現在、FXや株のテクニカル分析にはローソク足が広く使われております。
ローソク足を正しく読めるようになればチャート分析力が格段に上がるだけでなく、相場における大衆心理の動きまでしっかりと理解できるようになります。
ローソク足の基本的な見方
そもそもローソク足とは、相場における「始値・終値・高値・安値」の4つの情報を一つにまとめて表示させたものです。
実は、これは日本人によって開発された表示方法で、その見た目がローソクの形に似ていることからその名が付けられたそうです。
用語 | 意味 |
---|---|
始値(はじめね) | その期間が開始した時の価格 |
終値(おわりね) | その期間が終了した時の価格 |
最高値 | その期間中に付いた最も高い価格 |
最安値 | その期間中に付いた最も安い価格 |
また、ローソク足は「陽線」と「陰線」の2つに分けられており、始値よりも高い価格でその期間が終了した場合には陽線となり、始値よりも安い価格でその期間が終了した場合には陰線となります。
ローソク足の読み方・陽線
ローソク足の中央部分を 実体 と呼び、陽線の場合は実体の下が始値、実体の上が終値となります。
そして、実体から上下に伸びる線を ヒゲ と呼び、下ヒゲの先端がその期間の最安値、上ヒゲの先端が最高値となります。
ローソク足の読み方・陰線
ローソク足の陰線では実体(太い部分)の上が始値、下が終値となり 陽線の時とは逆 になっています。
一方、実体から上下に伸びるヒゲについては陽線の時と同じで、下ヒゲの先端がその期間の最安値、上ヒゲの先端が最高値となります。
ローソク足の基本形
実際のチャート上に出現するローソク足には、下記のような名前で呼ばれる特徴的な形状があり、その形によって今後チャートがどのように推移していくのかを予測することができます。
- 大陽線(だいようせん)
- 大陰線(だいいんせん)
- 小陽線(しょうようせん)
- 小陰線(しょういんせん)
- 上影陽線(うわかげようせん)
- 下影陽線(したかげようせん)
- 上影陰線(うわかげいんせん)
- 下影陰線(したかげいんせん)
- 寄引同時線(よりひきどうじせん)
大陽線・大陰線とは
大陽線・大陰線 はそれぞれ3つの形に分けられています。
陽の丸坊主は、その期間一方的に価格が上昇したことを示すので買いの勢いが非常に強いことを示します。
また、陽の大引坊主は少し下げた後に強い買いで押し上げられたことを示し、陽の寄引坊主は強い買いの中に売り勢力も入ってきていることを示しています。
一方、陰の丸坊主はその期間一方的に価格が下落したことを示すので売りの勢いが非常に強いことを示します。
また、陰の大引坊主は少し上げた後に強い売りで落とされたことを示し、陰の寄引坊主は強い売りの中に買い勢力も入ってきていることを示しています。
小陽線・小陰線とは
小陽線・小陰線は、どちらもその期間中には大きな価格変動が無かったことを意味しており、 買いと売りの力が拮抗している状態 を示します。
上影/下影陽線・上影/下影陽線とは
上影陽線は、その期間中に価格が大きく上昇したものの強い売りによって押し戻されたことを意味しており、強い売りが入ってきていることを示します。
下影陽線は、その期間中に価格が大きく下落したものの強い買いによって始値よりも高い価格まで押し上げられたことを意味しており、強い買いが入ってきていることを示します。
一方で、上影陰線はその期間中に価格が大きく上昇したものの強い売りによって始値よりも下まで落とされたことを意味しており、強い売りが入ってきていることを示します。
下影陰線は、その期間中に価格が大きく下落したものの強い買いによって押し上げられたことを意味しており、強い買いが入ってきていることを示します。
寄引同時線とは
寄引同時線は、始値と終値が同じ価格で確定したために 実体の部分が無いローソク足 になります。
ローソク足からトレンドを分析する方法
ここまでで、ローソク足の読み方と基本形の意味することについては理解できたでしょうか。
それでは実際に、ローソク足の形状をどの様に活用してチャート分析をしていくのか解説していきましょう。
上昇トレンド時のローソク足活用法
まずは上昇トレンド中におけるローソク足活用法について、陽の丸坊主・陽の大引坊主・下影陽線が発生した場合には買いの狙い目となります。
