MT4にRCIを表示させたい!スマホやパソコンでの設定方法について

FX取引でよく用いられるインジケーターの中にRCIがあります。市場の売られすぎや買われすぎを視覚的に捉えられる便利なテクニカル指標です。

ただしRCIはよく用いられるプラットフォームであるMT4の初期設定には入っていません。

トモヒロ
この記事ではRCIをMT4で表示する方法や設定について解説します。

RCIってどんなインジケーター?

RCIは正式名称を『Rank Correlation Index』といい、日本語では『順位相関指数』と訳されます。オシレーター系のインジケーターとして高い人気を誇り、市場の売られすぎや買われすぎを判断するのに役立ちます。

非常に変わった分析の手法で、一定期間内の日付と価格に順位を付けてその間にある相関を調べて市場の動きを予測します。

-100%から+100%の間で表され、通常RCIが+80%を超えると市場は買われすぎ、-80%を下回ると市場は売られすぎと判断できます。したがって他のオシレーター系のインジケーターと同様、逆張りに用いることができるテクニカル指標です。

一方でトレンドが発生しているときには順張りに用いることもできます。とくに上昇トレンド発生時の押し目買い、下降トレンド発生時の戻り売りなどに役立ちます。

加えてトレンドの転換を予測できるのもRCIの活用方法の一つです。

RCIはパラメーター値によって 短期線、中期線、長期線 という3本のラインを用いることができます。

RCIは1本だけ用いて市場の過熱状況を把握することができるものの、より正確な分析を行うために短期線・中期線の2本、もしくは長期線を含めた3本のラインを使って分析を行うトレーダーも少なくありません。

短期線が中期線を下から上へ突き抜けたり、中期線が長期線を下から上へ突き抜けたりした場合には、下降トレンドから上昇トレンドへの転換が予想されます。

逆に短期線が中期線を上から下に突き抜けたり、中期線が長期線を上から下に突き抜けたりした場合には上昇トレンドから下降トレンドへの転換のサインとなります。

トレンドの転換が予測できれば、エントリーのタイミングを見計らって最大限の利益を上げられる可能性が高まるでしょう。

トモヒロ
ただしRCIは1分足などの短い時間足では機能しにくいので、日足や週足など複数の時間足を使って分析する必要があります。

パソコン版MT4でRCIを表示させるには?

パソコンでFXや株式のトレードをしている方であれば、 MT4の初期設定にRCIが入っていない ことにすぐ気づくでしょう。

インジケーターからRCI、もしくはRCIの正式名称である『Rank Correlation Index』を探しても見つかりません。

したがってRCIをMT4で表示させるためには、外部サイトからRCIをダウンロードしなければなりません。ではRCIをMT4で表示させる手順について見ていきましょう。

無料でRCI をダウンロードする

MT4にRCIが搭載されていない以上、他のサイトからRCIをダウンロードするしかありません。インターネット上には無料でRCIをダウンロードできるサイトが数多く運営されているので、それほど心配する必要はないでしょう。

たとえば以下のようなサイトからすぐにRCIをダウンロードすることが可能です。

こうしたサイトの中には、ただRCIをダウンロードするだけのものやRCIを異なるパラメーターで3本表示するものがあります。

トモヒロ
ダウンロードする際には、どのような形でRCIを利用するかを想定してサイトを選ぶようにしましょう。

RCIをMT4に保存する

RCIをダウンロードしただけではまだMT4の中にRCIが入ったわけではありません。そのため RCIをMT4に保存 する作業が必要となります。

MT4のメニューバーから『ファイル』を選び、『データフォルダを開く』をクリックしてください。

RCIをMT4に保存

表示されたフォルダの中から、『MQL4』をクリックします。

RCIをMT4に保存MQL4

このフォルダではMT4内に保存されているファイルが表示されます。『MQL4』をクリックすると以下のようなフォルダが表示されるはずです。

RCIをMT4に保存Indicators

選択肢のかから『Indicators』を選びます。まだこのフォルダの中にはRCIが入っていない状態です。そのため先ほどダウンロードしたRCIのファイルを『Indicators』内にドラッグアンドドロップします。

