ボリンジャーバンドにおけるオススメの期間と設定方法について

株やFXなどの投資をやる人間にとっては、ボリンジャーバンドは必須の知識といえます。

このボリンジャーバンドを利用してトレードで勝つ為には、最適な期間設定と表示設定、優位性の高いエントリー手法の3つが必要になります。

トモヒロ
今回は、最も機能しやすい期間設定と扱いやすい表示設定について詳しく解説していきます。

ボリンジャーバンドの仕組み

ボリンジャーバンドは見た目が分かりやすて初心者にも扱いやすいので使い方をマスターしたいです!

分かりました。
ではまず、ボリンジャーバンドの成り立ちや指標の意味、期間について基礎から確認していきますが、その前に注意して欲しいことが一つだけあります。

それは、「ボリンジャーバンドの期間設定をデフォルトの20からカスタマイズしても勝率は上がらない」ということです。

なぜそのようなことが言えるかというと、ボリンジャーバンドを使用しても勝てない理由は期間設定ではなく以下に挙げる3つが主な原因だからです。

  1. 売りと買いの方向が間違っている
  2. エントリー/利確のタイミングが間違っている
  3. 資金管理方法が悪い

これら3つのポイントはボリンジャーバンドの設定を変えたところで改善されることはありません。

それに、「今まで全く勝てなかった人がボリンジャーバンドの期間設定を20→9に変えた途端勝てるようになった」という話も聞いたことがありません。

むしろ、多くの勝ちトレーダーを見てきた経験から言うと、 デフォルト設定のまま使い続けた人 の方が後々トレードで勝てるようになっています。

ですので、これまでボリンジャーバンドを使ってきたものの全く勝てるようにならなかった人やこれから使ってみようと考えている人は、まずここでデフォルトの期間設定「 20 」が何を意味しているのかをしっかりと学ぶようにしてください。

そうすることで、おのずと優位性の高い使い方ができるようになります。

ボリンジャーバンドから読み取れる事

ではまず、ボリンジャーバンドを表示することで相場からどの様な情報を読み取ることができるのか、実際のチャートを見ながら解説していきましょう。

ボリンジャーバンド「スクイーズ」「エクスパンション」「バンドウォーク」

そもそも、ボリンジャーバンドはトレンド系と呼ばれるインジケーターなのでトレンドの発生・強弱・方向性を知るために表示します。

実際には、上図にある「スクイーズ」「エクスパンション」「バンドウォーク」という3つのパターンに注目することで、先述したトレンドの状況を詳しく知ることができます。

3つのパターン説明
スクイーズ相場がレンジであることを示す。バンド幅が狭まっており相場のボラティリティが低い状態において発生する。
エクスパンションレンジがブレイクしたことを示す。バンド幅が拡大しており相場のボラティリティが急激に高まることで発生する。
バンドウォークトレンドが発生したことを示す。バンド幅が拡大した状態でローソク足が一方向のバンドに張り付いたまま推移することを言う。

要するに、「スクイーズ=レンジ」「エクスパンション=ブレイク」「バンドウォーク=トレンド」になるので、スクイーズ中にレンジの逆張りを狙うかバンドウォークの発生とともにトレンドフォローをしていくかで戦略が分かれます。

 一方、エクスパンション時の価格の動きに飛び乗ってしまうと多くの場合だましに合ってしまうので注意してください。

ボリンジャーバンドを構成する7本の線について

ボリンジャーバンドには同じような線が沢山ありますが、それぞれ何を示しているのでしょうか?

はい。
では次に、ボリンジャーバンドを構成しているそれぞれの線について解説していきます。

ボリンジャーバンドの7本線

まず、ボリンジャーバンドの7本線をチャートに表示すると上図のような見た目になります。

それぞれのラインの呼び方と意味については以下の表にまとめましたのでご覧ください。

7本のライン意味
ミドルライン中央に位置するラインで、設定した期間における価格の平均値を繋げたもの。移動平均線と同じものになる。
±1σσ=シグマと読み、中央から一つ上を+1σ(シグマ、)一つ下を-1σ(シグマ)と呼ぶ。68.3%の確率で価格がこの2本のラインの内側に収束するように計算されている。
±2σ中央から二つ上を+2σ(シグマ)、二つ下を-2σ(シグマ)と呼ぶ。95.4%の確率で価格がこの2本のラインの内側に収束するように計算されている。
±3σ最も上の外側ラインを+3σ(シグマ)、最も下の外側ラインを-3σ(シグマ)と呼ぶ。99.7%の確率で価格がこの2本のラインの内側に収束するように計算されている。

