FX取引でよく用いられるテクニカル指標の一つが『RSI』です。
市場の過熱状況を示す指標 で、レンジ相場でのエントリーのタイミングを見極めるのに役立ちます。
RSIの基本と最適な期間設定手法とは?
RSIは市場の過熱状況を示すテクニカル指標で、今市場が買われすぎの状態にあるのか、それとも売られすぎの状態にあるのかを視覚的に判断できる便利なインジケーターです。
一定期間内の株価の上昇幅と下落幅から、現在の相場がどのような状態にあるのかを把握することができます。特に上昇トレンドでも下降トレンドでもない、 レンジ相場での市場の動き を見極めるために有用な指標となっています。
ではRSIの基本的な考え方と、期間設定手法について解説します。
RSIの基本的な見方とオススメのポイント
トレンド相場ではなくレンジ相場において、
- RSIが70%を超えた場合には市場が買われすぎにあると考えて『売り』ポジションを持つ
- RSIが30%を下回った場合には市場が売られすぎの状態であると考えて『買い』ポジションを持つ
こうすることで利益を上げるというのがRSIの基本的な考え方です。
ただし後述の ダイバージェンス や リバーサル を利用すれば、トレンドの転換・継続を見極めてトレードの成功率を高めることも可能となります。
RSIがテクニカル指標としてオススメであるポイントは3つあります。
レンジ相場において利益を出しやすくなる
まずは「レンジ相場において利益を出しやすくなる」という点です。トレンド発生時には、持つべきポジションを決めるのはそれほど難しくありません。上昇トレンドであれば『買い』、下降トレンドであれば『売り』です。
RSIを利用すれば、市場の過熱状況から多くのトレーダーがどのような行動を取るかを予測することができ、トレンドが今後転換するのか、継続するのかをある程度正確に予測することができます。
勝率が比較的高い
続いてのオススメポイントは、勝率が比較的高いという点です。テクニカル指標には勝率が高いものも低いものもありますが、 RSIは確度が高いのが特徴 です。
RSIは一定期間内の上昇幅と下落幅から算出されるため、50%付近に収束することが多くなります。そのため70%を上回ったり、30%を下回ったりした場合には、その後かなりの確率で反発します。
初心者でも使いやすい
最後のオススメポイントは、初心者でも使いやすいという点です。RSIは1つのチャートが買われすぎ・売られすぎのラインを超えるかどうかを見極めるものなので、市場の過熱状況を視覚的に捉えることができます。
RSIの最適な期間設定手法
RSIで特に重要となるのがRSIを算出するために用いる『 期間 』です。もしRSIをこれから利用するのであれば、自分で期間を設定することもできます。
もしMT4でRSIを使っているのであれば、最初にRSIを表示しようとした時に期間の変更が可能です。デフォルトでは『14』になっていますが、『7』や『18』といった期間にしているトレーダーもいます。
もちろん取引している中で期間を変更したいと思った場合には、その都度変更可能です。
RSIの実戦的な期間設定まとめ
RSIでFX取引を成功させるためには、期間設定が非常に重要です。
実際非常に多くのトレーダーが、RSIを使用する際には14日間という期間を設定しています。
RSIの期間が『14』に設定されている理由は、RSIを考案したJ.W.ワイルダーが14日間という期間を想定して作りだした指標だからです。
J.W.ワイルダーが特別に考え出した日数というよりも、当時から市場の動きを読み取るのに14日間という期間をよく用いられていました。したがってJ.W.ワイルダーは、当時の標準的な検証期間をもとにRSIを作ったのです。
今や期間設定は世界標準となっているため、特別な理由がない限りは『 14 』の設定のまま用います。
これはRSIの設定期間を変えることで、RSIの動きが大きく変わるからです。一般的に『14』に設定した場合よりも、『7』に設定した方が買われすぎ・売られすぎラインに到達する回数が多くなります。
期間を短くすればそれだけエントリーのタイミングが多くなるため、取引の回数をより増やしたい方は期間を短く設定するとよいでしょう。
