FX取引において人気のあるインジケーターの一つが『 RSI 』です。
初心者でも視覚的にわかりやすく、市場の動きを捉えられるので、使い方を知っておくと重宝するでしょう。
RSIとはどんなインジケーター?
RSIとは、簡単にいうと「市場の過熱状況を把握するためのインジケーター」です。
市場は売りと買いが均衡していることもありますが、多くのトレーダーが売りポジションを持っている場合や、逆に買いポジションを持っているケースもあります。
そこでRSIは一定期間の価格の上昇幅と下落幅から、今の相場が買われすぎなのか、売られすぎなのかを見極める助けになるのです。
RSIは50%を中心に0%から100%の間で推移します。
その時点で売りポジションを持っておけば、価格が下落したときに利益を上げられる可能性が高くなるのです。
今後は価格が上昇に転じる可能性が高いので、買いポジションを持っておこうという判断になるかもしれません。
したがってRSIはトレンドに沿った取引ではなく、トレンドの方向とは反対に取引を行う 逆張りに適したインジケーター なのです。
RSIを利用することのメリット
RSIを利用する事にはいくつかのメリットがあります。それは、
- レンジ相場で利益が出せる可能性がある
- 初心者でもエントリーのタイミングを見極めやすい
という2つの点です。ではこれらのメリットについて詳しく解説します。
まず最初のメリットは、レンジ相場で利益を出せる可能性があるという点です。
テクニカル指標には大きく分けてトレンド系とオシレーター系という2つの種類があります。RSIはオシレーター系のテクニカル指標であり、トレンドが発生していないレンジ相場で威力を発揮します。
トレンドが発生している場合、持つべきポジションやエントリーのタイミングを見極めるのはさほど難しくありません。上昇トレンドが発生していることが分かれば、買いポジションを持って利益を上げられるでしょう。
逆に下降トレンドであれば、トレンドの転換までは売りポジションを保持して利益を上げられる可能性が高いと言えます。
そんな時にRSIは非常に役立つのです。一見すると売り・買いのポジションのどちらを持てばよいのか分からない株価の動きでも、RSIを見れば一定期間内の トレーダーの動向 をある程度見極められるからです。
一定期間内に市場が買われすぎになっていれば売りポジションを、売られすぎであれば買いポジションと、逆張りによって取引を成功させることができるかもしれません。
続いて初心者でも使いやすいというのが別のメリットです。
世の中にはいろいろなインジケーター・テクニカル指標がありますが、すべてが初心者に使いやすいというわけではありません。多くの線を用いたり、ローソク足との兼ね合いを見たりしなければならないからです。
しかしRSIの場合には、 1本の線の動き を見ていればよいので非常に簡単です。
RSIが70%を超えているか、30%を下回っているかを見るだけで逆張りのヒントになるからです。
RSIをMT4で使う時の設定方法
RSIを MT4 で使う場合にはいくつかの設定を行わなければなりません。そこで、
- RSIをMT4に表示させる
- RSIの設定値
という2つのポイントについて解説します。
RSIをMT4に表示させる
FX取引にMT4を使っている方でRSIを表示させたい場合には、まずMT4の上部に表示されている『挿入』をクリックします。
その後『インディケータ』の中にある『オシレーター』を選びます。
するとさまざまなオシレーター系のテクニカル指標が表示されるので、その中にある『RSI』を選択すればチャートに表示されます。
RSIの設定値
RSIをMT4で正しく使うためには、 設定値 を正しく入力しなければなりません。RSIの設定値として重要なのは期間、適用価格そして上限・加減です。
まずRSIの期間ですが、あまりに期間が長すぎると70%以上や30%以下になる回数が多くなり、期間が短すぎるとエントリーのタイミングがなくなってしまうことがあります。そのため通常は「9」や「14」を使います。
続いて適用価格ですが、こちらもさまざまな選択肢があります。
