RCIの使い方とネットで検索すると、勝率が高いとされる手法が簡単に手に入ります。
しかし、実はその殆どは間違った情報が独り歩きしたものなので、そのまま実践していても勝てるようになりません。
FXトレードにおけるRCIの基本的なコンセプトを解説
初心者がFXや株のトレードで勝ち続けるためには、テクニカル分析を習得することは必須条件です。
そもそもテクニカル分析とは、チャート上に水平線やトレンドラインを引いたり、移動平均線やRCIなどのテクニカル指標を表示することで、これから売買が集中するであろうポイントを割り出すことを言います。
例えば、もしもこれから買いが集中するであろうポイントが分かれば、そこに便乗して買いを入れることで価格の上昇分だけ差益が生まれます。
RCIとは相場における何を示すのか?基礎知識を解説
RCIとは、相場における一定期間中の上昇と下降の勢いを、-100~100%の数値で表したものです。
トレード相場というのは、買いが優勢の期間と売りが優勢の期間が常に入れ替わるように形成されるので、チャート上の価格は常に上がったり下がったりを繰り返しています。
そして、価格が上昇しすぎた(買われすぎた)相場が下降へと方向転換する瞬間や、価格が下降しすぎた(売られすぎた)相場が上昇へと方向転換する瞬間が、トレードにおける 最も優位性の高い売買ポイント となります。
つまり、RCIが70%を上回ると「買われすぎ」なのでそろそろ売り方向へと勢いが転じやすい「売りポイント」となります。反対に、RCIが-70%を下回ると「売られすぎ」なのでそろそろ買い方向へと勢いが転じやすい「買いポイント」となります。
RCIの計算式はどうなっているのか?仕組みを分かりやすく解説
では次に、RCIの仕組みについて解説していきましょう。
正直なところ、RCIの仕組みを知らなくても勝てるトレードは可能です。ですが、原理を知っているのと知らないのとでは今後のトレードスキルの上達速度が大きく変わってきますので、余裕がある方は是非しっかりと読み込んでくださいね。
RCIは、任意で定めた期間中においてローソク足の終値基準で価格の高いものから順位を設け、その順位を元に上昇率を割り出しています。
例えば、RCIの期間設定を9にした場合は、上図のようにローソク足9本を終値基準で順位付けしていきます。
そして、ローソク足の順位を利用して以下の計算式に当てはめることで、実際のチャートに表示される%数値が算出されます。
この計算式自体も大変ややこしいので、もう少し詳しく説明しますね。
1本目のローソク足の終値順位は9位なので、d=「ローソク足の順番 - 価格の順位」=「1 - 9 = -8」、これを2乗なので 「 -8 × -8 = 64」となり、1本目のローソク足では「d² = 64」となります。
2本目のローソク足では、d=「ローソク足の順番 - 価格の順位」=「2 - 7 = -5」、これを2乗なので 「 -5 × -5 = 25」となり、2本目のローソク足では「d² = 25」となります。
このようにして n 期間分(この例ではローソク足9本分)の d² の数値を取っていき、その合計値を上の計算式「 d²のn期間合計 」として代入します。そして、RCIの期間設定値(この例ではn=9)を「n³ - n」に代入することでRCIの数値が算出されます。
RCIはどう使うのか?使い方の基本から解説
RCIはオシレーター系と呼ばれるインジケーターの種類に属しています。
オシレーターとは、「買いが強い→売りが強い→買いが強い→売りが強い→買いが強い・・・」とひたすら強弱の反転を繰り返している相場に対して、その力関係の移り変わりを 振り子 のように教えてくれるものです。
つまり、RCIなどのオシレーター系インジケーターは、強弱が入れ替わる瞬間を見つけて逆張りを狙うのに適した指標なのです。
それでは、RCIを利用する目的が明確になった所で、もっと具体的な売買タイミングの取り方(売買シグナル)についても説明しましょう。
RCIが70%を上抜き、その後70%を下抜いた瞬間が売りのタイミングとなります。反対に、RCIが-70%を下抜き、その後-70%を上抜いた瞬間が買いのタイミングです。
また、RCIが明確に±70%を抜かずにタッチで切り返したタイミングでも、比較的有利なエントリーポイントとなります。
FXトレードで最適にRCIを設定してチャートで使う方法を解説
では次に、RCIの最も使いやすく機能しやすい最適設定と、実際にMT4でRCIを表示させる方法について解説していきます。併せて、冒頭でお話しした RCIの間違った手法 についてもここで解説しますので、既にRCIを使用しているのに全然勝てないという方は是非チェックしてくださいね。
RCIの最適設定とは何か?