確認のため『Indicators』をクリックして、中にRCIがきちんと保存されているか見てみるとよいでしょう。

MT4を再起動する

この作業によってMT4内にRCIが保存されましたが、まだMT4でRCIを実装することはできません。そこで MT4を再起動 して、RCIを利用できるようにします。MT4をいったん閉じて、再度立ち上げましょう。

MT4にRCIを表示させる

すでにMT4にRCIが入っているので、あとは他のインジケーターを表示させるのと同じ方法で RCIを表示 させることができます。

MT4のメニューバーから『挿入』を選び、『インディケータ』をクリックします。RCIはオシレーター系のインジケーターですが、今回は『カスタム』をクリックしてください。

選択肢の中に表示される『RCI』をクリックすればチャートの下にRCIが描画されます。

設定を変更する

RCIはさまざまな設定を変更してトレーダーが自由に取引に活用できるインジケーターです。ぜひ使いやすいようにカスタマイズしてみましょう。

まずメニューバーにある『ナビゲーション』をクリックします。表示される『インディケータ』の中にある『RCI』を選ぶと設定画面が開きます。

RCI設定変更

この画面でさまざまな設定を変更することが可能です。たとえば上限と下限を設定できます。下限は『-1』、上限は『1』が一般的です。

色の設定』ではRCIを描いている線の色や太さを変更することが可能です。背景が白だったり黒だったりする場合には、自分が見やすい色を選んで設定しましょう。

レベル表示』はチャートに表示されるレベルの設定です。たとえば買われすぎ・売られすぎのラインとされる+80%や-80%をチャート内に表示したいと思う場合、『追加』ボタンを押してから『0.8』や『-0.8』と入力すればラインが描画されます。

パラメーターを設定してRCIを複数本表示する

RCIは1本でも市場の過熱状況を把握するのに役立ちますが、 パラメーターを設定 して複数のラインを使うことでより確度の高い分析を行うことが可能となります。

さらに短期線、中期線、長期線の3本を使えば、より長期間の市場の流れを掴んだり、トレンド発生時の順張り、上昇トレンドでの押し目買いや下降トレンドでの戻り売りなどにも役立てたりすることが可能です。

ではどのようにパラメーターを設定すればよいのでしょうか。まずパラメーターの設定ですが、RCIの設定画面の『パラメーターの入力』から行います。

パラメーターを設定してRCIを複数本表示

『rangeN』と『Maxrange』に同じ数字を入力することでRCIを算出するための期間を設定できます。

この図ではパラメーター値を『9』に設定しているので、RCIの短期線であることが分かります。このパラメーター値を『26』にすると一般的な中期線、『52』にすると長期線となります。

しかし通常RCIの設定画面は1つしかないので、複数のRCIを表示させることはできません

そこで、再度『ナビゲーター』を呼び出し、『インディケータ』の中の『RCI』をチャートが表示されている画面までドラッグアンドドロップします。

パラメーターを設定してRCIを複数本表示

これで2本目のRCIがチャートに表示されます。あとは先ほどと同じ手順でパラメーター値を26や52に設定し中期線や長期線を表示させることができるのです。

トモヒロ
パラメーター値は必ずしも9、26、52である必要はなく、トレーダーの知識や経験によって変えてみることもできるでしょう。

スマホ版MT4でRCIを表示させるには?

一方で現在はスマホを使ってFXなどの取引をしている方も少なくありません。ではスマホ版MT4でRCIを表示させるためにはどうすればよいのでしょうか。

残念ながら、今のところスマホ版MT4にRCIをダウンロードして表示させることはできません

そのためどうしてもMT4でRCIを表示したい場合には、VPSのリモート接続を使ってスマホからパソコンの画面にアクセスするという方法があります。

ただしこの方法はやや難しいので、 国内のFX業者やトレーディングビュー を使ってRCIをスマホに表示するという方法が現実的です。

国内FX業者やトレーディングビューを使えば、スマホの画面いっぱいにチャートが表示されるので見やすくなるというメリットもあります。

スマホを使ってRCIを見る場合には、MT4にこだわらず別の方法も試してみましょう。

RCIを使ってトレードしてみよう!

