RCIを使ったテクニカル分析による最強のトレード手法とは?

「RCIは一部の勝ちトレーダーが隠してきたインジケーターである」
「RCIを使うと勝ちすぎるからMT4から削除された」

などと様々な噂が出回っていますが、 RCI は本当に勝てるインジケーターなのでしょうか?

トモヒロ
当記事では、RCIの勝てる手法について、初心者でも扱えるように本質から解説していきます。

RCIの基本的な見方とトレード手法のコツ

RCIはオシレーター系と呼ばれるインジケーターであり、買いと売りの強弱が転換されるポイントで 逆張り をするために利用されます。

FXや株で勝つためには、基本的に以下2つのどちらかのタイミングで売買を仕掛けていきます。

  1. 価格が下がりきったところで買う
  2. 価格が上がりきったところで売る

つまり、RCIを利用したテクニカル分析により「下がりきったところ」や「上がりきったところ」を見つけることができれば、トレードで安定して勝つことができるのです。

RCIのテクニカル指標としての基本的な見方とは?

RCIのテクニカル指標としての基本的な見方

RCIは、相場における「買われすぎ」「売られすぎ」を示すテクニカル指標であり、 現在価格の買いと売りの過熱感 (強弱加減)を教えてくれます。

RCIの数値は-100~100%の範囲で算出され、振り子のように上下に移動しながらライングラフ状に形成されていきます。

このRCIのグラフが上がれば上がるほど相場では「買われすぎ」の状態となるので、過熱した買いの勢いが冷めて売りの勢いが強くなります。反対に、RCIが下がれば下がるほど相場では「売られすぎ」の状態となるので、過熱した売りの勢いが冷めて買いの勢いが強くなります。

RCIのテクニカル指標としての基本的な見方

上図を見たらわかる通り、RCIが「買いが強すぎる」範囲に来ると、実際のチャート上で売り圧力がかかり始めて相場の流れが「買い→売り」へと反転しています。

反対に、RCIが「売りが強すぎる」範囲に来ると、実際のチャート上で買い圧力がかかり始めて「売り→買い」へと相場の流れが転換しています。

RCIは短期・中期・長期の3本利用が有効なのか?

RCIは短期・中期・長期の3本利用が有効なのか?

実は、RCIは1本の表示のみでも十分に有利なトレードが可能です。ですが、複数の期間設定でRCIを利用することが現在の主流となっているようです。

そもそも期間設定とは、端的に説明すると「何本のローソク足を参照して数値を算出するか」を決める設定です。

従って、RCIの期間設定を大きくするほど、それだけ参照するローソク足の母数が多くなるのでRCIの上下移動も緩やかになっていきます。

つまり、短期RCIは素早い売買タイミングを計れる反面、 だましシグナル に合いやすくなります。また、長期RCIの場合はだましに合いにくくなりますが、その分売買タイミングが遅れてしまいます。

このように、RCIの期間設定には長所と短所があるので、短期9・中期26・長期52の3本を同時に表示することでお互いのデメリットを補うようにしているのです。

トモヒロ
ちなみに、RCIは開発者が不明であり明確な統計値や有効な設定値が文献資料として存在しないことから、最も勝率の高い公式設定値は存在しません。

売られすぎ/買われすぎのラインは±80%で良いか?

売られすぎ/買われすぎのラインは±80%で良いか?

RCIの買われすぎゾーン/売られすぎゾーンを決めるラインは、実際のトレードにおける売買シグナルとして利用されます。

具体的には、上図のようにRCIが70%を下抜けする瞬間が売りシグナル、反対に-70%を上抜けする瞬間が買いシグナルとなります。

既にRCIについて学んでいる方は「RCIのシグナルは±80%で取るのでは?」と疑問に思ったはずです。

しかし当記事では、RCIの買われすぎ・売られすぎゾーンを決める境界線については±70%を基本として説明しています。理由としては、±70%を利用する方が、トレンドフォローをする際に最も勝率の高いシグナルをできるだけ逃さず拾えるからです。

RCIを使ったトレードの考え方

RCIを使ったトレードの考え方

RCIを使ったトレードの考え方は 逆張り です。

具体的には、RCIが買い圧力や売り圧力の「過熱」を示したポイントにおいて、上昇と下降の反転を期待した逆張りエントリーを狙うのが基本となります。

ですが、「買われすぎになったから売りエントリー」「売られすぎになったから買いエントリー」と、ただ闇雲に逆張り売買を続けていても勝てるようになりません。

相場には、「上位足の方向性」というものが必ず存在します。

上位足とは、5分足トレーダーにとっての1時間足や4時間足のことで、実際にエントリータイミングを計る時間足よりも長期の時間足で、上昇と下降のどちらに流れが向いているのかをエントリー前に確認しておく必要があります。