しかし一般的には終値である「 Close 」を使います。他にも始値や高値、安値を使う方法もありますが、最初のうちは終値を使っておけばよいでしょう。
最後に上限と下限は『100』と『0』のままにしておきます。RSIは0から100の間で変動するものなので、この数値を変えてしまうと正確に分析できなく恐れがあります。
RSIを表示したチャートの見方
では実際にRSIを表示したチャートを見る方法について解説します。
一般的には上に株価を示すローソク足、下にRSIを表示して使います。逆張りのパターンと、RSIをトレンド転換のサインを見極めるために使うパターンの2つを見ていきましょう。
RSIを逆張りに使う
RSIを使ったチャートのもっとも基本的な見方は、『 逆張り 』です。RSIは振り子を意味するオシレーター系のテクニカル指標で、市場が売られすぎの場合には買い、買われすぎの場合には売りという逆張りに役立てられます。
たとえば次のチャートを見てみましょう。
レンジ相場において株価が上昇していき、緑の丸の部分でRSIが70%に達しました。この場合市場は買われすぎの状態にあると判断できます。
価格は上昇していますが、ここで売りポジションを持つのが逆張りです。結果的にその後株価は下がり、売りポジションを持っているトレーダーが利益を上げられることになります。
その後株価は下がり続け、赤い丸のところでRSIが30%の線をわずかに下回りました。
すると今度は市場が 売られすぎの状態 にあると判断できるでしょう。株価は下がっていますが、逆張りで買いポジションを持ちます。
その後株価が上昇しているので、RSIを使用して利益を上げられる可能性が高いこともわかるでしょう。
RSIをトレンド転換の見極めに使う
RSIは逆張りに使うものというイメージが浸透していますが、RSIを使うことでトレンドの転換を予測することもできます。
それが『 ダイバージェンス 』です。ダイバージェンスとは『逆行』という意味で、市場の動きとRSIの動きが逆行する時に用いられます。たとえば次のチャートのようなケースです。
ローソク足は上昇トレンドになっていますが、下に表示されているRSIは下降気味になっていることが分かります。
通常RSIは株価と連動して動くので、ダイバージェンスが発生した場合にはトレンドが転換するサインとなります。
RSIを使ってトレードする時の注意点
RSIを使ってトレードする際には、いくつかの注意点に留意する必要があります。それは、
- トレンド発生時にはRSIが使えない
- 『だまし』に注意する
という2点です。ではこの2つについて詳しく解説します。
トレンド発生時にはRSIが使えない
まず重要なポイントとなるのが、RSIを使うのはレンジ相場であるという点です。RSIは上昇トレンドや下降トレンドが発生している時には使用できません。
というのは、RSIは一定期間内の価格の上昇幅と下降幅から計算された値です。そのため上昇トレンドに入ると、RSIもどんどんと上がります。
70%を超えて市場が買われすぎとなりますが、上昇トレンドである限り 買いの勢力が優勢 であり続けます。そのためRSIは100%に近いところでずっと推移していくのです。
下降トレンドが発生している場合も同様で、RSIは0%付近を推移します。RSIが利用できるのはトレンドが発生してないレンジ相場であることをしっかり覚えておきましょう。
レンジ相場でもトレンド発生時でも取引ができるよう、RSIとトレンド系のテクニカル指標を併用しているトレーダーも少なくありません。
『だまし』に注意する
RSIの別の注意点は『 だまし 』です。だましとは、テクニカル指標で予想した市場の動きと、実際の株価が異なることを指します。
この場合も、ローソク足や移動平均線やMACDなどの他のテクニカル指標を使ってエントリーのタイミングを見極めることでだましを極力回避することができるでしょう。
まとめ
RSIは使いやすく分析もしやすいテクニカル指標です。上手に使いこなすことができれば、トレンドが転換する直前にエントリーして最大限の利益を上げることができます。
他のテクニカル指標も併用してだましを回避しつつ、判断が難しいレンジ相場でもFX取引を成功させたいものです。