反対に、上昇トレンド中に大陰線や上影陰線が発生すると、その後は上昇トレンドが終了する可能性が高くなるので売りを狙うようにします。
下降トレンド時のローソク足活用法
一方、下降トレンド中に陰の丸坊主・陰の大引坊主・上影陰線が発生した場合には売りの狙い目となります。
反対に、下降トレンド中に大陽線や下影陽線が発生すると、その後は下降トレンドが終了する可能性が高くなるので買いを狙うようにします。
ローソク足の期間の使い分け方
ローソク足の期間には1分、5分、15分、30分、1時間、4時間、1日、週足、月足と様々あります。
始めに述べた通り、ローソク足とはその期間中の始値から終値までの価格の推移を表したものなので、5分足であれば5分おきに1本ずつ確定し、日足であれば24時間おきに1本ずつ確定していきます。
従って、スキャルピングのようにトレードの時間軸が短ければ、1分や5分といった短期のローソク足を重視したチャート分析になります。
トレードスタイル | メインの時間足 |
---|---|
スキャルピング | 1分足・5分足・15分足 |
デイトレード | 15分足・30分足・1時間足 | スイングトレード | 4時間足・日足・週足 |
ローソク足から相場を読むために注意すべき点
最後に、ローソク足を利用する際の注意点をいくつか確認しておきます。
ローソク足は相場の動きや投資家心理を読み取るためには非常に優れた指標ですが、それだけに頼って売り買いを続けていても だまし に合ってしまい中々勝てるようにはなりません。
従って、トレード勝率を上げるためには他のインジケーターと組み合わせてローソク足を活用していく必要があります。
数あるインジケーターの中でも、移動平均線・ボリンジャーバンド・RSIの3つが、ローソク足との相性も良く初心者に扱いやすい組み合わせとなります。
移動平均線とローソク足の組み合わせ
まずは移動平均線との組み合わせからご説明します。
ローソク足だけを見ていてはトレンドの方向が上下どちらなのか分かりにくいので、それを補完する目的で移動平均線を組み合わせます。
この様に、移動平均線の短期・中期・長期が全て上向きで強い上昇トレンドが確認できる場合には、先述した陽の丸坊主・陽の大引坊主・下影陽線などの 買いを狙うローソク足のサイン が最も有効になります。
これとは反対に、移動平均線の短期・中期・長期が全て下向きで強い下降トレンドが確認できる場合には、先述した陰の丸坊主・陰の大引坊主・上影陰線などの 売りを狙うローソク足のサイン が最も有効になります。
ボリンジャーバンドとローソク足の組み合わせ
次に、ボリンジャーバンドとローソク足の組み合わせについて解説します。
ボリンジャーバンドはその傾きからトレンドの方向を読み取ることができ、更に価格の反発ポイントも分かりやすいのでローソク足との相性が非常に良いのです。
この様に、ボリンジャーバンドが上向きで上昇トレンド中の場合、-1σもしくは-2σにかかるように下影陽線が出たところは絶好の買いポイントとなります。
反対に、ボリンジャーバンドが下向きで下降トレンド中の場合には、+1σもしくは+2σにかかるように上影陰線が出たところが最も勝率の高い売りポイントとなります。
RSIとローソク足の組み合わせ
続いて、RSIとローソク足の組み合わせについて解説します。
RSIは一般的に逆張り指標として活用されることから、ローソク足と組み合わせることでトレンド転換点を狙うことができます。
この様に、RSIの買いシグナルである 30%付近 でローソク足の買いサイン(陽の丸坊主・陽の大引坊主・下影陽線など)が重なるところでは、買いの勝率が非常に高くなります。
反対に、RSIの売りシグナルである 70%付近 でローソク足の売りサイン(陰の丸坊主・陰の大引坊主・上影陰線など)が重なるところでは、売りの勝率が非常に高くなります。
まとめ
今回は、ローソク足の基本から応用まで一通り解説してきましたが、これをしっかりと理解できるようになればチャート分析スキルが格段に向上します。
始めのうちは、ローソク足の形状から相場の流れを読み取るのには大変苦労するかと思います。しかし、一度慣れてしまえばその後は相場の見え方がガラっと変わるはずですので、是非今回の記事は何度も読み返して自分のスキルとして定着させてくださいね。