RSIの最適な期間設定でFX取引の使い方は広がる
RSIは期間設定を変えることで、いろいろな相場や状況に対応することができます。
FX取引での成功率を高めるために、どのような状況で期間設定を変えるべきなのか知っておくことは重要です。では以下の2つについて解説します。
- レンジ相場とトレンド相場のRSI最適期間設定
- 1分足・5分足・1時間足・日足・週足でのRSI最適期間設定
レンジ相場とトレンド相場のRSI最適期間設定
RSIはオシレーター系のテクニカル指標として、レンジ相場に非常に強いインジケーターです。そしてレンジ相場での最適期間設定は『14』です。
実はこの『14』という数字には論理的な根拠がありません。しかし最初の考案者が『14』を推奨していたこと、現在でも多くのトレーダーが『14』に設定して問題なくRSIを利用していることを考えると、特別な理由がない限りは『14』でよいと判断できます。
トレンド相場になると、RSIがあまり機能しなくなってしまいます。というのもトレンド相場では買われすぎ・売られすぎの状態になっても引き続き買い・売りが続くため、RSIが100%もしくは0%付近で推移してしまうのです。
1分足・5分足・1時間足・日足・週足でのRSI最適期間設定
FX取引で ローソク足を変える のも、利益を上げるための方法の一つです。
たとえば1分足だけでなく、5分足、1時間足、日足、週足などさまざまなローソク足を使って市場の動きを予測できるでしょう。
さらにそれに合わせたRSIの最適期間を設定することが、FXで成功するカギです。やはりもっとも一般的なのは『14』ですが、その他にも9、22、42、52、9週、13週などの期間を設定するトレーダーもいます。
14以外のどの期間が最適なのかを決めるのは難しいので、トレーダー自身がいくつか期間を設定してみて、成功率が最も高そうなものを使用するのがよいでしょう。
RSIの最適な期間設定でFXエントリーチャンスを掴む
RSIで最適な期間を設定できれば、エントリーのチャンスを逃さず最大限の利益を得られる可能性があります。では実際にどのような動きをした場合にエントリーすべきなのでしょうか。具体的に、
- FX相場の過熱状況を見てエントリー
- ダイバージェンスやリバーサルシグナルを掴んでエントリー
という2つの方法について解説します。
FX相場の過熱状況を見てエントリー
FX相場の過熱状況を見てエントリーする場合、よく用いられる期間設定は『14』や『9』、『7』などです。この期間設定であれば、適度にエントリーのシグナルが出るため初心者の方でも取引しやすいでしょう。
トレンドが発生してしまうとRSIは使いにくくなりますが、トレンドが発生する直前にもエントリーのサインが出やすいがRSIの特徴です。
通常はトレンドが発生したのを確認してからポジションを持つので利益が少なくなってしまいますが、 RSIのエントリーサイン を見逃さずに取引すれば、最大限の利益を得られる可能性があります。
ダイバージェンスとリバーサルシグナルを掴みエントリー
RSIというと逆張りのテクニカル指標というイメージが強いですが、ダイバージェンスやリバーサルを利用すればトレンドの転換や継続を見極めて取引を行うことができます。
ダイバージェンスやリバーサルとは、RSIと株価が連動せず、乖離していくことを指します。
たとえば上昇トレンドであれば、高値はどんどんと更新されていきます。当然RSIもそれに合わせて上昇していくはずですが、時折高値が切り下がっていくことがあります。
上昇トレンドとRSIの高値の動きが連動せず、トレンドが転換するサインを『 ダイバージェンス 』と呼びます。
一方で リバーサル はトレンドが継続するサインです。どちらもやはりRSIの期間設定は『14』、場合によっては『9』や『22』も用いられます。
まとめ
RSIは分かりやすいテクニカル指標であるものの、期間設定が非常に重要であることが分かります。
基本の『 14 』を試してみて、慣れてきたら他の期間を設定してみるのもよいかもしれません。
RSIを使いこなすことができれば、レンジ相場ではもちろん、トレンドの転換・継続までも見極めてエントリーすることができるのです。