始めにこれを言ってしまうと身も蓋もないことですが、実はRCIには明確な最適設定値がありません。なぜなら、RCIはいつ誰がどのような意図で考案したのすら不明で、人気になり始めたのも日本国内におけるここ数年のことだからです。
故に、「RCIは3本表示が最も勝率が高い」「RCIは複数本表示させても意味が無い」などと意見が大幅に食い違っていたり、現在でも様々な期間設定値が各所でオススメされているのです。
ですが、ここ最近は「9」「26」「52」の期間設定で3本表示させる手法が定着しているようで、この3本のRCIは 「短期」「中期」「長期」 と表現されることもあります。ただし、これらが中期や長期のトレンドの方向を示すことはありませんので、中期・長期の移動平均線と混同しないよう注意してくださいね。
またこれについては、後程「間違ったRCI手法」として詳しく解説します。
MT4におけるRCIの設定方法
続いて、国内外のトレーダーから多く利用させているプラットフォーム MT4 を利用して、RCIを表示させる方法を解説します。
実は、現在のMT4にはRCIが標準装備されておりませんので、環境によっては導入までひと手間かかる場合もあります。ですが、FX業者によっては、自社用のMT4をリリースする際にカスタムインジケーターとしてRCIを入れてくれている場合もあります。
ちなみに、国内業者でMT4が使えることで人気のFXTFでは カスタムでRCIが導入 されています。
こちらが、FXTFを例にしたMT4でのRCI表示方法ですが、パッチを使用して導入した場合もこれと似たような作業になるはずですので安心して下さい。
まずは、MT4の左上の☆マークをクリックしてナビゲーター欄を表示させます。次に、その中にある「FXTF RCI」を右側のチャート上にドラッグ&ドロップすると、RCIの設定ウィンドウが表示されます。
設定ウィンドウが表示されたら、まずは「全般」タブを開き、下限設定を-1.0に、上限設定を1.0にします。
今度は、「パラメーターの入力」タブを開きrangeNの値を任意の期間設定値に変更します。今回はRCI9、26、52の3本を表示しますので、ここでは 1本目の9を入力 します。
最後に、「レベル表示」タブを開き、追加をクリックして「0.7」と「-0.7」を追加します。これは、RCIの±70%のラインを表示する設定ですので、もしも±80%のラインにしたい場合は0.8と-0.8を追加します。
また、3本表示するにあたって色分けもしておくと便利なので、左隣のタブ「色の設定」でそれぞれ好きな色に変えておきましょう。
2本目・3本目の表示をする場合は、上図のように、すでに表示されているRCIの枠の中にドラッグ&ドロップします。
すると、先ほどと同じ設定ウィンドウが表示されるので、期間設定を26と52に設定すると1つの枠内に3種類のRCIが同時に表示されるようになります。
ネット上に出回っているRCIの間違った手法とは?
さて、ここからはRCIの間違った手法についての解説に入りますが、具体的に間違った手法とは以下の3つです。
- RCI26期間・52期間の傾きから中期・長期のトレンド方向を計る
- RCIを複数本表示させクロスでエントリーする
- RCIの2重底/2重天井での9期間トリガーは勝率が高い
ここで再度、RCIの基本を思い出してみましょう。
RCIとは、相場における一定期間中の「上昇と下降の勢いを数値化」したものです。言い換えると、RCIとは「振り子のように相場の強弱の入れ替わりを示すだけ」の単純な指標です。
それでは、こちらのチャートをご覧下さい。上図の赤枠内を見ると、RCIの中期や長期が上向きに推移しているのに対して、実際の価格は中期や長期の上昇トレンドが発生しているようには見えませんよね?
