RCIはどの時間足を使うのがよい?日足をみることの重要性について

世界中のトレーダーが利用している人気のインジケーターの一つとして挙げられるのが『RCI』です。

RCIによって一定期間内の市場の過熱状況を把握することができます。ただしRCIでの勝率を高めるためには、用いる 時間足 が重要となります。

トモヒロ
この記事ではRCIで利益を上げるために用いるべき時間足について解説します。

RCIの使い方は?どんなインジケーター?

RCIの使い方について知るためには、まずRCIがどのようなインジケーターなのかを知らなければなりません。

ではRCIというインジケーターの、

  • RCIとは
  • RCIのパラメーター設定・使い方
  • RCIの強み
  • RCIの弱点

という4つのポイントを簡潔に解説します。

RCIとはなに?

RCIとは、日本語で『順位相関指数』と訳されるオシレーター系のインジケーターで、一定期間内の価格と日付に順位を付けるという興味深い分析手法です。

価格は高い順、日付は取引当日に近い順に順位を付けていき、その2つの順位の間にどのくらいの相関関係があるかを分析します。

RCIは-100%から+100%で表され、RCIが-100%に近ければ市場は売られすぎ、+100%に近いほど市場は買われすぎの状態にあると判断できます。

一般的にオシレーター系のインジケーターは逆張りに用いられることが多いですが、RCIは逆張りはもちろん、 順張りも対応 できるテクニカル指標となっています。

RCIのパラメーター設定・使い方

RCIでの勝率を高めるために重要なポイントとなるのがパラメータの設定です。どのようなインジケーターでもそうですが、パラメータの値によって表示の意味合いが大きく変わります。

RCIを用いるトレーダーの多くは短期線、中期線、長期線という3本のライン、もしくはこれらの中の2本のラインを用いて分析を行います。一般的にパラメータ値は、 短期線が9、中期線が26、長期線が52 に設定します。

トモヒロ
最初は一般的なパラメータ値を用い、慣れてきたら自分なりによいと思える数値でトレードを試してみるのもよいでしょう。

さらにRCIを株式トレードやFX取引で用いたいのであれば、RCIの使い方についても知っておく必要があるでしょう。

RCIはまず、順張りに用いることができます。もしRCIが+80%を超えて天井圏に入ったなら、市場は買われすぎの状態にあります。

天井圏からRCIが下がりはじめ再び+80%に触れた時が『売り』のシグナルです。逆に-80%以下の底値圏から再び上昇して-80%に触れた時が『買い』のシグナルと考えられます。

ゴールデンクロス(買いシグナル)
デッドクロス(売りシグナル)

加えて短期線が中期線や長期線を下から上へ突き抜ける『ゴールデンクロス』では 買いシグナル 、逆に短期線が中期線・長期線を上から下に突き抜けた場合には『デッドクロス』という現象で 売りシグナル と考えられます。

さらにRCIは上昇トレンドが発生している時の一時的な価格の下落、下降トレンド発生時の一時的な価格の上昇においても利益を上げられる、『押し目買い』や『戻り売り』に利用することもできるので、非常に汎用性の高いインジケーターといえるでしょう。

RCIをトレードに利用することの強み

RCIには大きな強みがいくつかあります。まずはインジケーターとしてオシレーター系とトレンド系の両方の特徴を備えているという点です。

通常オシレーター系はレンジ相場、トレンド系はトレンド相場で用いるものですが、RCIはその両方で利益を上げられる可能性があります。汎用性の大きなテクニカル指標として多くのトレーダーから人気を集めています。

続いての強みは、 3本のラインを用いたトレード手法が複数ある という点です。RCIは短期線や中期線という単体のラインでも市場の過熱状況を把握する助けになります。

さらに1本のラインで天井圏に入った時の『買い』シグナル、再度天井圏から出る時の『売り』シグナルなど複数のエントリーポイントが見つけることが可能です。加えて2本、もしくは3本のラインのクロスを見つけてエントリーするという手法もあります。

使い方がいくつもあるので、それだけ利益を上げられる確率も高いインジケーターとなっているのです。

RCI の弱点

RCIは便利なインジケーターですが、弱点もあります。それは、価格の変動幅が考慮に入れられていないということです。

RCIは価格と日付の順位によって分析を行っているので、前日と比べて価格がいくら上がったのか、下がったのかは計算に入れられていません。そのため一定期間内に価格が乱高下した場合には 正確な分析が行えない恐れがある ので注意が必要です。

さらにトレンドが発生している場合には、+100%や-100%付近に貼りついてしまうので、エントリーのタイミングが計れなくなるケースがあります。

RCIはどの時間足を使えばいい?