従って、たとえ有利な買いシグナルが5分足のRCIから出ていたとしても、4時間足で見て下降トレンドを形成中であれば5分足での買いエントリーは見送ることが鉄則です。

 もしも、長期の目線を気にせず無作為にRCIの売買シグナルを信用してしまうと、何度もだましに合ってしまいますので気を付けましょう。

コツとしては、長期の時間足から先にチャート分析するようにして、自分のエントリーするべき方向を予め上下どちらかに絞り込んでおくとよいですね。

RCIを利用したおすすめトレード手法

ここで学ぶ内容は、どれも上位足の方向を意識することで勝率を高めるエントリー手法となっています。ですので、これから解説していく手法については、「上位足の方向性の読み方」を学ぶつもりで読み進めるようにしましょう。

RCIとトレンドライン・水平線を組み合わせたトレンドフォロー手法

前章で説明したように、RCIの売買シグナルを無作為に利用していてはだましに何度も遭遇してしまうので、 「上位足の方向」に沿ってシグナルの選別 をする必要があります。

まずは、相場の環境認識方法として最も基本的なトレンドラインや水平線の考え方を、RCIに組み込んだエントリー手法について解説します。

RCIに組み込んだエントリー手法

こちらは、サポート/レジスタンスとしてしっかりと機能している水平線と、RCIの売買シグナルを組み合わせた手法を解説したものです。

上図のように、過去にサポート/レジスタンスとして価格の反発が何度も起こっている水平線が引けた場合に、RCIの売買シグナルが、「反発方向」「タイミング」の共に重なる瞬間を狙うことで、最も反転しやすく利幅も伸びやすい最適なエントリーポイントになります。

今回の例では、価格が下に抜けた後に水平線付近まで戻ってきて再度下方向に「サポート→レジスタンス」へとサポレジ転換が起こるタイミングと、RCI9期間の売りシグナルが重なったところが絶好の売りポイントとなっています。

トモヒロ
ちなみに、RCIの中期・長期については、エントリータイミングとして利用するよりも利確の判断材料にした方が勝率・値幅共に有利に働きます。

RCIに組み込んだエントリー手法

水平線の時と同じように、過去に意識されサポート/レジスタンスとして機能しているトレンドラインが引けた場合には、RCIの売買シグナルが「方向」「タイミング」共にトレンドラインの反発と一致した瞬間が、最も有利なエントリーポイントとなります。

上図では、上昇のトレンドラインが綺麗に引けているので、次に価格がトレンドラインに近づいた際に同時に発生するRCI9期間の買いシグナルが、もっとも勝率の高いシグナルとなっていますね。

ここでも、RCIの中期26と長期52の2本については、エントリータイミングとして利用するよりも利確の判断材料とした方が勝率・値幅共に有利に働きます。

 ただし、水平線やトレンドラインは短期間に何度も反発しすぎると、信頼性が下がり抜かれる可能性が高くなるので、同じラインでの反発を深追いすることはできるだけ避けましょう。

移動平均線を利用した長期目線に沿ったトレンドフォロー手法

RCIの最大の弱点は 「トレンドの方向性」を読み取ることができない ことです。先述したように、トレードで勝ち続けるためには上位足のトレンド方向を読み取ることは必須条件です。

しかし、RCIは相場における買いと売りの過熱感から最適なエントリータイミングは計れますが、最適な方向を計ることはできません。

故に、3本の移動平均線を利用して短期・中期・長期のトレンド方向を確認することが、最も勝率の高いRCIエントリー手法に繋がるのです。

移動平均線を利用した長期目線に沿ったトレンドフォロー手法

上図のように、移動平均線が上から順番に長期・中期・短期となっていて下降トレンド発生中であれば、RCI9期間の売りシグナルの勝率が格段に上がります。

反対に、移動平均線が下から順番に長期・中期・短期となり上昇トレンド発生中であれば、RCI9期間の買いシグナルが勝率の高いエントリーになります。

このように、RCIと移動平均線を組み合わせれば、中期・長期のトレンド方向に沿ってRCIの売買シグナルを簡単に選別できるようになります。

ここでも、中期・長期のRCIはエントリータイミングとして利用せずに利確の判断材料にしましょう。

注意
価格が移動平均線を何度も抜けてくるようになると、トレンド終了の合図になるので、トレンド方向に沿ったRCI売買シグナルでもだましが増えて来るので注意しましょう。

RCのI中期・長期二重天井(二重底)における短期売買シグナルについて

前項2つの手法以外にも、RCIの中期・長期2つの線が天底に貼り付いているとき(二重天井・二重底)に発生する短期の売買シグナルが、最も勝率の高い手法とされています。

