もあります。しかし、マイナー通貨で取引するケースは少ないのであまり気にしなくていいかもしれません。
ゼロ口座を利用するデメリットは?
次にXMのゼロ口座を利用するデメリットは、おもに下記の3つです。
口座開設時以外に入金ボーナスのチャンスがない
XMのゼロ口座のデメリットは、 口座開設時以外に入金ボーナスをもらえる機会がない ことです。スタンダード・マイクロ口座と比較すると、ボーナスをもらえる機会が極端に少なく、たった1度だけです。
他の2口座では、XMロイヤルティプログラムと入金ボーナスがもらえるチャンスがありますが、ゼロ口座のみ対象外となっているのは残念です。
しかし、ボーナスをもらえるチャンスが少ない反面、他の2口座と比較するとスプレッド幅が狭いのが、ゼロ口座の最大の魅力です。その分還元してもらえると前向きに考えた方が良さそうです。
スプレッドと手数料が発生する
先にお伝えした通り、ゼロ口座ではスプレッドとは別に手数料が発生します。
スタンダード口座では実際の取引コストはスプレッドのみですが、ゼロ口座ではECN方式が採用されているため、スプレッドと往復手数料の合計が取引コストとなります。
スタンダード口座と比較すると、ゼロ口座の方がメジャーな通貨ペアの場合は取引コストが低いのですが、一部の通貨ペアでは取引コストが高くつく場合もあります。
ゼロ口座は取引の選択肢が他の2口座よりも少ない
ゼロ口座で取引を行う場合、他の2口座と比較すると取り扱い可能な 銘柄の種類 が少し限られてきます。
スタンダード口座ではFXの通貨ペア数は57種類、ゼロ口座では56種類、わずか1種類の差に過ぎません。米ドル・USD(米ドル)・CNH(オフショア人民元)の通貨ペアでの取引は、ゼロ口座ではできないことになっています。
XMの他の2口座ではFX以外の投資においては株式CFD・貴金属CFD・先物CFDなどの取引が可能です。しかし、ゼロ口座を選択した場合は貴金属の取引においては、ゴールド(金)・シルバー(銀)のみの取引と制限されています。
より幅広く投資をしたい人には、ゼロ口座では物足りない部分も出てきます。
FX以外でも多彩なジャンルで取引をしたい人には、ゼロ口座よりはスタンダード口座・マイクロ口座の方が適しています。
XMでは、同一の名義で 8個 を上限に取引口座の取得が可能です。
他のFX業者との比較
XMとともに人気が高い海外のFX業者3社について、ボーナス・レバレッジ・最低入金額など、さまざまな観点から比較してみました。
AXIORY (ナノスプレッド口座)
- ドル円の手数料(コスト)比較 往復0.6pips
- ボーナス なし
- 最大レバレッジ比較 400倍
- 最低入金額比較 20000円
- 取引可能商品数 78種類
TitanFX (ブレード口座)
- ドル円の手数料(コスト)比較 往復0.7pips
- ボーナス なし
- 最大レバレッジ比較 500倍
- 最低入金額比較 20000円
- 取引可能商品数 83種類
Hotforex (ゼロスプレッド口座)
- ドル円の手数料(コスト)比較 0.6pips
- ボーナス なし
- 最大レバレッジ比較 500倍
- 最低入金額比較 20000円
- 取引可能商品数 53種類
ここでは、XMのゼロ口座との比較対象として海外で人気のFX業者のECN採用の口座について3社紹介しました。
XMでは最低入金額が1万円であるのに対し、他の3社ではいずれも2万円となっています。他の3社では「ボーナスなし」ですが、XMでは口座開設時に3000円のボーナスがあります。
XMのゼロ口座がおすすめの人は?