「ボリンジャーバンドの期間」とはミドルラインの期間のことを指し、開発者ジョン・ボリンジャー曰く『 20期間 に設定して使うことが最も望ましい』とのことです。

上の表にも記載した通り、ミドルラインとは一定期間の価格の平均値を繋げてライン状にしたものなので、移動平均線と同じものになります。

一般的に、株やFXでは20日(週5日の市場営業日×4週)の平均価格を参考に取引されることが多いため、ボリンジャーバンドも20期間が最も機能しやすいのです。

また後程詳しく説明しますが、σ(シグマ)とは統計学で使われる用語で標準偏差とも呼ばれ、ランダムに発生する事象について平均値からのばらつき具合を示したものになります。

トモヒロ
ちなみに、ボリンジャーバンドにおいて最も重要なラインは±2σであり、人によっては±1σや±3σを表示しないこともあります。

ボリンジャーバンドの期間や標準偏差が意味するものとは

ここまでで、ボリンジャーバンドの各ラインが何を意味するのか、それを使って相場における何を分析するのかについてはイメージできたでしょうか。

ここからは、ボリンジャーバンドの期間と標準偏差についてもう少し説明を深堀していきますので頑張って付いてきてくださいね。

まず、ボリンジャーバンドをチャートに表示させる際には下図のような設定値を決めなければいけません。

ボリンジャーバンド設定値

このうち「期間」というのがミドルラインを構成するものに当ります。
多くの場合デフォルト設定では「 期間=20 」となっているので「ローソク足20本分の平均価格を使用して標準偏差(平均値からのばらつき)を求める」ことになります。

また、この図では「偏差=2」となっているので±2σ(95.4%の確率で価格が収束するバンド)を表示する設定になっています。

つまり、この設定のボリンジャーバンドだと、ローソク足20本分の価格の平均値から、95.4%の確率で収束する価格の上下ばらつき幅を知ることができます。

ばらつき幅(標準偏差)

POINT
ばらつき幅(標準偏差)と実際の価格の動き方を分析することによって、次の値動きが読みやすくなったりトレンドの発生を早期に察知することができるのです。

ボリンジャーバンドでおすすめの期間

先ほどボリンジャーバンドの期間はデフォルトが良いと言っていましたが、他サイトでおすすめされている9や25は全く使えないということですか?

いえ、そんなことはありません。
もちろん、他サイトで紹介している9や10、21、25、50などを使用しても勝つことができます。

ただし、繰り返しになりますが期間設定20で勝てないトレーダーが9や25にしたとしても、運よく一時的に勝率が上がることはあっても継続して勝ち続けることはできません。

スキャルピングなら9期間が良いという情報を見たことがありますが、それでも20の方が良いのですか?

そもそもですが、「トレード期間が短い=ボリンジャーバンドの期間も短い方が良い」という考え方が勝てないトレーダーの思考パターンですね。

当然、期間を短くすれば売買サインも増えますし、小さな値動きに対してもサインを発してくれるようになります。
しかし、それと同時に だまし も増えますし利確サインが早くなりすぎるなどデメリットも多くなります。

また、スイングトレードをするからといって期間を50や70など大きくする必要も本来はありません。

 もちろん、期間を大きくすることでだましを減らしたり大きな流れにも乗りやすくなりますが、その分エントリーや利確のシグナルが遅れてしまうので優位性の高い売買がしにくくなるというデメリットが生まれます。

ではどうすることが正解かというと、期間設定を20に固定したまま見るローソク足の期間を変えるようにするのです。

例えば、スキャルピングであればボリンジャーバンドの20期間における1時間足で環境認識をしながら、同じ20期間における1分足や5分足の売買シグナルで具体的なエントリー/利確のタイミングを計るようにします。

こうすることで、 短期足から長期足まで一貫性のある分析 ができるようになるので、ボリンジャーバンドの期間設定を細かくいじるよりも正確かつ簡単にスキャルピングの売買判断が可能となります。

±1~3σは全て表示した方が良いでしょうか?