しかし、この手法は使い方によっては危険ですので、当記事では初心者向けの手法としてオススメしていません。

RCのI中期・長期二重天井(二重底)における短期売買シグナル

二重天井とは、上図の赤枠で囲った所のように、2本のRCIが天井を推移している状態を言います。これとは反対に、2本のRCIが底を推移している状態を二重底と呼びます。

そして、この時に発生するRCI9期間の売買シグナルが最も勝利が高いとネット上では噂されています。

ですが、この手法を利用する際には以下2つの注意点をしっかりと理解ていなければ、むしろ大損してしまう手法となります。

  1. 理論通り綺麗にはまる瞬間はめったに訪れない
  2. 高値掴み/安値掴みになりやすく損切の際にコツコツドカンになりやすい

従って、上図の青で囲った所のように微妙な二重天井(または二重底)の場合にエントリーするのかしないのか、あらかじめ 自分のルール を作っておく必要があります。

また、高値掴み/安値掴みになったときのために、損切ルールをどのようにするのかも事前に決めてから利用しましょう。

補足
そもそもRCIの26期間や52期間が天底に張り付くということは、本来であればRCIが中期・長期で買われすぎ/売られすぎを示すことになります。
つまり、二重天井や二重底は中期・長期の価格の反転がいつ起こってもおかしくない時期といえるので、この手法がオシレーターの基本に反した危険な手法であることが分かりますね。

また、ネット上では中期・長期のRCIは中期・長期のトレンドの方向を示すと言われていますが、これは間違った情報が一人歩きしたものです。

移動平均線とRCIの性質を混同してしまわないように気を付けましょう。

RCIを使ったスキャルピングでの売買タイミングとは?

スキャルピングでは、扱う時間軸が短いので狙える値幅も小さくなることから、エントリーから利確/損切までを即断即決で行うことが基本です。

もちろん、十分な根拠も無く闇雲に早期エントリーをしても勝てませんので、トレンドの方向に逆らわずに1分足や5分足でのRCI9の期間シグナルを狙っていきます。

また、スキャルピングでは扱う時間足が短くなることから、RCI9期間でのシグナルだましが格段に増えてしまいます。従って、これまで説明してきた±70%の基準ラインではノイズが多すぎるので、 ±80% まで売買シグナルの基準を引き上げた方がだましに合いにくくなります。

RCIの設定値や設定方法について詳しく知りたい方はこちらの関連記事をご覧ください。

更に、スキャルピングはポジション保有時間を短くするのが鉄則なので、利確についても 短期RCI を基準に行ったほうが勝率を維持できます。

RCIと他のインジケーターを組み合わせたスキャルピング手法

RCIと他のインジケーターを組み合わせたスキャルピング手法

こちらは、RCIとRSIを組み合わせたエントリー手法を説明した図です。

RCIは3本表示にすると情報量が多すぎて初心者には難易度が高くなりすぎるので、9期間1本のみを表示させます。またRSIは基本の14期間で表示させます。

考え方としては、RSIの70%/30%の売買シグナルとRCIの±80%の売買シグナルが重なるポイントのみに、エントリーを絞り込むようにします。

今回の例では、RSIが30%を上抜けする買いシグナルと、RCIが-80%を上抜けするシグナルが重なったところで買いエントリーをしていますね。

RSIについて詳しく知りたい方は、こちらの関連記事をご覧ください。

RCIとMACDを組み合わせたエントリー手法

続いて、こちらはRCIとMACDを組み合わせたエントリー手法を説明した図です。RCIは9期間1本のみの表示にして、MACDも基本の12EMA/26EMA/シグナル9で表示させます。

この手法の考え方としては、MACDでエントリーの方向を絞ってRCIで売買タイミングを取るようにします。

今回の例では、MACDが下に乖離した時にRCIの買いシグナルが出た場合は買いエントリーし、反対にMACDが上に乖離した時にRCIの売りシグナルが出た場合には売りエントリーします。

従って、たとえRCIが買いシグナルを出していてもMACDが明確に下に乖離していなければ、RCIの買いシグナルはだましと考えてエントリーを見送るようにします。

トモヒロ
ちなみに、ここではエントリーのスピードを重視しているため、MACDのシグナル線は利用していません。

MACDの利用方法についてもっと詳しく知りたい方は、こちらの関連記事をご覧ください。

まとめ

RCIで勝率を高める方法は、簡単に言うとただ一つ「長期のトレンドに沿ったエントリー」をすることです。

RCIはFXや株式、仮想通貨など様々な金融市場で利用可能なテクニカル指標ですが、初心者が利用する場合にはどの金融市場でもスキャルピングではなく中期・長期のトレードから始めることをオススメします。

だんだんと慣れてきて勝ち方が分かってきたところで、スキャルピングなど様々な手法に応用していきいましょう。

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