パソコンのMT4でRCIを表示させることができたなら、いよいよトレードが行えます。RCIにはいくつかの活用方法があるので、それぞれの使い方を知ってトレードを成功させましょう。ではRCIを使った取引方法について解説します。

一般的な基準値

まず覚えておくべきなのはRCIの一般的な基準値です。RCIのもっとも簡単な使い方は、市場の買われすぎ・売られすぎを見ての逆張りです。

一般的にRCI が+80%を超えると市場は買われすぎと考えられます。その後に価格の下落があると予測できるので、『売り』ポジションを取るべきサインです。

一方RCIが-80%を下回ると市場は売られすぎの状態にあると判断できます。価格の上昇が予想されるので『買い』ポジションをとるとよいでしょう。

RCIを使ったエントリーの見極め

RCIを使うと、さまざまな場面でエントリーのタイミングを見極めることができます。もちろん1本のラインを使って買われすぎ・売られすぎを見極めることも可能ですが、より確度の高い分析を行うこともできます。

たとえば短期線と中期線、もしくは中期線と長期線を使った『ゴールデンクロス』や『デッドクロス』です。ゴールデンクロスとは短期線が中期線を下から上へ突き抜けたり、中期線が長期戦を下から上へ突き抜けたりした時を指します。

RCIを使ったエントリーの見極め

買いサインの場所では、青い短期線が黄色の中期線を下から上へ突き抜けています。これをゴールデンクロスと呼び、 強い買いサイン と考えられます。実際その後価格が上昇していることが分かります。

一方売りサインの場所では青の短期線が黄色の中期線を上から下に突き抜けています。これはデッドクロスで、 強い売りのサイン となります。

トモヒロ
こうしたシグナルを見極めてエントリーすれば、利益を上げられる可能性が高まるでしょう。

さらにRCIの3本のラインを使えば、トレンドが発生している時でも利益を上げられる可能性があります。それが押し目買い戻り売りです。

RCI押し目買いや戻り売り

この図の赤い丸の部分では、青の長期線、緑の中期線、さらに赤の短期線がすべて+100%付近で推移しています。これは強い上昇トレンドが発生している状態です。

しかしその中で、青と緑の線は引き続き+100%付近にあるものの、赤の短期線だけが一時的に下落している部分があります。これが押し目買いのサインです。

一時的に多くのトレーダーが利益確定のために売りポジションを取っているために価格が下落します。ここを狙って買いポジションを取れば、より大きな利益を上げられるかもしれません。

逆に下降トレンドの際、一時的に短期線が+100%付近に上昇した瞬間を捉えられれば、戻り売りによる利益を上げられるでしょう。

より詳しくRCIを使ったトレードについて知りたい方は、ぜひ以下のサイトをご覧ください。

RCIを使う際の注意点

RCIは多くのトレーダーから支持を集める非常に人気のインジケーターです。しかし注意点があります。

まずRCIを1本だけ使って分析を行うと、分析結果と市場の動きが異なる『ダマシ』が発生しやすくなるという点です。

ダマシで大きな損失を被らないように、RCIを複数本使ったり、 他のインジケーターを併用 したりして確度の高い分析を行いましょう。

RCIはオシレーター系のインジケーターなので、トレンド系のインジケーターである一目均衡表や移動平均線、ボリンジャーバンドなどとの併用がお勧めです。

 さらにRCIは価格と日付に順位を付けているため、価格の変動幅は考慮されていません。一気に価格が乱高下した場合などには使用できないこともあるので注意が必要です。

まとめ

RCIはパソコンのMT4にダウンロードして使用することが可能です。一方スマホではMT4以外の他の方法を使ってRCIを表示できます。

どちらにしてもRCIを使って市場を分析することで利益を上げられるので、FXや株式投資が初めてという方も、ぜひRCIを使ってみましょう。

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