これについては正直どちらでもよいですが、±2σのみの表示でも十分に有利なトレードは可能です。また、エントリーの判断をミドルラインや±2σを基準にして、利確の判断を±1σで行うといった方法もあります。

ちなみに、±3σについてはあまり利用頻度が多くないのであえて表示していないトレーダーも多いですね。

MT4における期間の設定方法

さて、ここまでの説明でボリンジャーバンドの基礎についてはおおむね理解できたでしょうか。ここからは、 MT4 を利用した実際のチャート上での期間設定方法について解説していきます。

まずはMT4を開いて取引したい通貨ペアのチャートを表示させます。

次に、チャート上部に並んである各アイコンの中から「インディケーターリスト」のアイコンを探してクリックします。

MT4インディケーターリスト

すると、すぐ下に色々なインジケーターがリスト表示されるので、「トレンド」→「Bollinger Bands」と選択していきます。

「トレンド」→「Bollinger Bands」

リストからボリンジャーバンドを選択すると上の様な設定ウィンドウが表示されるので、一旦は何も数値を変更せずにそのままOKを押してみましょう。

±2σとミドルラインだけのシンプルなボリンジャーバンド

そうすると、上図のような±2σとミドルラインだけのシンプルなボリンジャーバンドが表示されます。

パラメータ線の色や形状

ちなみに、先ほどの設定ウィンドウでは「期間=20」「偏差=2」となっていたので 20期間のミドルラインと±2σのバンド が表示されました。

仮に期間9でボリンジャーバンドを使いたい場合には、期間の数値を9に変更することで9期間の平均値から計算されたボリンジャーバンドが表示されます。

また、スタイルの部分を変更することで線の色や形状を好みのものに変えることができます。

レベル表示

±1σや±3σも表示させたい場合には、設定ウィンドウの「レベル表示」タブを利用します。

ここから「追加」をクリックすると、レベル設定と書かれているところのすぐ下に新しいレベルが「0.0」で追加されるので、この数値を0.5にすると+1σのラインが表示されるようになります。

同じようにして-0.5、+1.5、-1.5のレベル設定を追加することで、-1σ、+3σ、-3σがそれぞれ追加表示されます。これもまた、スタイルを変更することで追加した線の色や形状を好みのものに変えることができます。

ボリンジャーバンドの7本線

トモヒロ
ここまでの手順を全て行うと、当記事で最初にお見せしたこちらのボリンジャーバンドが表示されるようになります。

バイナリーオプションにおける期間設定

それでは最後に、バイナリーオプションのHIGH/LOW取引に特化した期間設定について解説します。

結論から申し上げると、ここまで説明してきた通り基本の20期間で固定することが最も勝率の高い使い方になります。

従って、日足・4時間足・1時間足の20期間ボリンジャーバンドで環境認識をして、1分足・5分足・15分足・30分足の20期間ボリンジャーバンドを利用してHIGH/LOW取引のタイミングを計るようにします。

また、HIGH/LOW取引はルール上、途中決済を前提にすると不利になるので基本的には満期までホールドして満額の配当を得ることを前提にします。

そうすると、4時間や1日のような判定期間が長くて未来の価格が読みにくい取引では高い勝率を維持することは難しいため、トレード初心者には 5分足を基準にした短期売買 が最もおすすめとなります。

下図は、長期足で上昇トレンドを形成中の相場において、5分足で売買タイミングを計っているところになります。

バイナリーオプションにおける期間設定

先述したように、バイナリーのHIGH/LOW取引とは最終的に価格が上がったか下がったかを当てる二者択一の取引なので、満期終了までポジションをホールドしておくことが前提となります。

ですので、途中決済をしなければエントリー後にどれだけ価格が伸びても配当額は一定となります。

つまり、FXのようにトレンド形成を狙った取引にこだわる必要も無いので、上の例のようにボリンジャーバンドで一度バンドウォークが発生したことを確認した後でも十分に有利な取引が可能なのです。

具体的には、5分足で20期間ボリンジャーバンドを表示させ、価格が大きく上昇し調整の下落があった後に、-2σ付近から内側へと価格が収束を始める瞬間がHIGH/LOWでの短期売買ポイントとなります。

トモヒロ
また、標準偏差の表示本数については±2σだけでも十分に有利な取引が可能ですが、途中で損切したり決済する場合には±1σを、節目での逆張りを狙うなら±3σを表示しておくと便利ですね。

まとめ

ここまで、 ボリンジャーバンドの期間や設定 について詳しく掘り下げて解説してきました。

今回は、手法解説についてはあまり触れなかったですが、勝ち続けるために大切な情報が沢山詰まっておりますので、是非何度も読み返して自分のものにしてくださいね。

おすすめの記事