RCIで逆張りを攻略!FXトレードの幅を広げるチャート上の手法とは?

FXではトレンドの流れに沿った取引である『順張り』と、市場の流れに逆らった『逆張り』という取引方法があります。

初心者には順張り、取引に慣れているトレーダーにはトレードの幅を広げるため逆張りが良いと言われますが、逆張りには大きなリスクもあります。

トモヒロ
この記事では RCIを使った逆張りの手法 について解説します。

RCIの基本的な見方と使い方

有名なRSIと似ていますが、RCIは『順位相関指数』を意味し、一定期間内の日付と価格に順位を付けたうえで2種類の順位の間の相関によって市場を分析するテクニカル指標です。

RCIは-100%から+100%の間で表され、市場の買われすぎや売られすぎを視覚的に判断できるインジケーターとして人気です。

FX初心者の方でも比較的簡単に利用できるという点も魅力の一つです。基本的な見方は、RCIが+80%を超えた時点で市場を買われすぎと判断し『売り』、-80%を下回った場合には市場を売られすぎと判断し『買い』と考えます。

RCIの基本的な見方と使い方

こちらのチャートの赤い丸の部分ではRCIが80%のラインを超えているので市場は買われすぎであると考えられます。

実際にローソク足を見ていくと、その後価格は下落しています。一方青い丸の部分ではRCIが-80%を下回っているので市場は売られすぎと判断できます。こちらもやはりその後価格が上昇していますね。

市場の流れとは異なるポジションを取るため、この取引方法は『 逆張り 』です。

トモヒロ
RCIはオシレーター系のインジケーターであるため、逆張りで利益を上げることが可能となります。

しかし一般的なオシレーター系のインジケーターとは異なり、RCIは順張りでも利益を上げられるという特徴があります。

POINT
ポイントとなるのはRCIが-100%から+100%の間で推移するという点です。つまりRCIがプラス圏内にあれば上昇トレンド、マイナス圏内にあれば下降トレンドの傾向があるということになります。一方レンジ相場になるとRCIは0%付近を推移します。

したがってマイナス圏内にあったRCIが0%を超えてプラス圏内に突入した場合には、上昇トレンドの発生と見て『買い』ポジションを取ることができます。

逆にRCIがプラス圏内から0%を超えてマイナス圏内に入ったら下降トレンドが発生しているサインと考えられます。

RCIプラス圏内からマイナス圏内に突入

この図の赤いRCIのラインに注目すると、赤い丸の部分でプラス圏内からマイナス圏内に突入しています。実際チャートは下降トレンドになっていることがわかります。

一方で青い丸の部分では、逆にRCIがマイナス圏内からプラス圏内に移行しており、上昇トレンドが発生していると考えられます。赤いRCIのラインは分析する期間を長くした長期線であるためややタイムラグがありますが、順張りで用いることも可能なのです。

さらにRCIのパラメーター値を変えて 短期線、中期線、長期線 という3本のラインを使った分析方法もあります。

RCI売りサイン買いサイン

この図の売りサインの場所では、青い短期線が黄色の中期線を上から下に突き抜けています。これはトレンドが転換するサインで、強い売りのシグナルとなります。

逆に買いサインの部分では短期線が中期線を下から上へ突き抜けています。これは下降トレンドから上昇トレンドへの転換を示唆する動きなので、強い買いシグナルと考えられます。

トモヒロ
RCIには多くの活用方法があるため、多くのトレーダーから人気を集めているのです。

RCIは逆張りと順張りどちらが良い?