RCIでの勝率を高めたいのであれば、どの時間足を用いるかが非常に重要となります。ではRCIで用いる時間足を決定するために、

  • 短い時間足だとRCIは機能しにくい
  • 日足を中心に複数時間足を見ることの重要性

という2つのポイントについて見ていきましょう。

短い時間足だとRCIは機能しにくい

まず覚えておくべき重要なポイントは、1分足や5分足などの短い時間足ではRCIが機能しにくいという点です。

時間足が短くなると、価格は激しく乱高下します。とくに市場がレンジ相場にある場合、1分前は価格が上昇したのに、次のローソク足は下落に転じ、さらに次は上昇ということも珍しくありません。

 RCIは一定期間内の価格に順位を付けて分析を行うため、価格が乱高下している状態で分析を行うと機能しにくくなるのです。

さらに短い時間足ではRCIが敏感に価格に反応してしまうため、不都合が生じます。

たとえば1分足でRCIを使用しているとします。RCIは上昇トレンドでは+100%付近に張り付くという特徴があるため、ほんの10分程度価格の上昇が続けばRCIの短期線は+100%付近を推移することになります。

RCIの分析でいえば、天井圏に入れば『買い』、天井圏から再度出る時に『売り』のシグナルということになりますが、もちろん10分程度の価格変動ではそこまでの分析は行えません。

加えて価格変動への反応が敏感すぎると、ゴールデンクロスやデッドクロスといったエントリーのシグナルが頻繁に発生することになります。シグナルは多く出るものの、分析結果と市場の動きが異なる『ダマシ』が生じやすくなり、損失を被るリスクが高まるのです。

通常売りや買いのシグナルは、回数が少ないほど確度が高いので、あまり頻繁にエントリーのサインが出てしまうのは望ましくありません。

トモヒロ
こうした理由から、RCIにおいて短い時間足を用いることには慎重になるべきなのです。

日足を中心に複数時間足を見ることの重要性

ではRCIではどの時間足を用いるのがよいのでしょうか。結論からいうと、もっとも適しているのは『 日足 』です。

日足であればその日の価格の変動を的確に表しているとともに、急激な価格変動によるダマシにも遭いにくくなります。

さらにRCIにおいては価格と日付の順位を付けることによって分析を行うため、日足が非常に重要となります。日足を基本としてRCIの分析を行うことで株式トレードやFX取引の勝率を高めることができるでしょう。

しかし日足だけを見ていては思わぬ損失を被ることがあります。というのは、株式トレードやFX取引はチャート全体の流れを見ていかなければ利益を上げることはできないからです。