ボーナス目当てではない人
XMのゼロ口座を取得してボーナスがもらえる機会はただ1度、 口座開設時のみ です。しかし、「とくにボーナスにはこだわらない。別にボーナス目当てではないから。」という人にはゼロ口座が適しています。
逆に入金ボーナスに徹底的にこだわり、ボーナスをもらえるチャンスを増やしたい人にはスタンダード・マイクロ口座の方がおすすめです。
取引経験豊富な中級以上のトレーダーにおすすめ
XMのゼロ口座ではレバレッジの上限が500倍、これで十分に満足できる中級以上のトレーダーに合っています。レバレッジはあくまでも最大で500倍ですから、FXの取引経験が浅い人はレバレッジの倍数が1ケタでも2ケタでもいっこうに構いません。
スタンダード・マイクロ口座の最大レバレッジは888倍、「これでは大きすぎる」と感じられるトレーダーにはゼロ口座がおすすめです。
短期型トレーダーに適している
XMのゼロ口座は、1日の間に複数回に渡りFX取引を行うデイトレードやスキャルピングなどの短期型投資スタイルのトレーダーと相性が良いです。
ゼロ口座の場合は、スプレッドが限りなくゼロに近く、取引手数料が低いので魅力的です。頻繁に取引を行う場合は、スタンダード・マイクロ口座よりもゼロ口座の方がコストのムダを省けるので短期型トレーダーに適しています。
取引環境にこだわりあるトレーダーに適している
FX投資では、低コストにこだわるトレーダーも多いですが、その一方で 取引環境 にこだわりを持つトレーダーもいます。約定力が高く、ECN方式の透明性の高い取引環境が実現されているのは、XMの3口座の中では唯一ゼロ口座です。
XMのゼロ口座の開設方法
XMでゼロ口座を新たに開設する場合、すでにXMで口座開設をした人と初めてXMで口座開設をする人とでは、手順に少し違いがあります。
XM口座をまだ持っていない場合
XMで初めて口座開設をする人は、下記の手順に従って手続きを進めます。
- XMの公式サイトからXMリアル口座開設専用のフォームを開く
- 個人情報(氏名・住所・電話番号・メールアドレスなどの必須項目)を入力する(入力はすべて半角英数字で行う)
- 「取引口座情報」の入力を行う(口座タイプはゼロ口座・取引プラットフォームはMT4かMT5のいずれかを選択)
- 「投資家情報」の必須項目を入力する(投資額・雇用形態・職種などの情報)
- 口座パスワードを作成する(8文字~15文字以内)
- 2つの確認事項にチェックを入れる
- リアル口座開設のボタンを選択する
- 登録メールアドレスに確認メールが届く
- 確認メールが届いてから必ず24時間以内に赤い確認ボタンを選択
ここまでで新規口座開設の手続きは完了となります。以後、本人確認用の書類を提出して、口座を有効化すれば口座開設時の3000円のボーナスの受取りが可能となります。
なお、新規口座開設の詳しい手順は、下記のページをご参照いただくと良いでしょう。
すでにXM口座を持っている場合 (追加口座の開設)
すでにXMで新規口座開設の手続きを行った人は、個人情報の入力の手間が省けます。
XMでは最大8個まで口座を追加することが可能。ここでは、追加で口座を開設する手順について簡潔に解説します。
- マイページにログインする
- 「追加口座を開設する」ボタンを選択
- 新たにゼロ口座を開設する場合はゼロ口座を選択
- 「リアル口座開設」ボタンを選択する
- 「XMのリアル口座開設おめでとう」の文章が表示されるのを確認する
- XMから追加口座開設の手続き完了の確認メールが届く
まとめ
この記事では、XMのゼロ口座の特徴・取引手数料・メリット・デメリット・他のFX業者との比較について解説しました。
この記事を読んでXMのゼロ口座の魅力について、新たに関心を寄せるトレーダーも多いのではないでしょうか。
最後のまとめとして、ゼロ口座の特徴・メリット・デメリットについて再度お伝えします。
- ゼロ口座の最大の特徴ことメリットはスプレッドが最小0pipsと他の2口座と比較しても最狭
- 取引手数料が発生するものの、スプレッドが極小なのでトータルコストが低い
- 他の2口座とは異なり、透明性の高いECN方式採用
- 約定力が高いのがゼロ口座ならではの魅力
- ボーナスは口座開設時のみで入金ボーナスがもらえるチャンスが少ない
ゼロ口座での取引は入金ポーナスがないことに物足りなさを感じるかもしれません。しかし、他の2口座と比較すると低スプレッドで取引ができるという安心感があります。
XMでは最大8つまで口座を取得できるので、ゼロ口座のみの取引では物足りない方は、他の2口座の開設を追加で行い、 上手に使い分ける 工夫をしてはいかがでしょうか。