ではRCIを使う場合、逆張りと順張りのどちらがよいのでしょうか。RCIは順張りにも逆張りにも用いることができますが、現在の相場の動きによって用いるべき手法が変わります。

ではトレンド相場とレンジ相場それぞれのトレード手法について見ていきましょう。

トレンド相場では順張り

まずトレンド相場ではRCIでの順張りがお勧めです。トレンド相場ではRCIでエントリーのタイミングがつかみやすく、価格が上昇もしくは下降し続けることが多くなります。

そのため初心者の方でもRCIを使って比較的簡単にトレードを成功させることができるでしょう。

たとえば上昇トレンドが発生すると、日付の順位と価格の順位との間に正の相関が生まれるので、RCIが100%近くを推移することになります。とくにマイナス圏内からプラス圏内にRCIが移行した場合には上昇トレンドが発生している可能性が高いといえるでしょう。

ここで買いポジションを取れば、そのまま価格が上昇し続けて利益を上げられることになります。

さらにトレンド相場でRCIを使えば『押し目買い』や『戻り売り』による利益を得られる可能性もあります。

押し目とは上昇トレンド発生しているケースで、多くのトレーダーが利益確定のために売り注文を出す際に発生する一時的な値下がりのことです。押し目を見極めれば、安い価格で買いポジションを取ることができ、その後の価格の上昇でより大きな利幅を得られます。

戻り売りも同様に、下降トレンドが発生している際に発生する一時的な値上がりです。こちらも複数のインジケーターを用いた2本、もしくは3本のRCIを用いてエントリーのタイミングを見極めることができます。

レンジ相場では逆張りが有効

一方レンジ相場ではRCIでの逆張りがお勧めです。そもそもRCIはオシレーター系のインジケーターであり、レンジ相場にも強いテクニカル指標です。

レンジ相場では明確なトレンドがなく、RCIを使って市場の過熱状況を把握することが需要となります。頻繁に価格が上下するレンジ相場では、RCIによってエントリーのタイミングを図ることが非常に重要となるのです。

RCIを逆張りで利用する具体的な手法

RCIは順張りでも逆張りでも利用できる非常に便利なインジケーターです。では具体的にどのようにRCIを逆張りに利用することができるのでしょうか。具体的な手法について見ていきましょう。

RCIを逆張りで利用する方法は主にレンジ相場における 「買われ過ぎ」「売られ過ぎ」からの逆張り手法 です。

レンジ相場における逆張り戦略

RCIの逆張りでもっとも基本となるのは、レンジ相場における逆張りです。レンジ相場では明確な上昇トレンドや下降トレンドが発生していないので、チャートを見ているだけでは市場の過熱状況が分からず、エントリーのタイミングを見極めるのは難しくなります。

しかしRCIを使えば初心者の方であっても買いや売りのシグナルを比較的簡単に見極めることができるでしょう。

RCIが+80%から+100%に入ったなら市場は買われすぎ、-80%から-100%になったなら市場は売られすぎということになります。

レンジ相場における逆張り戦略

赤い丸の部分ではRCIが+80%を超えており、青い丸の部分では-80%を下回っています。チャートを見ると明確なトレンドは発生していませんが、赤い丸の部分で『売り』ポジション、青い丸の部分で『買い』ポジションを取って逆張りの取引を行うことができます。

実際赤い丸の直後に価格は下落し、青い丸の直後には価格が上昇しています。

もう少し様子を見てからエントリーしたいという場合には、RCIが+80%を超えてから反転し、再度+80%のラインに触れた時に『売り』、-80%を下回ってから上昇に転じて再度-80%のラインに達したら『買い』という手もあります。

こうして1本のRCIを利用するだけでも逆張りで利益を上げることは可能です。

 しかし1本のRCIだけを見て分析を行うと、市場の動きと実際の価格変動が異なる『ダマシ』に遭う確率も高くなります。ダマシに遭うと思わぬ損失を被る恐れもあるので注意が必要です。

複数のRCIを用いた逆張り

1 本のRCIを使って分析を行うとダマシに遭う確率が高くなります。それを避けるための方法は、 複数本のRCI を用いることです。

2本もしくは3本のRCIを用いることで、より確度の高い分析を行うことが可能となります。

短期線、中期線、長期線を用いた手法についても考えましょう。RCIはパラメーターの設定を変更することで計算する期間を変えることができます。

一般的にRCIのパラメーター値は短期線で9、中期線で26、長期線で52とされています。ただしトレーダーの中には、自分の経験値からより分析しやすい、もしくは利益を上げやすいパラメーターを設定している人もいます。

