FXや株のチャート分析で、一目均衡表はよく使われています。視覚的に相場状況を瞬時に分析することができるので、非常に人気のあるインジケーターです。
FXチャートの時間足とは
一目均衡表は日本人が作ったテクニカル分析手法であり、現在と過去のみならず、未来の数値も計算によって導きだしチャートに示します。
今や一目均衡表は日本のみならず、「Ichimoku Kinko Hyo」などと呼んで世界中のトレーダーが使っています。
一目均衡表の開発者は、相場は日柄によって支配されていると考えていたので、時間足は日足を使うべきと言っていますが、5分足や週足などの他の時間足でも使用可能です。
一目均衡表は5本のラインで構成されており、トレード手法に応じて使う足を変えていきます。
構成するラインは、基準線、転換線、先行スパン1、先行スパン2、遅行線の5つです。
FXのチャートの 時間足 は、ローソク足1本で何分を描くのかということを表します。1分足ならば、ローソク足1本で1分のチャートの値動きを表すこととなり、1分間の値動きの中での高値や安値を示します。
時間足は1分足のみならず、週足や月足などと、週間や月間の中の値動きを表すローソク足もあります。
チャートを分析するときには時間足を使う方が多いですが、一目均衡表の中でも制作者は日足を使うべきだと言っており、日足ならば1日の中での値動きを1つのローソク足で表します。
時間足は、トレードスタイルによってどれを使うか使い分けましょう。
どれを使わなければいけないという決まりはなく、トレーダーが自由にどの時間足を使うか決められます。
しかし、チャートの値動きを予想するには、自分のトレードスタイルにあわせて時間足も適したのを使うと、値動きを予想しやすく、売買もしやすいです。
時間足と値幅の関係
例えば、パソコンやスマートフォンで見るような地図でも、縮尺により同じ長さでも距離が違います。
同じ距離でも拡大すれば距離が短くなり、縮小すれば距離が長くなります。つまりは、地図の同じ1cmでも、 縮尺が違えば距離が変わってくる のです。
地図を使うときは、目的に応じて拡大または縮小をするでしょう。
詳しく地図を見たいときは拡大し、広い範囲を見たいときは縮小します。つまりは、目的に応じて地図を拡大または縮小して使います。
例えば、チャートの上下の一定の幅の値動きを見るとします。そのときに、同じ幅の値動きでも、5分足と週足では値幅が違うのです。
一例として日足ならば上下の値幅は10pipsであるのに対し、週足ならば2,600pipsのような場合もあります。
チャートでローソク足を使い売買の参考にするならば、時間足ごとに同じ上限の長さでも値幅が違うことを知っておきましょう。
その上で時間足ごとの値幅の動きに慣れておきます。
チャートの動きは選んだ時間足によって違いがある
5分足や1日足など、時間足は様々です。相場の流れを見ると、例えば5分足では上昇トレンドを示しているのに、1日足ではレンジ相場になっているような場合もあります。
時間足によって 相場環境 は違います。なぜ相場環境が違うのかと言うと、チャートが確定されるまでの時間が違うからです。
これはローソク足を使って表示する場合も、時間足によって相場環境は変化します。
一目均衡表で時間足を活用するならば、選んだ足によってチャートの動きが変化します。つまりは、自分のトレードスタイルにあわせて、時間足を選ばないとなりません。
長い時間足は、短い時間足を支配しているので、短い時間足は長い時間足には逆らえません。
チャートの足とトレードの形について
FXの時間足は、1分足、5分足、1時間足、4時間足、日足、週足、月足などがあります。どのようなトレードの手法を使うかで、選ぶ足は違いが出てきます。
トレードスタイルと時間足の関係は以下の通りです。
- 1分足、5分足 : スキャルピング
- 1時間足 : デイトレード
- 4時間足、日足 : スイングトレード
売買の間隔 が短いほど、使う時間足は短くなります。
スキャルピングトレードを行うのに、日足を使っていては、数秒や数分の値動きが分からず、チャートでは役に立ちません。
逆にスイングトレードを行うのに、1分足を使っていては、1週間や1ヶ月などの長期的な値動きが見えず、どこで売買を行うべきか予測が立てられないです。
相場の未来の動きを予想するために、そしてエントリーポイントを見極めるために、複数の時間足を見てチャートを分析します。
この複数の時間足でチャートを分析することを、 マルチタイムフレーム分析 と言います。
複数足チャートの見方(マルチタイムフレーム分析)
時間足でどこをポイントとして見ればよいかわかっていないと、トレードに一貫性がなく、売買をどこで行うかわからなくなります。
例えば1時間足では上昇トレンドなのに、日足を見るとレンジ相場になっているような場合は、どのトレンドの流れに乗って売買すればいいか迷いでしょう。
複数の時間足を見るときの要点となる部分は、以下の通りです。
基本となる時間足を決める
複数の時間足を使うのがトレードでのポイントは、 どの足を基準にするか 決めると、軸ができます。
先にも説明の通り短い間隔の売買だと短い時間の時間足であり、長い間隔での売買だと長い時間の時間足を基本とします。その上で上位となる時間足を下位となる時間足を設定します。
上位足と下位足の関係
上位足と下位足には、チャートの流れを決める関係があります。上位足は下位足を支配し、上位足の流れには逆らってはいけません。
上位足と下位足両方でトレンドが発生するときは、上位足のトレンドが継続する可能性が高いです。言い換えれば、上位足の流れが強いです。
これは、時間足が長いほど注目するトレーダーが増えて、上位足は下位足の集まりで構成されているためです。
相場に影響を与える大口トレーダーは、日足よりも長い時間の足を見ることが多いために、 上位足 に注目が集まります。
チャートを分析しやすい時間足を活用すると、ダマシが少なく利益を出しやすいために、大口トレーダーは長い時間足を使って売買します。
どのようなトレードスタイルでも、時間の長い時間足は確認します。長い時間足は短い時間足を支配しているために、時間の短い足だけを見てFXで売買すると、ダマシにハマり、チャートの流れを見失います。
上位足と下位足の使い方
上位足と下位足の関係がわかれば、これらの足の使い方も見えてきます。
- 上位足を見る目的は、相場の流れを判断することです。
上昇トレンドか下降トレンドか、それともレンジ相場になっているのかということを、長い時間足で確認します。その上で、どのようなトレードをするのか戦略を決める参考にします。
- 下位足はエントリーポイントを見つけるために使います。
長い時間足ではわかりにくいサポートラインも、短い時間足だとわかります。売買に使えそうなポイントを、下位足で見つけます。
一度使うと決めた時間足とテクニカル分析ならば、その組み合わせは頻繁には変えないようにしましょう。
一目均衡表は、チャートに未来の値を表示するので、時間足を組み合わせて使えば 売買のきっかけとなる部分 を見つけられます。
どうしてもトレンドがわからず、エントリーポイントを見つけられないというときは、無理せず売買を一端注視することも大切です。
まとめ
時間足には、1分足などの短い時間足から、日足などの長い時間足までいくつもあります。一目均衡表を使ってトレードする上では、基本の時間足を決めて、複数の時間足を見ていきましょう。
上位足はチャートの流れを掴むのに、下位足はエントリーポイントを探すのに使います。