RCIには短期線、中期線、長期線とがありますが、それに加えて 日足を含む複数の時間足 を見て市場全体の動きを把握するよう努めなければなりません。

日足に加えて、週足を使ってより期間を広げた分析、4時間足を使ったマクロな分析を行うことでFX取引を成功させることができるようになります。

 日足、週足、4時間足などを使った分析をせず、安易にエントリーすると思わぬ損失を被る恐れがあります。

RCIでは分析する期間を伸ばせば伸ばすほどチャートがなだらかになります。これにより長期にわたる市場の傾向がつかめるでしょう。

時間足・日足に注目した具体的なRCIの手法

では実際にRCIをFX取引で使うためにはどのようなトレード手法を用いると良いのでしょうか。ここでは、

  • スキャルピングトレード
  • デイトレード
  • スイングトレード

という3つのパターンについて解説します。

RCIは時間足が長くなるとより安定した成果が出しやすくなるので、 スイングトレードがRCIに最適 と考えられます。

一方で非常に短い間に取引を行うスキャルピングはやや不向きといえるでしょう。

スキャルピングトレード

スキャルピングとは、数分程度、さらに短い場合には数秒程度しかポジションを保持せず、売買を繰り返す手法です。

非常に小さな利益を積み重ねることを目的としており、もしダマシが発生しても損失がわずかで済むというメリットもあります。

スキャルピングにおいてもRCIは有効です。ただしスキャルピングにおいては、価格に敏感に反応する1分足などの短い時間足を用いてトレードします。とくに トレンドが発生している時には順張り することでスキャルピングによる利益が上げやすくなります。

RCIが底値圏から上昇を始めて-80%を超えた時には強い買いのサイン、天井圏から下落して+80%を下回った時には強い売りのサインとなります。

さらに上昇していたRCIが下落に転じたり、下降していたRCIが急に上昇に転じたりした場合にはトレンドの転換が予想されるので逆張りを行うことも可能です。

短い時間足を用いたRCIは、価格に敏感に反応し、かつサインが見つけやすいのでスキャルピングに適しています。スキャルピングでは損失が出てもわずかなので、積極的にトレードにチャレンジすることができるでしょう。

 ただしトレードを行う際の手数料ともいえるスプレッドが大きなFX業者を利用している場合には、トレードのコストがかかるので注意が必要です。

デイトレード

デイトレードとはその名の通り、1日の終わりにポジションをすべて決済し、翌日まで持ち越さなトレードの手法です。

取引の時間以外の要素に結果が左右されないため、リスクの低い取引方法といえます。デイトレードにおいてもRCIを有効に活用することが可能です。

とくにデイトレードにおいては、 複数の時間足とパラメータ値 を用いたラインを使ってトレードすることでより大きな利益を上げられるかもしれません。

その日のうちにポジションをすべて決済するデイトレードでは、1時間足や4時間足を用いたり、パラメータ値9の短期線やパラメータ値26の中期線を使った分析が有効です。

短期線が中期線を下から上へ突き抜けたら買い、逆に上から下に突き抜けたら売りのサインと考えらえます。

スキャルピングのように非常に短時間で決済する必要はないので、中期線、場合によっては長期線も観察して、一定期間内の大きな流れをつかみながらトレードすることが重要です。

トモヒロ
デイトレードとスキャルピングとでは、注目すべき時間足やRCIのパラメータ値が大きく異なるのです。

スイングトレード

スイングとは取引する銘柄を数日から数週間程度で変更していく取引手法です。

スイングの重要なポイントは、上昇トレンドにある銘柄を選んでいくという点です。したがって基本的には上昇トレンドが発生している銘柄でいかに利益を上げるかがポイントとなります。

上昇トレンドが発生している場合には、RCIの順張りによって利益を上げやすくなります。

さらに『 押し目買い 』によっても利益を上げられる可能性があります。押し目買いとは、上昇トレンドの中の一時的な価格の下落を捉えて買いポジションを取り、利益を上げる方法です。強い上昇トレンドでは、短期線、中期線、長期線すべてが+100%付近を推移します。

しかし押し目買いのポイントでは、中期線、長期線は変わらず+100%付近を推移するものの、短期線は一気に0付近や底値圏付近まで下がります。

そのポイントを見極めることができれば、押し目買いによる利益を上げられるでしょう。スイングにおいてもRCIは非常に効果的なのです。

POINT
RCIはスキャルピングトレード、デイトレード、スイングトレードのどれでも利用可能です。
ただし用いる時間足の関係で、より長くポジションを保持するスイングトレードにより向いており、非常に短い時間で取引を行うスキャルピングトレードにはやや不向きであることを覚えておきましょう。

まとめ

RCIは日足を基本として複数の時間足を使うことでより確度の高い分析が行えることが分かりました。

日足を見ることで瞬間的な値動きに惑わされず、大きな流れを見て取引することが可能となります。

スキャルピング、デイトレード、スイングなど、トレーダー自身が行っている取引方法に合わせてRCIを使い分けることができれば、どのような状況でも利益を上げやすくなるでしょう。

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