トモヒロ
最初は 9、26、52 の設定で、慣れてくるにしたがって徐々にパラメーターを変更するのもよいでしょう。

複数のRCIを用いれば、逆張りの取引を成功させられる確率は高くなります。とくに3本のラインを用いると、長期的な市場の流れとともに直近の値動きも把握できます。

たとえば3本のラインがすべて-100%付近を推移する『三重底』のケースを考えましょう。

RCI『三重底』のケース

チャートは下降トレンド、白い四角の部分では青の短期線、黄色の中期線、赤の長期線すべてが-100%付近を推移しています。これが『三重底』の状態です。

しかしそこから青の短期線だけが一気に+80%まで上昇しています。全体としては下降トレンドにあるものの、短期的に見て価格が上昇するサインと見ることができます。したがって 逆張りの『買い』のタイミング となります。

逆に3本のRCIがすべて+80%から+100%の間を推移する『三重天井』の状態から、短期線だけが一気に底値圏に落ちた場合には『売り』のサインと考えられます。

ゴールデンクロスとデッドクロスを用いた逆張り

加えてトレンドの転換を予測して逆張りを行う手法もあります。それが『ゴールデンクロス』と『デッドクロス』です。

ゴールデンクロス(買いシグナル)

下降トレンドが発生している時、短期線が中期線を下から上へ突き抜けた場合には『ゴールデンクロス』、つまり強い『買い』のサインと見ることができます。これは中期線が長期線を下から上へ突き抜けた場合も同様です。

デッドクロス(売りシグナル)

一方上昇トレンドが発生している時に短期線が中期線を上から下に突き抜けた場合には『デッドクロス』、強い『売り』のサインと考えられます。

トモヒロ
現在発生しているトレンドが転換することを示す現象なので、RCIを用いた逆張りが効果的な場面です。

RCIを他のインジケーターと組み合わせて逆張りしよう

RCIはオシレーター系のインジケーターとして人気ですが、RCIだけを見て取引していると思わぬ失敗をしてしまう恐れがあります。『ダマシ』が発生することもあれば、強いトレンドが発生している時には売買のシグナルがあまり出て来なくなることもあります。

そこで、逆張りに効果的な他のインジケーターを併用するのがベストです。

RCIと相性の良いインジケーターとしてはボリンジャーバンド一目均衡表が挙げられます。ではそれぞれどのような相互作用があるのか解説します。

RCI とボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは移動平均線と標準偏差σ(シグマ)で構成されたバンドのことで、トレンド系のインジケーターです。

±1σ、±2σ、±3σと6本のラインが用いられており、チャートが±3σに触れると反発することが多いという特徴があります。この特性を利用して、RCIの勝率を高めることができるのです。

RCIだけではダマシに遭う可能性もありますがボリンジャーバンドを併用することで、逆張りで利益を上げられる可能性をより細かく分析することができるでしょう。

RCI と一目均衡表

世界中のトレーダーがRCIと組み合わせている別のテクニカル指標は一目均衡表です。

ボリンジャーバンドと同様、こちらもトレンド系のインジケーターで、現在どのようなトレンドが発生しているのか、あるいはトレンドが発生していないレンジ相場なのかを見極める助けになります。

トモヒロ
トレンドの状況を把握しつつ、RCIで逆張りを行うことでより正確な分析が行えるのです。

まとめ

RCIは順張りでも逆張りでも用いることができますが、他のインジケーターを併用することでより利幅の大きな逆張りを成功させられる可能性が高くなります。

トレーダーとして逆張りの手法を覚えておくとトレードの幅が大きく広がるので、ぜひ RCIによる逆張り にもチャレンジしてみましょう。

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