むしろ、下降トレンド中の一時的なレンジや上昇調整といえるので、再度下降が始まる起点を探して売りエントリーを狙う局面のはずです。
つまり、RCIの期間設定を長期にしたところで「振り子の揺れが緩やかになるだけ」であり、「強弱を示す」という元々の性質が変化してトレンドを示すようになることはありません。
また、このようにRCIと移動平均線の性質の違いが混同されてしまった結果、RCIの短期と中期のクロスが最適なエントリーポイントという間違った手法が生まれてしまったのだと思います。
移動平均線のゴールデンクロス・デッドクロスには優位性が存在しますが、RCIのクロスに関しては有利となる根拠は何もありません。
また、中期・長期RCIが天井に張り付く「2重天井」の状態での短期RCIの買いシグナルも勝率が高いと言われておりますが、実は初心者が安易に真似すると大変危険な手法です。
そもそも、この図の赤枠ような綺麗な2重天井(又は二重底)が発生する局面になど、なかなか出くわしません。しかも、「買いが強すぎる範囲」に中期・長期RCIが張り付いている状態で買いエントリーをするのは、いつ終わるかも知れない急激な上昇中に安易に順張りすることと同じです。
RCIを活用したFXトレードで勝率アップする手法を解説
それでは最後に、本当に優位性の高いRCIの活用方法を3つご紹介しましょう。
この3つはRCIを利用したシンプルな逆張りですが、長期トレンドの流れに沿って「押し目」や「戻り」を捉えることができるので、初心者でも勝ちやすい手法となっています。
是非最後まで読み込んで、何度も反復練習して習得してくださいね。
トレンドラインを併用してRCIで勝率アップ
RCIで最も初心者にオススメの使い方が、純粋なトレンドフォローを目的とした手法です。
上図のように、上げの起点に対して綺麗なトレンドラインが引ける相場になった時、RCIの9期間が-70%を上抜ける買いシグナルとトレンドラインでのサポートが重なった瞬間だけを狙うようにします。
そうすることで、トレンドの方向に逆らわずにいい所まで価格が下がった瞬間の、「次に上がる起点」で押し目買いができます。
この場合、RCI26期間と52期間をエントリーに利用することありません。ただし、利確の目安として活用することはできるので、逆行のリスクを取って値幅を伸ばしたい場合は中期・長期RCIも活用しましょう。
ちなみに、下降トレンド中でも全く反対のやり方で有利なエントリーが可能となります。
水平線を併用してRCIで勝率アップ
続いて、初心者が一番最初に通る基本トレード「水平線」を活用しつつ、RCI9期間の売買シグナルでエントリーしていく手法をご紹介します。こちらも、トレンドの方向に沿って押し目や戻りを狙っているので、 初心者でも安全かつ値幅を伸ばしやすい手法 となっています。
まずは、サポートとレジスタンスが明確に機能する水平線を引けることが条件です。上図のように、綺麗にサポート/レジスタンスとして機能する水平線が引けた時、そのラインでの反発方向とRCI9期間のシグナルが一致すれば、非常に有利なエントリーポイントとなります。
移動平均線と組み合わせてRCIで勝率アップ
最後に、RCIと移動平均線の組み合わせ手法を解説します。
この手法も、これまでと同じようにトレンドの方向に沿ったRCI9期間の売買シグナルだけを狙っていくものになります。
トレンドの見極め方は、上図のように上から順に長期・中期・短期と移動平均線が推移し始めることで、下降トレンド発生を認識します。反対に、下から順に長期・中期・短期と移動平均線が推移するようになれば上昇トレンドとなります。
そして、移動平均線でトレンドの方向が明確に確認できるようになったところで、それに沿った方向でRCI9期間の売買シグナルを利用します。
まとめ
さて、今回の記事ではRCIの本質的なところまで詳しく解説しましたので、ここまで読み進めるだけでも大変だったかと思います。
ですが、何度も読み込むことで勝てるトレーダーの視点が必ずインストールされますので、諦めずに何度も復習してくださいね。
余談ですが、現在ネット上ではキーワード検索を少しするだけで欲しい情報が簡単に手に入ります。しかし、検索で上位に上がる情報とは、必ずしも「正しいから」自然と上位に上がるのではなく、「アクセス数が増える情報だから(お金になる情報だから)」検索ページの上位に表示されるのです。
このようなネット検索の裏の仕組みをしっかりと理解して、本質的に正しい情報だけを選んでいけるように心がけましょう。